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            《落選編》          

 2002年10月27日(日)、候補者にとって投票日の朝は独特なものだ。
 選挙運動から開放された安堵感と、大いなる不安。一週間の選挙運動期間をこなしきった満足感。さまざまな思いが交錯する。

 朝、投票所に行った。何十人もの人が投票に来ている。不思議な感じだ。三人の中から一人を選ぶという市議会議員の補欠選挙である。多くの見知らぬ市民がそのためだけに時間を割いて来てくれている。

 もちろん、皆が自分に入れてくれているわけではないのに、とっても感謝したい気持ちになった。滑稽なことにその候補者である自分が、そこにいるのにほとんどの方は気づいていない。それくらい知名度がないのだ。

 同じ団地内の人でさえ、ほとんど私のことを知らない。30年ほど前から入居が始まった若葉台という戸数1,200戸程の団地で、私は4年前に越してきたばかりで、自治会など地縁組織の役などもまったく関わっていなかったのだから。

 ただ、選挙ポスターには自信があった。野外で撮った横長の写真だが、正直実物以上によく撮れたと思う。カメラマンに感謝である。本人は知らなくともポスターや選挙広報などを通じて私のことを知った方が大半である。

投票日の朝は、戦い済んで……という気分でのどかに過ごしてしまった。ただ、選挙を最後の最後までやり抜く気なら、まだやれることはある。追い出しコールと言って○○選挙事務所の者ですが、もう投票には行かれましたか?と電話するのである。

 もちろん○○に入れてくださいなどと言うと、選挙違反になるが投票に行きましょうというだけなら問題にはならない。しかし、そこまでする気力がすでになかった。この辺りが甘さと言えるかもしれない。昨日の20時で燃え尽きてしまったようだ。

 当選する自信があるわけではない。さりとて、確実に落選するというほど悲観的でもない。ただ、やれるだけのことはやったという満足感はあった。もちろん、初めての選挙で、しかも補選という極端に投票率の低い選挙である。何の根拠もない。

 応援してくれた学生たちは、すでに4泊も5泊もしてくれており、それぞれ結果を待たずに大阪や東京、横浜と帰って行った。本当に強力な助っ人たちであった。選挙事務所は、昨日までの賑わいがうそのようにまた静かになっていった。

 そしてついに、午後8時を迎える。投票が終わり、開票作業に入る。普通候補者は、結果が分かりそうな時間の事務所に現れるものだ。しかし、ここでも人手がないので候補者自ら、開票速報板などをつくって準備をしていた。

 午後9時を過ぎた頃には何人か、応援してくれた人が集まってくれた。票は百票単位30分くらいの間隔で発表される。でも1時間もすると自分の票が、トップに比べて伸び悩んでゆくのが分かる。

 そんな時、電話のベルが鳴った。選挙ポスターの掲示責任者なども務めてくれている若い友人からであった。彼は立会人として市の開票所に居るのであった。開口一番「このたびは…」ということだった。

 ガーン。信じたくないけど落選は確実だという。何か今まで自分を保たせてきたエネルギーが一気に切れた感じがした。それなりに覚悟していたにもかかわらず、現実を突きつけられるとショックは隠せない。

 何人かの方たちは、そそくさと席を立って帰って行かれた。残ったのはほんと身内だけ数人というものだった。その人数では敗戦の弁などもとりたてて必要がない。これからどうしていこうか…頭がパニックになる。

 結局、私の得票は、4,952票。当選した元政治家秘書は、9,032票。もう一人の方は3,527票だった。投票率は25.33%だった。完敗である。

                    ………つづく


 

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