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市民ライターどんどん
地球を見つめて〜なんちゃって
       ……かざりえみこ
コラム ★ライターズ・バトル★
    《おれのコラムが面白い!》
新登場! テーマ・コラム
    《ライター各様書き比べ》
脱サラ議員奮闘記
  …山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
       ……秋田おばこ
市民ライターのキモ
         その真実と技術
       ……吐山継彦
ライティング情報あれこれ
◇参加レポート「行ってきました」
◇三反農家の米作りノート
          ……平田泰史
◇わが町中津を語る
          ……霊崎(たまさき)
◇お薦めメルマガ勝手に紹介
◇お薦めのこの一本
◇ショートコラム
       この○○を誉めよ!

◇講座そのほか情報
(以下はいまなお工事中です)
◇投稿
◇編集後記
バックナンバー
24号(05. 9.20配信)
23号(05. 8.20配信)
22号(05. 7.20配信)
21号(05. 6.20配信)
20号(05. 5.20配信)
19号(05. 4.20配信)
18号(05. 3.20配信)
17号(05. 2.20配信)
16号(05. 1.21配信)
15号(04.12.20配信)
14号(04.11.20配信)
13号(04.10.20配信)
12号(04. 9.20配信)
11号(04. 8.20配信)
10号(04. 7.20配信)
9号(04. 6.20配信)
8号(04. 5.20配信)
7号(04. 4.20配信)
6号(04. 3.20配信)
5号(04. 2.20配信)
4号(04. 1.20配信)
3号(03.12.20配信)
2号(03.11.20配信)
1号(03.10.20配信)
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☆★☆★
★☆★ 書く力、書く参加!
☆★
★          市民ライター通信
☆ 2005.5.20
----------- http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/ ★ 第20号★☆★
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■あなたも市民ライターに!■

市民が社会に向けて情報を発信するには、書くことが不可欠です。
多くの市民活動はそこから始まっています。《書く力》を養い、
《書くことで社会参加する》市民ライターになりませんか。
                  
  ========= 市民ライターのイメージ ==========
       
* 書くことによる社会的な発信が大切だと考えている。
* 心情吐露だけに終わらず“レポート性”のある文章がかける。
* ペンが剣よりも強い世界にしたいと思っている。

――――――――――――――――――――――――――――――

■まいど おおきに!■

今月号には3つの新しい連載コーナーが増えました。
 まず、「私の一曲」、「俺の一本」など、自分がこれまでの人生の中で一番
影響を受けた書物や映画、音楽、芝居などについて語るコーナーを新設しまし
た。このコーナーには投稿大歓迎です。他のコーナー同様どしどしご投稿よろ
しくお願いします。
 あじかたさんの「モンゴルを語る」では、これまで私たちの知らなかった新
しい世界に出会えそうです。
 そして、「ポエムとポリシー」では、中学のころから○○年間詩を書き続け
ている小山さんが、これまでに書き溜めた作品を紹介してくださいます。
 

////////////////■□■ も く じ ■□■/////////////////

【1】論・RON・ロン
    創造よりも鑑賞を ……………………………………… 吐山継彦
【2】オモシロキ・コトモナキ政治ヲ・オモシロク(3) ………… 本河知明
【3】地球を見つめて〜なんちゃって(20) …………………… かざりえみこ
【4】この一本                      
    ◆ 映画「小さな恋のメロディ」 ……………………… 大阪の少年H
【5】モンゴルを語る   ……………………………… あじかた しんいち
【6】市民ライターのキモ/その真実と技術 (17)
漢字と仮名のバランス ………………………………… 吐山継彦
【7】「秋田弁だば まんず おもしれー」(秋田おばこ編)
幼い日に聞いた F 音  ……………………… 秋田おばこ
【8】ポエムとポリシー
 ◇ 情(愛情・友情・人情)◇  ……………………… 小山良弘    
【9】フォーラム・イベント情報 
  *チャリティーバザー (ピエロハーバー)   
  *第27期 お話の語り手講座 (大阪ボランティア協会)
【10】編集後記

////////////////////////////////////////////////////////////

 読んで、感じて、そして、あなたも発信してください。    
☆書く力を養い、書くことに慣れ、書くことで社会参加していきましょう。


  「論・RON・ロン」コーナーは、個人の論を世の中に論じよ
  うというコーナーです。といっても、個人的な問題を論じる場
  ではなく、社会的問題や時事ネタを、一市民の立場で論じよう
  ではないかというコーナーなのです。多いに論じて、あなたの
  考えを世に問うてください。個人の考えを発信することには意
  味があります。ひとりの力は小さくても“うわさが力になる”
  からです。あなたの論をお寄せください。反論や賛成論も歓迎、
  ここは「議論の場」です。


  その他いずれも800〜1000字程度   
  (締切15日必着!メールに貼り付け添付でお願いします)
  感想・投稿大歓迎!お待ちしてま〜す。
  ★投稿先  E-mail: mm-writers@abelia.ocn.ne.jp ★  

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⇒http://isweb25.infoseek.co.jp/business/capnews/index.html


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□                              ★彡
■【1】 論・RON・ロン
□     ◆ 創造よりも鑑賞を ◆           ☆彡        
■                        ★彡☆★
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このコーナーは、まさに個人の論を世の中に論じようという「議論の場」です。
といっても、個人的な問題を論じる場ではなく、社会的問題や時事ネタを、一
市民の立場で論じようではないかというコーナーなのです。大いに論じて、あ
なたの考えを世に問うてください。個人の考えを発信することには意味があり
ます。ひとりの力は小さくても“うわさが力になる”からです。あなたの論を
お寄せください。反論や賛成論も歓迎です。

     =========================   
 
            ◆ 創造よりも鑑賞を ◆
                               
                               吐山継彦

 何か新しいものを創造することに努力を傾注するより、今ある優れたもの、
美しいもの、幸せな状態を享受することを中心に、人生や教育や社会を組み立
てることを提案したい。

 今この社会は、あまりにも新しいアイデアやモノを作り出すことに注力しす
ぎているように思う。独創的であることが最高の美徳とされ、今までにないも
の、さらに便利な商品、より速い乗り物、以前よりも能率的なやり方などを開
発することが至上の課題とされる。しかしそれは、必然的に過酷な競争を生む。
そして、一握りの勝者と大多数の敗者が生まれ、ほとんどの人たちが不平不満
を内奥に秘めている。

 しかしながら、まったくオリジナルなもの(独創物)などはない。誰からも、
また何の影響も受けていない創造なんてあるはずがない。創造性、独創性なん
ていっても、たかだか微小な差異にしか過ぎない。「微小な差異が発展の原動
力だ」という声が聞こえてきそうな気がする。企業活動において今日ほど、“
差別化”という言葉が使われる時代はなかっただろう。しかし、この世界は、
差別化によって本当に日々進歩発展しているのだろうか?

 江戸時代と現在とを比べて、どちらがより発展しているか、と問うと、おそ
らくほとんどの現代人は「今」と答えるだろう。確かに、江戸時代に大坂と江
戸を半日以下で往復できるなんて夢想だにできなかっただろう。しかし、逆に
考えれば、今われわれが必死になって求めている地方分権やリサイクル社会、
きれいな空気や水は江戸時代には溢れかえるほど存在した。

「でも、江戸時代は身分制、封建制社会だった」。
 確かに。インディヴィジュアル(これ以上分割できない存在)、つまり「個
人」が基本である社会ではなかったが、持続可能な社会だった。今は個人の権
利や独創性は最大限に優遇されているかもしれないが、持続不可能になるかも
しれない社会である。

 私の提案は、現在すでにある優れたもの、美しいもの、良きものをまず徹底
的に鑑賞・享受することから始めよう、ということなのだ。とくに子どもたち
は、自分のオリジナルな作品を創ることに専心するよりも、まずすでに創られ
ているすばらしい古典や、さまざまなジャンルの現代の作品群、文学、音楽、
美術、演劇、映画など、そしてまた美しい自然や景観を観賞することが先決だ、
と言いたいのである。十分にそれらの価値が分かり、その素晴らしさを享受す
る能力は、創造性を胚胎させる最高のふ卵器であるはずなのだ。
 

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□                          ☆彡
■【2】オモシロキ・コトモナキ政治ヲ・オモシロク(3)     ☆彡
□                          ★彡  
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  ◇ カフェ文化考〜「私」発の「公共」空間〜 ◇

                               本河知明

 「カフェで気軽に政治について語り合えるような社会をめざします」。

 これは、2003年4月の地方議員選挙で、私の応援した友人が選挙公報に
載せた公約の一つ。首長でもない限り、無所属の一地方議員候補が掲げる公約
なんてたかが知れているけど、有権者にしてみれば意味不明の公約に映ったに
違いない。

 カフェ…。
 昔懐かしい喫茶店はだんだんと減っていき、今はオシャレ系のカフェやセル
フサービスタイプのカフェチェーン店が主流となってきている。お茶すること
だったり、友だちや恋人とおしゃべりを楽しむことだったり、一人で読書や物
思いにふけることだったり、人それぞれカフェへ行く目的は違うが、いずれに
しても「プライベート」な空間として現代のカフェは存在していると言えよう。

 17世紀にロンドンのコーヒー・ハウスから始まり、19世紀にパリやウィ
ーンで花開いたカフェ文化。フランス革命のとき、市民はパリのカフェに集ま
り理想を語り合ったという。また、新聞や政党政治、保険などの制度はカフェ
での議論がきっかけになったと聞く。市民が対等な資格で出会い、世論をつく
りだしていくための場として存在していた。しかし、今の日本において、カフ
ェに限らず、市民が社会や政治、文化について語り合う「パブリック」な空間
はほとんどない。もちろん議会においても…。

 現代は「タコツボ」化した社会と言われる。インターネットが普及してから
は、なおさらその傾向が強まっている気がする。インターネットはたしかに新
たな出会いを生んだが、自分とは異なる価値観を持つ人と出会うことはあまり
ない。

 昔のカフェ文化のように、Face to Faceな空間で、才能と才能
とが出会い、そこから新しい何かが生まれるなんてことはできなくなったのだ
ろうか?

 2000年4月。「サロンは現代において、大阪において可能か?」をテー
マに挑戦すべく始まった実験、それが「扇町Talkin’About」。大
阪市北区の扇町近隣のカフェ・バー数カ所を会場にして、決められたテーマに
ついて参加者自身が語り合うトークサロン企画。『「カフェ文化」考』と題し
た第一回目から、今や700回近く数える。これまでに演劇やお笑い、現代ア
ート、ピンク映画、インディーズ音楽、ポエトリー、哲学、ビジネスなど、さ
まざまなテーマで行われてきた。 http://www.talkin-about.com/

 私もその中の一つ「実験哲学カフェ」を中心に、2001年7月から約2年
間ほど通っていた。死から男女の話、食べ物から自動車の話まで、テーマはバ
ラエティに富み、なおかつ入門的。いわゆる哲学の知識や教養は必要ない。ア
カデミズムやメディアとも異なり、「その人がその人であるからこそ出来る話
にこそ耳を傾けたい」と、主宰者の中田敬史さんは語る。
http://www.shiozawa.net/cafephilo/tetsugakucafe.html

 権威ある人から何かを教えてもらうわけでもない。参加者の知性と感性(セ
ンス)のバランスでもって対話を楽しむ。その終わりに何か合意を得るわけで
もない。持ち帰るものは人それぞれ。人文系や文化系のテーマが多く、すでに
政治や社会に強く問題意識を持っている人には、少々物足りないかもしれない。
しかし、価値観や背景の異なる人が集まった場で、「私」を出発点に対話する
プロセス自身が、すでに政治的・社会的な行為であると思う。モノローグでは
ない。「当事者」同士が紡ぎだすダイアローグ空間。これこそ公共的な場と言
えよう。

 日常生活の中で、いわゆる「政治」的な話をすることは少なくなってきた。
べつに「政治」的話題がタブーになったのではなく、それについて語る必要性、
必然性が少なくなってきたのだろう。情報過多な現代において、敢えて「私」
にこだわる「実験哲学カフェ」の試みは、ただいまも実験中。今年6月18日
(土)、「実験哲学カフェ」は100回目を迎える


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□                          ☆彡
■【3】 地球を見つめて〜なんちゃって(20)    ☆彡
□                    ★彡   
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          ◆ 「園芸店から逃げ出した草たち」 ◆
                              
            かざりえみこ

初夏、五月、過ごしやすくていい季節です。木にも草にも勢いがあり、新緑
や花が美しいですね。昆虫たちの動きも活発で、アゲハチョウの小さな卵が数
日で孵化。すごい食欲を見せてくれます。動物たちもベビーラッシュ。奈良公
園の鹿の赤ちゃん、かわいくって見あきません。 いのちがあふれる季節はい
いものです。
 私は動物よりも植物が好きなので、どうしても草木に目が向いてしまいます。
去年はこのあたりにあの草が、あの花があったはずと、記憶をたどって歩いて
みます。
 
 ところで、今春ほどめずらしい植物を見たことはありません。たしか、数年
前に園芸店で見たはずの植物が思いがけないところに自生していたり、まった
く見たことのない草がきれいな花を付けていたり……。いまや世界中を歩くの
は、人間やモノや情報だけではない、草も木も歩いているんだ、とつくづく思
います。ここ数年の、とくに昨夏の、猛暑のせいでしょうか?

 植物レッドデータブックというのがあります。絶滅の危機に瀕している植物
について、色々なことを知ることができます。絶滅の危機に至った理由は、河
川開発、道路工事、土地造成、森林伐採、園芸採取など、ほとんど人間の活動
によるものです。
 
 以前からあった種が、絶滅しようかという危機的状況にあるというのに、そ
のすきに乗じて子孫繁栄しているのがとくに今まで日本になかった種類です。
その強いことと言ったら、感心します。植木鉢からこぼれてでも、野生化して
広がるのです。捨てた土からも。濃いピンクや黄色のオキザリス、オレンジ色
のポピー、西洋カラシナなどもそうですね。最近、郊外を歩いていて、そこら
一面のコバン麦にはびっくりしました。今までそのあたりにはクローバーがあ
ったそうです。

 でも、クローバーは、明治期に日本に来た外来種です。シロツメクサ。漢字
で書けば白詰め草。乾燥して輸入梱包のパッキン素材に使われたモノだそうで
す。用済みでそのあたりに捨てられたのが広まったのでしょうか。牧草として
栽培されたのもあるそうです。
要するに、在来種が弱かったということで、悲しいけれど、これからも負け組
が出続けることでしょう。

 地球の温暖化と合わせて、何十年、何百年後には、いまの私たちには想像も
つかない自然の姿になるのでしょうか。急速に自然が遷移するのを見るのは辛
いものですね。 


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★     
☆【4】この一本                       ★  ☆彡
☆    ◆ 映画「小さな恋のメロディ」 1971年イギリス ◆ 
★                              ☆★☆★彡
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回より登場した新コーナーです。「私の一曲」、「俺の一本」など、自分が
これまでの人生の中で一番影響を受けた書物や映画、音楽、芝居などについて
語ってください。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

                         再登場 大阪の少年H

 ぼくの場合、これまで観た映画の中で最も感動し、いつまでも心に残ってい
る映画と言えば、高校生の時に観た「小さな恋のメロディ」を真っ先に挙げた
い。

 映画のストーリーはご存じの通りいたってシンプル。イギリスの厳格な小学
校を舞台にマーク・レスター少年が演じる男の子がトレーシー・ハイド嬢が演
じる女の子に恋をして、気持ちが互いに通じ合い、ずっと一緒にいたいから結
婚しようということになる。「大人になったら..」という条件付きの約束な
ら騒動にはならないのだが、それが「今すぐ」という話なので、大人たちは反
対し、二人の真剣さをまともには取り合わない。一方では、初めは二人を冷や
かしていたクラスメートたちは、二人の真剣さに共感し、それなら大人たちに
は内緒で子供たちだけで結婚式を挙げさせてやろうということになる。なんと
かその結婚式を中止させようと、親や教師たち大人が必死になって捜索し、結
婚式の会場となった使われていない鉄道の操車場になだれ込んで大混乱となる
が、二人は間一髪で結婚の誓いを済ませて逃げ切り、手こぎのトロッコを交互
にこぎながら旅立って行く。

 ビージーズが歌う主題曲「メロディフェアー」が日本でも大ヒットし、ぼく
が通う高校では、この映画は意中の女の子を初めてデートに誘うお薦め映画の
ように思われていて、誘える相手がいない大多数の男たちは「あんなちゃらちゃ
らした映画」と知らんぷりを決め込んでいた。ぼくも実はその一人で、ロード
ショー期間のデートブームが終わってから、二本だての洋画専門館で一人で観
たように記憶している。もう一本の映画が何だったかはとっくに忘れた。

 しかし、ちょっと先入観を抱きながら観た映画は、子役の可愛さを売りにし
た前宣伝や専門家の「純愛」賛美の解説とは全く違っていた。
 ぼくはすっかり映画に引き込まれ、主人公の二人が、クロスビー・スティル
・ナッシュ&ヤングが演奏する「Teach your children」のメロディに乗ってト
ロッコをこぎながら去っていくラストシーンでは、目がしらが熱くなり涙があ
ふれてきた。自分がいったい何に感動しているのか分からないまま、何でこん
なシーンで泣いてしまうのか、自分が恥ずかしく腹立たしく思った。高校生の
自分でも、まさか二人がそのまま放浪の旅を続けたり、どこかの街に落ち着い
て新生活を始めるだろうとは思えなかったし、トロッコが辿り着く先にはパト
カーが待ち構えていて、捕まって連れ戻されることは充分に予想できる。

 ぼくは、映画の後もしばらくこのラストシーンを考え続け、家族や大人社会
に自分を理解してもらえない悲しさ、それで諦めて大事なものを失いたくない
一途さ、その二律背反を乗り越える象徴的な解決策が「トロッコで逃げる」こ
となんだと理解した。自分を庇護してくれているものから「逃げる」ことは、
同時に、そこから始まるすべての責任が自分に帰すことを認めるということ。
そう、前を向いて(いや、たとえ後ろを向いてでも)「スタコラ逃げる」とい
うのは積極的・主体的な決断を伴う行為で、充分にアリなんだと...
 それと、エンディングの曲「Teach your children」についてもやはり一言は
書いておきたい。「理解し合おうなんて思わずに、まず認め合うことが大事。
そうすれば、いずれはきっと理解できるから」というメッセージは、この映像
と重ね合わせると、相手を認めなかったばかりに失ってしまったものの大きさ
に気付かせてくれる。

 1971年の高校三年生。もう誰も、誰かと「連帯」したいなんて思わず、放課
後の教室で共に歌うことも、ましてや、参加者同士が旗竿構えて突きあうよう
な政治集会なんか行こうとも思わず、一人一人がバラバラになって受験勉強に
自発的に取り組むことを強いられた。ぼく自身が感じていたどうしようもない
閉塞感、取り残されるという恐怖心。金色に輝く草むらの中を疾走する手こぎ
トロッコは、ぼくにとっては唯一の希望、残された奥の手であり続けた。
 この映画は今でもテレビの映画番組やDVDで観ることができる。でも、決して
もう一度観たいとは思わない。あの手こぎトロッコはもうすっかり心の奥底に
刻み込まれているし、あの頃感じていた苦しさがまた蘇るのはまっぴらだ。

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□                 ☆★            ★彡
◆【5】モンゴルを語る                     
□                      ★彡☆★  ☆彡
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                          あじかた しんいち

モンゴルのゲルについてお話します。モンゴル遊牧民のテント式移動住宅が
ゲル、中国語でパオ(包)といいます。ゲルを2年前に購入したのですが、た
だいまおおさかの地で大活躍中です。別にブルーシートの方々と同様にテント
に住んでいるのではないのですが、どこにでも建てられるのでイベントなどで
使用しています。広さは直径5,7メートルでほぼ16畳程度の円形ワンルー
ムで、トイレと風呂はありません。

私の職業は建築の設計なのですが、このゲルなるもの、実によく出来ていま
す。5〜6人の手によってわずか1時間強で家が完成してしまいます。基礎と
いうものが有りませんので、日本では建築許可がいりません。しいていえば工
作物かな。こうしてかれら遊牧民は家畜とともに家ごと動いてしまうのです。
私たちも転勤などで人は動きますが、家は動きません。

移動を可能にする為に組み立て式なのですが、骨格部分は木製、ヒツジの毛
を固めたフェルトはカベや屋根材に、また馬の尻尾は編んで縄などに、家畜の
ものを駆使して建築材料にしてしまいます。常に移動するわけですから土地は
財産になりません。財産は家畜と、身につけられる宝石など移動することを前
提にした「もの」の社会です。定住文化と移住文化、これは全ての面(暮らし
方や価値観)で異なります。この明快な異文化に接して「はまってしまった」
のが私のモンゴルなのです。

興味待たれる方もおられると思いますので、何回かに分けてモンゴルについ
てお話したいと思っています。異なったものに接して、はじめて自分達が分か
ることって、あるように思います。実物をまだ見られたことのない方で、ぜひ
という人がおられましたら、現在ライター通信でシリーズ投稿されておられる
北区・中津スポットの一つである「アートカクテル」にマイゲルを常設保管し
ています。ご自由に体験できると思いますので、ご覧あれ。

関連HP 「NPO法人もみじ」 
http://homepage3.nifty.com/mo-mi-ji-/
アートカクテル 住所 大阪市北区中津3−1−24
TEL 06−6371−0012


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■【6】市民ライターのキモ/その真実と技術 (17)    ◇◆◇◆◇

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           ■ 漢字と仮名のバランス ■
                              吐山継彦

 漢字と仮名のバランスはどちらが多すぎても困る。やたらと難しい漢字が多
い文章は、衒学(ゲンガク=学問のあることをひけらかし、自慢する)趣味が
嫌味なだけで、市民ライターには向かない。しかし、仮名ばかりが多い文章も、
読み手を馬鹿にしているようでぼくはあまり好きにはなれない。

 学者で、仮名の多い文章を書くことで有名なのは文化人類学者の梅棹忠夫さ
んだ。例えば次の文章を見てもらいたい。
1.「子供のころ、わたしは、たくさんの神さまといっしょにくらしていたよ
うです。台所のかまどの上には神だながありました。よくわからないんですが、
何種類かの神さまがならんでいたようです」(『美意識と神さま』梅棹忠夫著
 中公新書)

 これをできるだけ漢字を使った文章に直すと、次のようになる。
2.「子供の頃、私は、沢山の神様と一緒に暮らしていた様です。台所の竃の
上には神棚が在りました。良く分からないんですが、何種類かの神様が並んで
いた様です」

 1.と2.を比べると、2.のほうが理解しやすいと思いませんか。漢字は、
表意文字だから、視覚的に意味が分かりやすいのです。もちろん、竃(かまど)
というような漢字は最近、読める人が少なくなったから、使わないほうがいい
としても…。

 ぼくなら、次のように書くだろう。
3.「子どものころ、私は、たくさんの神様といっしょに暮らしていたようで
す。台所の釜戸のうえには神棚がありました。よく分からないんですが、何種
類かの神様が並んでいたようです」。1.と2.の折衷案というところだろう
か。

 現在の文章の一般的な傾向は、仮名多用の方向へと流れている。なぜなら、広
範な読者層を想定した広報の文章は、中学生が読んで分かるものにする、とい
う暗黙の了解があるからだ。しかし、大人のなかにも「苺(いちご)」が読め
ない人もいれば、「憂鬱(ゆううつ)」という漢字が平気で書ける人もいる。
だから、漢字と仮名のバランスは書き手の嗜好しだいなのだが、市民ライター
としては、誰もが読めるような漢字は使ったほうが読みやすいし、衒学趣味は
できるだけ避けて、中学生が読めないと思ったら、仮名にするか、ルビをふる
かするほうがよいだろう。


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■【7】「秋田弁だば まんず おもしれー」(秋田おばこ編) ☆彡
■   
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        ■ 幼い日に聞いた F 音  ■
                            
                              秋田おばこ

 北国秋田では寒い季節の火は生活の中でとても気になります。
ストーブの中でゴーゴーと音を立てて燃える火は、体だけではなく、心をもあ
たためてくれました。薪が燃え尽きそうになると、「さあ、火を焚こう」と、
誰かがきっと口に出しました。
「火を焚く」と言うとき、
 ある人は「シュ、焚く」
 ある人は「フィ、焚く」
 これはきっと出身地の違いでしょう。山ひとつ違えば、発音やいい方が違う
ことは当たり前でしたから。

 フィと言うおばあさんは、
「ファファ親」とか、「木のファ」とも言いました。
オナラは「フェ」です。日本語の「へ」と違うところは、はっきりした F 
音であったことです。上の前歯を下唇に宛てた F 音。

 平安時代のみやこびとの発音は「はひふへほ」が「ファフィフゥフェフォ」
だったという研究報告を聞いたことがありますが、なにか関係があるのでしょ
うか? あったらおもしろいね。
 まんず、はぁ、秋田弁だばおもしれぇな!


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□                          ☆彡    ★彡    
▼【8】ポエムとポリシー           ☆彡
□                  ★彡        ★彡
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日常生活の身近な題材をセンチメンタルとロマンチズムとリズムを大事にしな
がら作ったものです。


     ◇ 情(愛情・友情・人情)◇  

                      小山良弘

     愛 一緒にいるのが嬉しい
     星を見ながら我が家に帰る
     ただいま
     お帰り
     幸せのとき
     今度どこへハイキングに行こうか
     誕生日のプレゼントは何がいいかな
     しみじみとほのぼのと
     
     友 気づかいが嬉しい
     いっぱい思い出がある
     いろいろ支えてくれた
     久しぶりに会って
     つもる話で盛り上がって
     酒がおいしい
     お互い長生きしような
     出会えてよかった
     
     人 気持ちが嬉しい
     いろんな人に世話になった
     あの時のあの人は
     今元気だろうか
     あなたのおかげで
     私の青春 私の人生
     ここまでこれた
     ありがとう
     感謝してます

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▼【9】フォーラム・イベント情報                 ☆彡
□                    ☆彡      ☆★彡
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■チャリティバザー■

5月28日(土)29日(日)の2日間 12時〜20時ごろまで
入場無料

衣類や日用雑貨などを安く販売します、掘り出し物を見つけにきてくださいね。
バザーの売上金はスマトラ島沖地震による津波被害に遭ったスリランカに送リ
ます。

ピエロハーバー内のカフェ「ロメオ&ジュリエット」
TEL:06-6452−2675 
バザーは毎月開催しますので、捨てるにはもったいない不用品などありました
らピエロハーバーまでお持ちください。持ちきれないほど大量の場合は一度ご
相談ください。

       −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

● 第27期 お話の語り手講座

 古くから庶民の文化として語り継がれてきた「民話」「童話」には、時代を
超えた人間の喜び・悲しみ・怒り・喜び・知恵などが満ちあふれています。
お話の語りとは、あらゆる場所であらゆる人に、語り継ぐ活動です。
 この講座では、感動を伝える技術を学ぶと共に、ボランティア活動の基礎知
識を身につけることを目的としています。

   日時  2005年6月4日〜10月15日
         隔週土曜日 午前10時〜12時
   場所  大阪ボランティア協会 (大阪市北区同心1−5−27)
   主催  大阪ボランティア協会
   協力  なにわ語り部の会
   講師  なにわ語り部の会会員
   定員  50名
   参加費 6,000円
   申し込み・問い合わせ 大阪ボランティア協会 担当:海士(かいし)

         電話 06−6305−2121
         E-mail kaishi@osakavol.org

 申し込み方法  往復葉書  または  Eメール
 1.氏名(ふりがな) 2.住所 3.電話番号 4.職業 5.参加動機
を記入の上、上記までお送りください。

   以下の大阪ボランティア協会のホームページからも申し込み可能です。

       URL http://cwl.zaq.ne.jp/osakavol/index.html


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★【10】 編集後記                ★☆★
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 最近アメリカでベストセラーになっているKite Runnerを読んでいる。物語
はアフガニスタンで生まれ育った当時12歳の少年の1975年の思い出から始まる。
30年前のアフガニスタンには、とても豊かな人間性と文化があったことがわか
る。徐々にソ連が新入してきたことで、思ってもいなかった試練が展開するわ
けだが、テーマはその少年が兄弟のように育ってきた住み込みの使用人ハザラ
人の少年への罪悪感だ。ハザラ人が、子どものころから自分の運命として差別
を受け入れる健気さには心打たれると同時に、人間が国は変われど常に誰かを
差別し続ける生き物だということには、本当に悲しくなる。吐山継彦
                              (スー)   
   
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    編集:市民ライター通信編集委員会
    編集者:近藤鞠子   発行者:吐山継彦
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