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★☆★ 書く力、書く参加!
☆★
★ 市民ライター通信
☆ 2004.4.20
______ http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/ _ 第7号★☆★
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■あなたも市民ライターに!■
市民が社会に向けて情報を発信するには、書くことが不可欠です。
多くの市民活動はそこから始まっています。《書く力》を養い、
《書くことで社会参加する》市民ライターになりませんか。
============== 市民ライターのイメージ ==================
* 書くことによる社会的な発信が大切だと考えている。
* 心情吐露だけに終わらず“レポート性”のある文章がかける。
* ペンが剣よりも強い世界にしたいと思っている。
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////////////////■□■ も く じ ■□■//////////////
【1】まいど おおきに!
【2】市民ライターどんどん(7)…井坂 信彦さん
【「政治的」情報発信のススメ 】
【3】地球を見つめて〜なんちゃって(7)
「 鳥の声 」
【4】★ライターズ・バトル【第6ラウンド】★
《おれのコラムが面白い!》あなたの一票を!!
☆「市民のための情報発信考 〜ムダは共感の種!?〜」本河知明
☆「寝たきり老人への処方せん」 ゆう
☆「救急車を呼ぶ前に」 平田泰史
【5】脱サラ議員奮闘記(7)……山根一男(可児市議会議員)
【6】関西弁だば、まんづ わがんね(6)……(秋田おばこ)
「第7章 形容詞と形容動詞」
【7】市民ライターのキモ/その真実と技術(7)
「取材とインタビュー(四)"取材"を忘れないこと」
【8】ライティング情報あれこれ
「インターネットで使える辞書・辞典」その2
【9】この○○を誉めよ!
【10】お薦め映画勝手に紹介 …「プロミス」
【11】この一冊 …『いのち』 永六輔(詩)坪谷令子(絵)
【12】三反農家の米作りノート(1)
【13】講座情報
【14】編集後記
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【1】 ■まいど おおきに■
みなさま、春で〜す。日本人の四季感も相当変わってきましたが、桜への思
い入れは特別でしょうか。枯れ木に見える桜が一日で艶やかな満開姿になり、
一夜の雨、一時の風で瞬時に散りつくすのが、急転直下、激動の現代にもぴっ
たり?なのかもしれません。
そんな時代だから、周りをしっかり見つめ、ひとの気づかないことに気づき
社会に発信する意味があると思います。今回もたくさんの市民ライターが、様
々な切り口から発信しています。みなさまも、是非、書くことにより社会に情
報を発信していきましょう。
今回の「市民ライターどんどん」は若手神戸市議の井坂さんに「政治的な面
から、情報発信の大切さ、意義」を語っていただきました。ネットや紙もフル
活用、政治への関りは一味違います。
新しく「三反農家の米作りノート」が始まります。筆者と一緒に米作りを体
験しながら、農業を考えてみませんか。
★ライターズ・バトル★《俺のコラムが面白い》は2つの医療・介護問題と
ひとつの情報発信コラムの熱いバトル。筆者も熱く燃えていて読み応え十分で
す。 【誰でも参戦OKです。まずはアナタが書いてみましょう!】
☆書く力を養い、書くことに慣れ、書くことで社会参加していきましょう。
みなさまの投稿をお待ちしています。
「ライターズ・バトル」は1500字程度
「この○○を誉めよ!」は1000字程度
(締切15日必着!メールに貼り付け添付でお願いします)
感想・投稿大歓迎!お待ちしてま〜す。
★投稿先 E-mail: mm-writers@abelia.ocn.ne.jp ★
(近藤)
メルマガ「市民プロデューサー通信」の購読もよろしくお願いします。
⇒http://isweb25.infoseek.co.jp/business/capnews/index.html
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■【2】市民ライターどんどん(7) ☆彡
□ ★彡
■ 井坂 信彦さん (神戸市会議員・灘区選出)寄稿 ★彡☆彡
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■「政治的」情報発信のススメ■
なぜ政治家は、選挙が近づくと情報発信を始めるのだろうか? 「ひとりで
も多くの有権者から票をもらう」という明確な目的があるからだ。なぜ井坂信
彦は、選挙の時期でもないのに情報発信を続けるのだろうか? 「世論を動か
し、外圧によって政治を変える」という明確な目的があるからだ。
政治家が情報発信すべき理由は、他にもいくつか思い当たる。たとえば税金
で雇われている以上、納税者に対する最低限の報告は必要だ。情報発信によっ
て始まるコミュニケーション自体も、政治の重要なプロセスだ。しかし最大の
目的は「人に行動を起こさせる」ということではないか?
芸術家のような自己表現としての情報発信ではなく、研究者のような真理探
究の末の情報発信でもなく、単なる事実の伝達や思想の啓蒙にとどまるわけで
もない。「人を動かし社会を変えてゆく」ことが、政治家の情報発信の目的で
はないか?
そう考えると、「書くことによる社会参加」を掲げる市民ライターをはじめ
およそ言葉の力で社会を変えようと考える人は、広い意味での「政治家」だ。
何を伝えたいのか?ではなく、世の中をどう変えたいのか? そのためには誰
にどんな行動をとってもらいたいのか?がスタートになる。
人に行動を起こさせるためには、相手のことをよく知ることが欠かせない。
何が好きで、何が嫌いで、普段どんな生活をしていて、何に心が動くのか?
そして相手が行動を起こしてくれるような題材を選び、相手が行動を起こして
くれるような表現・メディア・タイミングを選ぶ。
その場合、内容自体が理路整然としている必要はない。しかし自分の情報発
信が、目指すべき社会の変革にどうつながってゆくのか、その道筋が論理的で
あるに越したことはない。題材や表現方法は論理的・戦略的に選ばなくてはい
けない。
たとえば私は、早朝の駅前で通勤者向けに「いさか新聞」を自ら手配りする。
神戸市の抱える課題とそれを示すデータは書くが、正解めいた結論は書かない。
「政治の問題に正解はない、だから議論することが必要だ」ということを多く
の人が理解し、自分なりの考えを持つ、そんな社会を私は目指している。
たとえば選挙では、ただ投票率を上げるより、意味のある投票を増やしたい。
そこで「学生による衆院選候補者全国1000人アンケート」を実施した。政
党のマニフェストを超えた候補者ひとりひとりの考えが明らかにされ、「学生
主催」という理由で主要全紙に掲載され、全国の有権者に発信された。
事実に基づく1本のリポートが、巨悪を暴くこともある。情に訴える感動的
なスピーチが、多くの人を束ねることもある。こつこつ続けるタウン誌が、ひ
とつの地域を甦らせることもある。市民ライターはぜひ、「政治的な」情報発
信で社会を変革してほしい。
《プロフィール》
井坂信彦(神戸市会議員・灘区選出)
1974年生まれ、大学卒業後ベンチャー企業に勤務、
神戸空港と住民投票の問題から議会のあり方に疑問を持ち、
25歳で最年少当選、昨春2期目はトップで再選。
http://www.nada-kobe.com
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□ ☆彡
■【3】 地球を見つめて〜なんちゃって(7) ☆彡
□ ★彡
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■ 鳥の声 ■
朝5時すぎ。窓の外でスズメがさえずりはじめます。寒い季節、朝が遅いと
きには6時半。それが次第に早くなり、6時になり、5時半になって。また早
くなりました。光の色と温度でスズメたちには春がわかるのですね。
スズメだけではありません。我が家に隣接する市の公園ではヒヨドリがもう
甲高い声で鳴いています。今年は、ウグイスが来ないのが残念です。去年と一
昨年は朝から来てくれたのに。お寿司屋さんが、挨拶代わりに言ってました。
「今年はウグイス鳴かへんなー」と。鳥の声が待ち遠しいのは、私だけではな
かったのです。クスノキの枝をバッサリと落としてしまったので、キジバトの
巣が失われてしまいました。それからは、あの咽に引っかかるような鳴き声が
ひとつも聞けなくなりました。鳩は、カラダと態度のでかいドバトだけです。
サザンカの花がある頃にはメジロが陽気に飛び回っていました。小さな体が
弾むように花の間で見え隠れしていました。薄黄緑色の羽の色は、梅の花の周
りではよくウグイスと間違われるそうです。声も姿も、見ていて飽きることが
ありません。
ときおり、鋭い声を聞かせていたモズは、もう帰って行ったのでしょう。静
かです。そのかわり、聞き慣れないさえずりが響きます。なんでしょう?
アキニレの高い梢で長くのばした美しい声です。双眼鏡を持ち出してベランダ
で頑張っても、遠すぎて色や形が定かではありません。野鳥の図鑑を見てもわ
かりません。ひとしきり声がして、それから飛んでいってしまいました。
誰かがエサを撒いてくれるたびに、ドバトは所狭しと群がって来ます。それ
が数年前まではカラスの声で一斉に飛び立ったものですが、最近はそんな光景
は見られなくなりました。鳩はカラスがもはや怖くないようです。ハシブトガ
ラスという名の通り、ビックリするほど太いクチバシです。人間だって襲われ
ることがあるそうですね。
そばをひっきりなしに電車が通り、車が通る街なかの公園です。保育園の子
どもたちが、たくさん遊びに来ます。「鳩さんとかカラスさんの羽をひろって
はいけませんよー」先生がまず注意を与えます。かわいい声が「はーい」とお
返事をしてから遊びはじめます。
私の大好きな地、丹波で、鶏たちがたいへんな目にあっている日々、公園の
鳥たちを見ながら、物思いにふけった私でした。
(かざり)
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★【4】 ライターズ・バトル【第6ラウンド】
☆ 《おれのコラムが面白い!》 ★☆★☆★☆
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【第5ラウンドの投票結果発表!】
★1位 花粉が飛ぶ日……(座布団10枚)逃げ切った!
2位 入学試験 …… (座布団9枚) 同点銀メダルでした。
2位 未来への想像力…(座布団9枚)
★ コラム「ライターズ・バトル」では、読者の投票を受け付けています。読
んで「おもしろかった」かどうかを、読者からいただいた座布団の数で競いま
す。投票は簡単です。各コラムの後にあるurlをクリックすると投票ページが
開きますので、座布団の枚数を決めて、ボタンをクリックしてください。
つまらないコラムには、バケツも送れます。
■1■
≪市民のための情報発信考 〜ムダは共感の種!?〜≫
☆ 本河 知明 ☆
先日、『107+1〜天国はつくるもの〜』(http://www.tentsuku.com/)とい
うドキュメンタリー映画を観た。住むトコなし、お金なし、知識なし、経験な
し、自信…?、というナイナイづくしのド素人たちが、「死んでから天国に
いって幸せになってもしょうがない、生きている現在を天国にしてしまおう
!」と、三つの挑戦をする。
冷静な思考力を持っている大人なら「そんなことして何の意味があるの?」
「そんなことしたらトラブルだけじゃん!」と思うような場面が多々ある。四
人で一緒に観ていたが、そのうち二人の感想はそんな感じ。でも、私ともう一
人は、けっこう楽しんで観ることができた。一見、ムダと思える行為の中に、
人間の真実が浮かび上がることがある。お笑い的な要素と社会的メッセージは
必ずしも相性は悪くない。ストイックな市民活動家にはそれが物足りなく映る
かもしれないが、マイケル・ムーアあたりはうまくいっている好例だろう。
お笑いだけではない。本来、アート全般と市民活動は相性がいいはずだと思
う。“自分発”で始まるボランティア活動、社会的な活動、政治的な活動は、
言ってみれば“自己表現活動”でもある。ミッションに向かうプロセス、表現
方法は自由なはずだ。
ところが、長年そういう活動を続けていると、表現方法がワンパターン化し
てしまっているケースが多い。チラシのレイアウトなんかもそういう例だが、
典型的なのはデモだろう。黙って見過ごすことが社会的犯罪を増長させるとい
う「破れ窓理論」的観点から考えて、もちろんデモ自体に意味はあるのだが、
ワンパターン化したデモは、無関心層の無関心を増長させるだけにしかなって
いないのでは?と危惧する。デモをすれば、一瞬は周囲の人の気を引く。しか
しその後、「ああ、デモか。“また”やっている。うざったい。あれは変わっ
た人たちがやっていること。“私には関係ない”」。
トレンドの移り変わりが速い今の時代、市民活動側も表現方法を凝らない
と、新たな関心を引きつけることは難しくなっている。また、ワンパターン化
は傍目から見ると“多様性がない”と映り、自分とは接点がない無関係なグ
ループとしてインプットされる。誰もが自分自身のことをワンパターンなどと
は考えていないからだ。そして、いったんインプットされると、そこで思考は
停止する。
必要なのは、“共感される余地を作ること”ではないだろうか。
文章を書く場合も同じである。お店を取材して、そこの販売促進のための商
業用原稿を書く経験をしたことがあるが、その際に難しかったのは、事実(た
とえば、“○○が△円”とか)と事実を点でつないで文章を書くだけではダメ
だということ。一年前まで大学院生として、論文などの文章に慣れていた私に
とって、それはちょっとしたカルチャーショックだった。論文の場合、解釈が
多岐にわたっては困るわけだから、事実と事実を論理的につなげる、ただそれ
だけだ。しかし、商業用原稿の場合、事実と事実の間にいろんな装飾語を織り
交ぜ、点ではなく面に広げるという作業が必要だと感じた(抽象的ですみませ
ん…)。書き手が伝えたいイメージ(面)と受け取る側のイメージ(面)とが
うまく重なったとき、いい文章になる。そんな感じがした。点を面にすること
で、受け手が共感する余地ができるのだ。
同じことは、市民活動側の情報発信にも言えると思う。物質的に豊かになっ
た今、多くの人たち、特に若い人たちは“共感”を求めている。その“共感”
の種は、実は一見ムダと思えるものの中にあるかもしれない。
★コラム1の投票はこちらから⇒
http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/contents/page_vote71.htm
■2■
≪寝たきり老人への処方せん≫
☆ ゆう ☆
叔母が脳硬塞で倒れて入院してから14日目。左片麻痺があり、点滴が続いて
まだまだ体の自由が利かなかった頃のこと。病院の医療相談員が老人保健施設
のパンフレットと申込書を持ってきて、叔母に入所申込みのサインを求めた。
叔母は何もわからずに、「よろしくお願いします。お世話になります」と言っ
たようだ。後でそのことを知った私は驚いて、苦情を申し入れた。いくら受け
答えがはっきりしているように見えても、その施設が何かもわからない上に、
環境の変化で多少のぼけもある年寄りのこと、よく理解もできずに、誰に対し
ても「よろしくお願いします」と言ってしまうのだと説明して申し込みは撤回
した。
その3日後、主治医から話があった。「82歳と高齢でもあり、これ以上はよ
くならないので、来週には退院してほしい。身内が引き取るか、無理なら系列
の老人保健施設を紹介する」。腕も上がらない、ベッドで体を起こすのが精一
杯で、おむつをつけたまま。まだ本格的なリハビリも受けていないのに、即退
院と言われて、大いに戸惑った。
あちこちの専門家に叔母の様子を伝えて、相談してみた。「まだ医学的なリ
ハビリが必要な時期だし、病状を聞く限りでは回復の見込みがあるのでは」と
いうのが、大方の意見だった。急性期治療を過ぎた患者を入院させていても儲
からないので、ベッドを回転させたいという病院の事情があるらしいこともわ
かった。私は主治医にもう少しリハビリを続けたいという意向を伝え、叔母の
リハビリを引き受けてくれる病院をさがした。
幸い、リハビリ専門病院の入院許可がおりた。家族も参加してのリハビリが
求められるしんどさはあったが、転院後、叔母は見違えるようによくなって
いった。リハビリを始めた当初はベッドから降りることも危なっかしい状態
だったのが、4カ月後の退院時には杖もなしで歩けるようになり、編み物や縫
い物ができるほどに、手指の機能も回復した。叔母自身のがんばりや、専門性
の高いスタッフの努力があってこそとはいえ、身内でさえ、そこまでよくなる
とは想像もしなかった。
そして今、思う。最初の病院で医者の話を鵜呑みにしてあきらめていたら、
叔母はおそらく、本当に寝たきり老人になっていただろう。何日か寝込んだ
ら、体が回復するまでしばらくフラフラするという経験は、誰にでもあると思
う。ましてや年寄りのこと。ちょっと寝込んだら、筋力もぐんと弱っている。
ろくにリハビリも受けないままで退院したら、当然のように車椅子の生活にな
り、足腰の力もつかず、それが日常生活になっていく。医者の言うとおり、そ
のまま寝たきりで人生を終わっていたかもしれない。
医療は常に完璧ではない。とはいえ、患者自身も主体的に情報を集め、自ら
選んでいくことの大切さを改めて思い知らされた。セカンドオピニオンを求
め、専門家の意見を聞くことが、人生を左右することもあるのだ。
★コラム2の投票はこちらから⇒
http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/contents/page_vote72.htm
■3■
≪救急車を呼ぶ前に≫
☆ 平田泰史 ☆
身近な人が突然倒れて、救急車を呼んだ経験はありますか?
わたしの場合は三回、倒れたのはわたしの親父。
7年間に3回救急車に来てもらって、やっと分かった「呼ぶ前の心得」があ
る。
持病があって年に何度もお世話になっている人にはたぶん必要はない。まだ
お世話にはなってないが、将来、予期せぬ時に身近な人が倒れる可能性を否定
できない人は、ぜひ、覚えておいていただきたい。それは何かというと、救急
車を呼ぶ前に必ず「行き先」を決めておくこと。
家族のために初めて救急車を呼ぶ時は、ともかくあわてて119番に電話す
る。電話に出た相手から「火事ですか、救急ですか?」と聞かれる。「落ち着
かなくっちゃ」と自分に言い聞かせながら、できるだけ冷静に住所や症状を伝
える。うまく伝わったので一安心。救急車が来て、病人はストレッチャーに乗
せられて救急車の車内に運び込まれる。「どなたか付き添いでご一緒に」と救
急隊員に促され、「ハイ」と答えて病人の横に乗り込む。
「どこの病院に運べばいいですか?」そこで初めて聞かれる。「えっ!」、
まったく心当たりがないことに気が付く。
「いえ、あの、急だったもので、特には...」
「○○病院でいいですか?」
「あ、はい。お願いします。」
この返事が、その後の入院生活の明暗を分ける境目となる。
わたしの場合はひどかった。二回も続けて同じ失敗をしてしまった。
高血圧気味だがそこそこ元気な父が二回目に倒れたのは、その○○病院の近
くの鍼灸院だった。どうも脳梗塞が起こったようだ。電話で呼ばれて駆け付け
たわたしは、鍼灸院から救急車を呼んでもらい、また「○○病院でいいですか
?」 一瞬不安がよぎったが「ハイ」と答えてしまった。父は意識もはっきり
し、目も見えるし口もきける。脳卒中でも軽い部類のようだった。早く治療す
れば元に戻るかも知れない。近さで決めた。他に当てもなかった。
早速MRIやらCTスキャンの検査があり、ICU(集中治療室)に入れられて点滴
が始まった。ICUなので付き添いはできない。面会は午前と午後の2回、しかも
近親者のみと説明された。まあ仕方がない。
異変は翌日から始まった。午後の面会に行った姉から電話があり「お父ちゃ
んの言うことがおかしい」と言う。次の日の朝に母が行き、やっぱりおかし
い、ぼけてると言う。午後にわたしも行ってみた。すでにまったく支離滅裂に
なっていて、いくら説明しても自分が入院していることを信じない。
いくら治療でもぼけられたら困る。早速、担当医に面会を申し入れたら夜に
なって会うことができた。症状を説明したら「ある程度は止むを得ない」と言
う。納得できないまま家に帰って妻の従兄弟の内科医に電話で相談した。彼は
「すぐにICUから出した方がいい」と言う。高齢者に多いICU症候群という症状
らしい。脳梗塞の治療にICUまでは必要ないことも教えられた。
翌日、あらためて医師と面談し一般病室に移してもらうように頼んだ。ベッ
ドの空きがないとの返事。父は前日より更にぼけていた。それでは別の病院を
紹介してほしいと頼みこむと、しばらくして特別室なら空いているとの返事が
返ってきた。バス・トイレ付の個室らしい。
義従兄弟のアドバイスでは、ぼけ対策としては、起きている時は絶えず話し
かけて一人にはしないのが一番とのこと。それなら個室は好都合と、母と相談
して、昼は家政婦さんを雇い、交代で昼夜付き添いすることに決めた。病室に
移って看護婦さんにその希望を伝えると、「『完全看護』でその必要がないか
ら面会だけにしてください」とあっさり断られてしまった。
「大丈夫かいな?」とか言いながら父を残して帰る。大丈夫どころではな
かった。翌朝、母が病室へ行くと、父は両手両足を包帯でベットの手すりに縛
られ、点滴されながら一人もがいていた。点滴液は中で漏れて腕が腫れてい
る。看護婦が来て説明するには、昨夜、自分で尿の導管を外してシーツを汚し
再装着を嫌がってあばれたらしい。点滴も自分で抜こうとするので、やむなく
縛ったと。
母に呼ばれてわたしも病院に駆け付けて、家に帰ると言い張る父を説得し
た。なんとか病気であることを納得させたものの、尿の導管はどうしても嫌だ
と言う。わたしも無理にはそれは言えなかった。
実はそれには訳があった。父が数年前に近所のお寺で倒れて1回目の救急車
のお世話になったとき、同じ○○病院に3日間だけ入院した。その時に尿に導
管を挿入されて以来、退院しても自分で排尿のコントロールが難しくなって、
しょっちゅうズボンを濡らすようになった。周りから「もう歳やから」と慰め
を言われるたびに、「あの時、勝手に管を入れられたからや」と反論してい
た。
結局、今回は尿の導管を断り、おむつで対応してもらうことになった。どう
もこの時点で「扱いにくい患者」のレベル3ぐらいに上がったようだ。昼間の
付き添いも認めさせた。
またすぐに問題が発生した。便秘を気にしていた父は、夜中に自分で個室内
のトイレに行ったらしい。夜間の巡回の看護婦が患者がいないことに気が付
き、大騒ぎのあげく、トイレ内で発見された。もう完全に「扱いにくい患者」
レベル5、レッドカード発行となった。母は翌朝行ってこっぴどく看護婦にし
かられたようだった。わたしが行くと、今日は夜まで自分が付き添いするか
ら、お前は急いで転院先を探せと言う。こんな思いをするのはもう嫌だと悔し
涙を流した。
早速、義従兄弟に電話して転院先の手配を頼んだ。ちょっと遠いが文句は言
えない。ところが意外な返事が返ってきた。まだ発病から一週間も経っていな
い。車での移送はリスクが大きすぎると言う。あちゃ、参った。今度は母を説
得しなければならない。
さいわいなことに、母はちょっと落ち着いたのか転院を諦め、病院には勝手
に交代で病室に泊まることにした。レッドカードがどす黒くなってブラック
カードになろうと知ったことじゃない。再三要求したらやっとおまるも出てき
た。小便と言われれば尿瓶をあてがい、大便と言われればベットから起こして
おまるに座らせた。点滴の間は手を握り続けて話しかけた。ICUの完ぼけ状態
から、大ぼけ、中ぼけと次第に話しがかみ合うようになり、希望も少し見えて
きた。
病室に滞在する時間が増えて、どうもこの病院はおかしいことに気が付い
た。まるで軍隊のように階級がある。雲の上にいるのが医師、その代理が白衣
の看護婦、更にピンクの制服をきた介護助手のような人がいる。その介護助手
さんが、毎日数回病室に来て、シーツの交換やおむつの交換、部屋の掃除をし
てくれる。看護婦さんは体温を計って点滴をする。一度、点滴をセットしたら
2時間近くは現れない。点滴が漏れてたら、こちらから行って頼まないと来て
くれない。一度だったが、二人の介護助手さんがちょうどシーツを交換してい
るところに、若い看護婦さんが入ってきた。おまるの周りの床はつい先ほど父
が漏らした尿で濡れていた。「何よ、この床!早く掃除して次の部屋に行って
!」と厳しく中年の介護助手を叱咤した。
雲の上の医師にはめったにお目に掛かれない。病院は毎日往診があるものと
思って、泊まった翌日に昼まで待っても医師の往診はない。看護婦さんに聞く
と「ああ、また来られると思いますよ。先生は毎日カルテはご覧になってます
から」と言う。
そんな日が続き、病院の母から朗報が届いた。看護婦さんにリハビリシュー
ズを用意するように言われたと言う。てっきりリハビリシューズを買って来て
という話しかと思ったが、そうではなかった。退院させるから先生にそれを言
いに来てほしいだった。早速、病院まで行き、看護婦さんに先生との面会を申
し入れた。用件を聞かれて言うと、リハビリがいかに大事か、かってない熱意
で説明してくれた。それでも退院をと答えると、先生に伝えると言う。しばら
くして、「先生から退院の許可がでましたよ」とその白衣の天使のメッセン
ジャーが伝えに来てくれた。先生は来なかった。
まあ、こうしてともかく父は家に帰った。この時点では私も母も、本人が悪
いんやからしゃあないと思ってた。これで終われば、ここに書くようなことで
もない。
そして2年が経ち、また父が今度は家で倒れた。救急車を呼ぶにも近くの
○○病院ではブラックリストにきっと載っている。もう二度とあんな惨めな思
いをするのは嫌だ。義従兄弟のコネが効く病院は遠い。しかも土曜の夜だっ
た。ダメもとで隣の市の××病院に電話した。当直医は偶然にも脳外科だっ
た。受け入れましょうとの返事をもらい、それから119番に電話した。ちょっ
とわたしも賢くなっていた。
「○○病院でいいですか?」「いいえ、××病院へお願いします。病院の許
可はもらってます」。救急隊員の意外そうな顔を見て、めったにないリクエス
トなんだと分かった。
父の病状は前回よりはるかに深刻だったけど、××病院では「目からうろ
こ」の毎日だった。昏睡状態の父だったが、尿の導管はしない。聞くと、「元
気になって退院された後が大変ですから」との返事。夜間でも3時間に一回は
看護婦さんが体位の変換に来る。「たった一日二日でも床擦れが出来るんで
す」との説明。点滴すると漏れてはいないかしょっちゅう見に来る。おむつの
交換も体を拭くのも、すべて看護婦さん。昏睡状態の父にいつも話しかけてい
る。先生に面会を申し込むと、すぐに「何時なら会えます」と返事が来る。こ
こではこれが医療の常識らしい。
○○病院でのあの苦労は何だったんだろう。付き添いに疲れて家で交わす冗
談は○○病院の話し。「やっぱり主治医決めて、いざとなったらすぐ入院でき
る病院を確保しとかなあかんなあ」「病気でもないのにどうやって病院予約し
とくの?」「そうか、最後の力を振り絞って救急隊員に希望を言うしかない
な」「そうや!ええこと思いついた!いつも首から札を掛けといたらええ」
救急隊員の方へ
お願いですから○○病院には絶対に連れて行かないでください。
(平田)
★コラム3の投票はこちらから⇒
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mm-writers@abelia.ocn.ne.jp(1500字程度 締切5月15日)
原稿はメールに貼りつけてください。 (近藤)
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□【5】 脱サラ議員奮闘記 ◇◆◇◆◇
■ 山根 一男(岐阜県可児市議:47歳)
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≪実践編3≫
告示まであと10日。まだ、選挙カーを回せるメドさえたっていない。疲れ
果てた心を引きずって、初めて足を踏み入れた寺。そこで、黙々と花壇の世話
をする初老の男性に出遭った。
夕暮れ時、他には誰もいない。思わずあいさつをして名刺を渡そうとした。
するとその男性は、君のことは知っていると言う。数日前に路上で会ったとの
ことだ。これはしまった…あまりにも多くの人に声をかけるもので、1度路上
であいさつしたくらいでは覚えていない。でも、相手は当然覚えている。
なんとその方は、10年ほど前、民主党系の現職議員の選挙参謀をやっていた
という。さらに、私が30票は確実に集めてあげるからがんばりなさいと励まし
てくださった。今回はあまり応援はできないが、次回出る時は応援してあげる
とも言ってくださった。地獄で仏。涙が出るほど嬉しかった。
さらに家に帰ってから朗報が続いた。いつも集金に来ている、新聞屋さんの
紹介で、同じ町内に住む方から一度お会いしたい、場合によっては事務的なこ
とを引き受けてもよい…という申し出があった。その方は、大手の会社を定年
退職され、地元で小さな物産会社を営んでいる方だった。
もうひとつの朗報は、5年前大阪でCOP3(温暖化防止京都会議)の啓発イ
ベントを一緒にやった学生達が、選挙戦3日目から最終日まで連泊して応援し
てくれるというのだ。電話をかけてくれた彼は、以前は関西学院大の学生だっ
たが、今は慶応の大学院にいて、エコリーグという学生達の全国組織の代表を
やっているとのことだった。
一気に光が見えてきた。かくして2002年10月14日、事務所開きを兼ねて、初
めて選挙対策会議を開くことができた。メンバーは全部で8人、最初に声をか
けてくれた市民派女性議員以外の人は、すべてここ1ヶ月以内に出会った方ば
かりだった。三日前にお寺でお会いした方も駆けつけて来てくださった。告示
まであと6日。投票日まであと13日である。
本等に綱渡りのような選挙だ。これまでの市民活動として数々のイベントを
こなしてきた。ボランティアの入門講座や、市民活動の宿泊型体験講座ガイア
シンフォ二ーという映画上映は7回やった。それぞれ多くのボランティアが動
いてくれた。いつもなんとかやりきってきた。それが自信になっている。
でも、やはり何か違う。
市民活動も、政治活動も社会をより良くしていこうという目的は一緒なのだ
が、どこかが違う。強いて言えば市民活動はグレーのままでもできるが、政治
活動はシロかクロかはっきりしないとできない…と思った。 それと当選すれ
ば、当然相当な収入と権力が得られるわけであるので、その点が単なるボラン
ティア活動とは大きく異なる。
私は1994年、大阪ボランティア協会の主催する『ボランティアことはじ
め講座』の第3期を受講した。それをきっかけに市民活動の醍醐味を知り、夢中
になって取り組んできた。しかし、限界を感じることもあった。市民活動やボ
ランティア活動では、せいぜい社会の数%の人しか動かしえないのではないか
という危惧を強く感じていた。
世の中をより良く変えてゆくことが目的であるなら、そのために一番効率の
良い方法を採るべきだ。政治なら、どんなに投票率が下がってきているとはい
え、全人口の半数以上の人が関心を持ってくれる。今回、可児市で初めて行わ
れる選挙公報も、全世帯に配られる。それだけでも価値がある。後先を考えた
らとても選挙になど立てなかっただろう。
いよいよ選挙戦に突入する。
…つづく(山根)
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■【6】関西弁だば、まんづ わがんね(秋田おばこ編) ☆彡
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■第7章 形容詞と形容動詞■
言葉の使い方でまずビックリしたのは「きれかった」です。
「心斎橋歩いてたら、女優の○○さんが歩いてはったんよ。きれかったわー」
これが否定となると関西弁では、「きれくない」です。
「きれい」は品詞で言えば形容動詞で、
きれいだろう、きれいだった、きれいで・きれいに、きれいだ、きれいな、
きれいならば、
と活用するはずです。だから初めて聞いたときにはほんとうに耳を疑いました
白い・美しい・広い・かわいい などのように語尾が「い」で終わる形容詞
と、まさに混同されているではありませんか!!
学校では、文法学者の中には、形容動詞の不安定さを指摘している者がいて
……、などと聞いたことがありましたから、ああ、これがそれか、と思ったも
のでした。あれから何年もたっていますが、私はいまだに「きれかった」は使
えないんです。関西弁は使うのに勇気が要るんですね。
まんず、はー、関西弁だば、わがんね。
(秋田おばこ)
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■【7】市民ライターのキモ/その真実と技術(7) ◇◆◇◆◇
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■取材とインタビュー(四)"取材"を忘れないこと■
●これまで、取材とインタビューをあたかも同じことのように扱ってきた。し
かし、どこかに違いがあるようでもある。因みに、分からない言葉があればす
ぐ辞書に相談するのが市民ライターとしての心得第一条だから、国語辞典を引
いてみた。「新明解」によると、取材とは「新聞・雑誌の記事の材料や作品の
題材を、ある事件・人から集めること」とある。 また、インタビューは、
「1.会見 2.ジャーナリストが取材するために人に面会すること。また、
その記事・放送」となっている。
●どうやら一番大きな違いは、インタビューが人と会って話をすることのみを
意味するのに、取材はそればかりとはかぎらないことだろう。 インタビュー
は、取材方法の一つである。市民ライターの仕事は、インタビューが中心にな
る場合が多いと思うが、取材を忘れることがあるので注意したほうがよい。
●つまり、人の話の内容を理解することのみに注力して、相手の雰囲気や口癖
話し方の特徴、服装、顔の印象、背の高さなど、話の内容以外の情報を脳にイ
ンプットする努力を怠るのだ。もちろん、話の内容以外のその人についての周
辺情報だけではなく、取材した場所の景観や雰囲気、気温、窓から見えている
満開の桜や遠い山に積もっている雪といった、ソト側の周辺情報もインプット
しておくべきである。
●それはなぜかと言えば、"記事の厚み"が周辺情報の収集状態によって変わっ
てくるからである。もちろん記事といっても、いろんなスタイルがある。何ペ
ージにもわたる話し言葉だけの対談記事もあれば、新聞の事件記事のように、
地の文の中にインタビュイーの発言の短い引用を挟むものまで、スタイルは千
差万別と言ってよい。しかし、たとえ周辺情報を全く入れ込む必要のないロン
グインタビューでも、また情報を削ぎ落としていくべき短いエッセーでも、市
民ライターの心構えとしては、できるだけ多くの情報を感じ取っておくべきな
のだ。
●インタビューの最中にカラスが一声鳴いたことや、窓の外に見える残雪と花
の蕾が春の訪れを感じさせたことなどを、心のフィルムに焼き付けておくこと
が、記事に厚みと余韻をもたらすことになる。もちろん、そのことばかりに気
を取られて相手の話に耳を澄ますことを忘れては本末転倒である。
「一期一会」という言葉はあまりにも手垢が付き過ぎた言葉だが、やはり市民
ライターたる者は、この場とこの時の取材が生涯でたった一度しかないものだ
という、少し大袈裟だが"畏怖"の感覚を持っておくべきだろう。
(吐山)
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■【8】 ライティング情報あれこれ(7) ★彡
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■インターネットで使える辞書・辞典 その2■
印刷物の辞書の売り上げが年々減っているらしい。一方では、電子辞書の販
売台数はかなり伸びているはずだから、みんなが辞書を引かなくなった訳でも
なさそう。逆に、携帯に便利、検索も便利で、より身近になったと言える。
大学入試の頃、「Aから順に単語覚えて、覚えたページは破って食べる」と
いう英語学習法を本当に実践している同級生がいた。今の受験生はいくら思い
詰めてもICチップを囓ったりはきっとしない。だいいち、どこがAだか分から
ない。
<新語と略語>
前回紹介したgoo:http://dictionary.goo.ne.jp/ にある三省堂の「大辞
林」と「ディリー新語辞典」の串刺し検索でかなりの新語はカバーされてい
る。だから新語を調べるならまずはここから。
流行語まで範囲を広げると「現代用語の基礎知識」の新語・流行語大賞のサ
イト:http://www.jiyu.co.jp/gendai/shingo/shingo.html がおもしろい。
1984年からの年別の代表作が紹介されている。
略語となると、業界用語やらハイテク用語やら、英文・和文の略語がちまた
に飛び交ってて、専門外だと見当もつかない略語がある。英文略語なら、検索
の早さから「英辞郎 on the Web」http://www.alc.co.jp/ をお薦めする。本
来は英和・和英辞典だが略語・新語も豊富で検索が早い(英辞郎そのものの説
明はhttp://homepage3.nifty.com/edp/ を参照)。産経新聞のSankei Webにあ
る略語集http://www.sankei.co.jp/databox/yougo/ryakuabc.html は調べても
時間の無駄。元の英文が載ってないような略語集は百害あって一利なし。
和文略語となると、みんなが勝手に略して使うから結構手強い。インター
ネットで略語集を探すより、グーグルhttp://www.google.co.jp/ なんかの検
索サイトで直接その略語を検索してしまう方が早いように思う。
K’s Bookshelfの略語辞典
http://www.inv.co.jp/~yoshio/DW/Ryaku/Ryaku.htm のように内容豊富で
定義も信頼できる略語集も使える。
<百科事典>
出版社が出す百科事典までは、さすがにまだネット上で無料では公開されて
いない。しかし、インターネットならではのWikipediaというおもしろい百科
事典がある。誰もが自由に使えるだけでなく、執筆にも参加できる。例えば、
自分が引いた項目の定義がもし不十分だとか、間違っていると思った場合は、
それを自由に加筆・訂正できる。全面的に書き換えても構わない。逆に、自分
が書いた項目が、人に書き換えられてしまうこともある。
コンピューターソフトのUNIXみたいに「オープンソース」の概念による利用
者全員参加型・多言語プロジェクトで、すでに68の言語のWikipediaがネット
上に存在しているようだ。
みんなが好きに書き換えていいなら、メチャクチャな内容になってしまうよ
うに思うが、ところがそうはなってない。適当に調べたい項目を入力してみる
と、簡潔できっちりした説明が書かれている。未完成と思える項目も多いの
で、市民ライターが自分の得意分野で執筆に参加するのもおもしい。ただ、は
まってしまうと眠る時間もなくなりそうで、その点は要注意! 善意と楽天主
義のWikipedia、ぜひ試してみてください。
Wikipedia:http://ja.wikipedia.org/wiki/
(リンクがうまく行かない場合は、検索サイトでWikipediaを検索してみてください)
(わんこ)
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★ ☆彡
☆【9】 この○○を誉めよ! ★投稿募集! ★彡
★ ★彡 ☆★☆
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■この「書物」を誉めよ!
『日本民衆倫理思想史研究』
ある古書市を覗いていて、偶然見つけた本である。A5判より心もち大き
厚さが5センチほどもあり、重さも、持った感じでは1キロぐらいある。定価
9,800円、出版社は明石書店である。著者は、布川清司という学者で、京都府生
れ、東京教育大学大学院博士課程中退、神戸大学名誉教授という人物だ。
なにも、本の大きさ、重量、値段(因みに私は6,800円で購入)など、ボリュ
ームを「誉めよ!」と言っているわけではない。もちろんその内容である。
著者は「序」の冒頭で、「本書は我々日本人の先祖といえる中世以降の、い
わゆる民衆が人間のあるべきあり方・生き方(倫理)について、どのように考
えてきたのか(倫理思想)について初めて概観するものである」と書く。「初
めて概観するものである」とは、大きく出たな…とは思わないかい?読者諸氏
よ!
ところが、である。これはあるようでなかったテーマなのだ。日本のフツー
の民衆が、「いまの状態は良くない。もっとこれこれであるべきだ」と考えた
その考え方の歴史なんて、どうしたら分かるんダ!
為政者や学者が残した文献は枚挙に暇が無いほどあるだろう。しかし、農民
や商人、漁民がそんなことをあんまり書き残しているとは思えない…。
実は、私もこの本をまだぜんぶ読んだわけではない。それを「誉めよ!」と
言うアタシも大胆である。でも、パラパラとめくり読みしてみたら、これがな
かなか面白そうなのだ。
本書に一貫して流れる基調が「不服従の倫理」であったり、最終章「近未来
日本人の倫理思想」のメインテーマがボランティアだったり、およそ一般の歴
史書とは異なる風情なのである。早瀬昇・大阪ボランティア協会事務局長の著
述からの引用もあるしね。読了した暁には、再び著者を誉めることになるかも
しれない…。
(無頼)
■このグッズを誉めよ!
『アースコンシャス(地球とひとのかけはし)が使用している封筒』
http://homepage3.nifty.com/earth-c/
毎年4月22日はアースデイ(http://earthday.jp/)。地球のことを考え、行
動する日ということで、その前後に世界各地でエコロジーイベントが開催され
ます。でも、“年に一日だけ地球のことを考えて、他の日には考えない…”と
いうのであれば、意味がないですよね…。
『ソトコト』No.58(2004年4月号、木楽舎)によると、アースコンシャスさ
んが使っている封筒は、3回は使えるというアイデア物。封筒の表面には手書
きで宛名欄や切手欄が3箇所デザインされていて、たとえば2回目に利用する際
には、1回目に書かれた欄に×印を付けて、2回目の欄に記入する、といった具
合。個人的に使用済み封筒を再利用することはありますが、このように外部向
けに利用するのは珍しい気がします。
環境系のシンポジウムなどで、エアコンの温度設定が“適切”でなかったり
ゲストスピーカーのドリンクがペットボトルだったりと、ちょっと“?”に思
ったりすることもありますが(自分自身が主催者側の場合でもそういうミスを
してしまったりします…)、アースコンシャスさんは封筒を通して、ミッショ
ンに違わない実践をしていて、“見習わなくては!”と思った次第です。
(去私)
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□【10】お薦め映画!勝手に紹介
■ ◇◆◇◆◇
□ 『プロミス』
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■『プロミス』 http://www.uplink.co.jp/film/promises/■
監督・プロデューサー:ジャスティーン・シャピロ
B.Z.ゴールドバーグ
共同監督・編集:カルロス・ボラド
製作:PROMISES FILM PROJECT
配給:アップリンク
「僕がアラブ人と仲良くなんかしたら、友だちに臆病者扱いされちゃうよ」
「アラブ人の子どもとは会いたくもない」
イスラエルの子どもが言う。一方、パレスチナの子どもも、同じく心を開くこ
とができない。
「仲良くしたところで何の得ににもならないさ。俺たちが受けてきた迫害の10
分の1も親身に考えてくれるもんか」
『プロミス』は、まだ比較的平穏だった1997年から2000年にかけて、イスラエ
ルとパレスチナの子どもたちを撮影したドキュメンタリー。イスラエル・パレ
スチナ問題は、子どもたちの考えにも影を落とす。
しかしイスラエル側のちょっと好奇心旺盛な双子が、監督を通してパレスチナ
側の子どもたちへ次のように呼びかける。
「僕は君に会いたいです。そして君がどんな意見を持っているのか知りたい。
たとえ僕たちがお互いに違っても…違う…違う意見でも」
ある子は会うのを渋る。しかし「会いたい!」と応えようとする仲間たちがそ
の渋る子に語りかける。
「どうしてそんなふうに決めつけたりするの? ユダヤ人に私たちの気持ちを
伝えたことが? パレスチナ難民としての境遇を説明した? 一度もないから
必要なの。アラブ人とユダヤ人には対話が必要だわ」
一日だけだが、イスラエルとパレスチナの子どもたちが遊んだり対話したりと、
一緒に時間を過ごすことが実現する…。
ちょっとした好奇心・関心と勇気が平和への第一歩だと思う。そこから対話や
異文化交流が生まれる。対話とは、相手を言い負かすための討論とは違う。こ
れまで異なる環境で経験してきたお互いの記憶を、交換し、分有するプロセス
だと思う。そのときはじめて、それまで“死者○名”といった数字でしかなか
ったものが、顔や名前を帯びて想起されるようになる。
国家や宗教組織といった共同体名を主語にして物事を考えている限り、平和に
は近づけない。一人一人の日常の営みの中にこそ、平和への鍵があると思う。
そこにスポットをあてることこそ、ドキュメンタリーの真髄なのではないだろ
うか?
(本河)
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■【11】 この一冊
□ ◇◆◇◆◇
■ 『いのち』 永六輔(詩)坪谷令子(絵)(理論社1575円)
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■ いのち ■
約40億年前に地球ができました。
約35億年前に生命が地球に登場し、
約20万年前に人間の祖先・ホモサピエンスが出現したのです。
あなたが生まれたのは何年前? あなたの子どもは生まれて何年目のいのち?
こんなこと、ふつうはあまり考えたりしませんね。
それを考えさせてくれる絵本が出ました。
阪神淡路の大震災をきっかけとして、永六輔さんが詩を書きました。明石市に
住んで、惨状を目の当たりにした坪谷令子さんが、10年がかりでようやく
絵を仕上げました。
いのちってどんな色? どんな形?
坪谷さんは悩んだそうです。悩んで、困って、10年がたちました。
ミツバチが、命がけで蜜をあつめます。その巣から採取した「蜜蝋」を使って
抽象画を描きました。色が何とも暖かく、繊細な絵です。1ページずつ、まさ
にひとつのいのち!!
永さんが書きます。
ひとつひとつが いろいろないのち 同じいのちは ひとつもない
・・・・・・
いのちを食べて 大きくなるいのち
あなたのいのちを 私のいのちにさせて いただきます
・・・・・・
毎日、目を覆いたくなるニュースが伝えられます。地球上では戦争が終わりま
せん。
いのち―――このままでいいのでしょうか?
この本を手に、おとなも子どもも、立ち止まって考えてみませんか?
(かざり)
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■ 【12】 三反農家の米作りノート ◇◆◇◆◇
□
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(1) 初めに
大阪市内から郊外に向かう電車に乗って車窓に目をやると、どの方向に向か
っていても、15分もすれば稲作の水田が目に入る。都市の近くではマンション
や建売住宅に挟まれたみすぼらしい農地だが、もう少し離れると気持ちがよさ
そうな田園地帯が広がる。周りの環境はさまざまだけど、テレビニュースや雑
誌で目にする新潟や富山のきれいに区画整理された大規模な水田とは違う。多
くは昔ながらの地形に沿った変形農地で、一枚一枚の田は広くない。素人目に
も大規模経営に向くとは思えない。
わたしは農家の生まれなので、会社勤めの通勤電車でも、出張で列車に乗っ
てても、「あっ、もう苗代作ってる!」とか、「ここは稲刈りはもう終わって
んなあ」とか思いながら車窓から農地を眺めるのが好きだった。でも一方では
、「お前は跡取りなんやから、…‥」と言われて育ち、大学に入る頃には「俺
は跡は継がんから姉ちゃんの子に継がしてくれ」と皆の前でとっくに宣言して
いた。
そんなわたしが、70歳になっても黙々と二人で米を作り続ける両親を見かね
て、十年前に実家の近くに引っ越してきた。勝手に身代わりにした甥っ子は五
年生の時にガンで死んでしまっている。農繁期と夏場の草刈りだけを手伝う自
称「作男」時代がしばらく続き、やがて父の体力の衰えとともに「小作人」的
立場に昇格、ついには両親の死去で農地を相続して「自作農民」「兼業農家」
へと昇格した。
人に話すとほぼ100%「いいですねえ、うらやましい」という感想が帰ってく
る。多くは農作業への好意的なあこがれ、時には「土地売ったら働かんでも左
うちわやね」という大きな誤解! 「うーん、それがね、、」と言いたいこと
は山ほどあるけど、やっぱり「お気楽」であることも事実。なかなか兼業農家
の悩みは分かってはもらえない。
昨年、初めてたった一人で三反の稲作をし、1,500キロの玄米を収穫した。金
額にして約40万円ほど。味もよし! 結果としてはかなり上出来! しかし、
いざ自分でやってみて、肥料の量から水の管理まで、実は何にも知らないこと
に初めて気が付いた。トラクターや草刈機の操作はそこそこ人並みの腕だけど
、田に入っての肥料撒きや草取りを実は去年まではしたことがなかった。
他の事情もあって本業の収入も激減したが、まだ晴耕雨読を決め込む歳でも
ない。いつまで兼業農家を続けられるかなあと悩んでいる頃、ふと「市民ライ
ター通信」に書くことを思いついた。農作業をして感じたことを交えながら零
細兼業農家の米作りを報告する。書くことを励みにすれば、続けられるかも知
れない。
そんな訳で、今号からリアルタイムでわたしの米作りを連載させていただく
ことになりました。「書くのは人のためならず」です。だけど、ぜひ、ご一緒
に稲作の疑似体験をしてください。去年は人の真似をするのが精一杯だったけ
ど、最後には独自性を発揮したくなって、秋にレンゲの種子を蒔きました。わ
たしの田では今レンゲの花が満開です。
(平田)
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★【13】 講座情報 ★☆★
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■第26期 お話の語り手講座
日時 :2004年6月5日〜10月16日 原則として隔週土曜日
全10回 午前10時〜12時 (10/16のみ午前10時半〜午後4時)
場所 :大阪ボランティア協会(北区同心)
10月16日のみ大阪NPOプラザ
主催 :社会福祉法人 大阪ボランティア協会
協力 :なにわ語り部の会
定員 :40名(ただし先着順)
参加費:6000円*講座初会受付時に納入のこと
(大阪ボランティア協会会員は5000円)
資料代:『語りへの誘い』1575円CD付き(当日販売)
詳細は⇒http://cw1.zaq.ne.jp/osakavol/events/20040607katari26.html
お問合せ:TEL:06-6357-5741 e-mail:kaishi@osakavol.org
担当 海士(かいし)
■市民と政治を考える「おしゃべりアゴラ」
主催:大阪ボランティア協会・市民エンパワメントセンター
各回とも、
参加費 :一般1,000円、学生500円(当日、会場受付にて)
定員 :40名(定員になり次第、締め切らせていただきます)
会場 :大阪ボランティア協会・北区同心事務所会議室
【春の陣「政治の現場を知る」】
○その1=テーマ「私のことは私が決める〜市民派議員ってナニモノ?」
日程:5月8日(土)14:00〜17:00
講師:寺町みどりさん(女性を議会に無党派・市民派ネットワーク)
○その2=テーマ「若者と政治の新しい関係〜これが新世代議員のスタイル」
日程:6月19日(土)14:00〜17:00
講師:
・井坂信彦さん(神戸市議・30歳)http://www.nada-kobe.com
・稲村和美さん(兵庫県議・31歳)http://www.inamura-kazumi.com/
○その3=テーマ「市民派の可能性と課題〜35歳女性・全国最年少市長への
挑戦」
日程:7月3日(土)14:00〜17:00
講師:桂 睦子さん(元茨木市議)http://www.ibaraki-genki.net/
参加申込み方法など詳細は⇒http://cw1.zaq.ne.jp/osakavol/
担当→ kawaguchi@osakavol.org (事務局、川口)
■マスターズ・ボランティア入門講座
〜あなたが動く社会が変わる セカンドライフはボランティアから〜
主 催:社会福祉法人 大阪ボランティア協会
日 程 ※同じ内容で2回開催。どちらかご都合のよい日にご参加ください。
◆第1回 2004年 5月12日(水)13:00〜17:00
◆第2回 2004年 5月26日(水)13:00〜17:00
会 場: 大阪ボランティア協会北区同心事務所・会議室
定 員: 30名(定員になり次第、締め切ります)
参加費: 2,000円(当日、受付にてお支払いください)
プログラム
・講義「マスターズ・ボランティアのすすめ」
講師:松井淳太郎氏(大阪ガスいきいき市民推進室)
・活動の実践事例「マスターズな生き方の達人に聞く」
申込み等詳細は⇒ http://cw1.zaq.ne.jp/osakavol/
または http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/new_ver/contents/masters.htm
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★【14】 編集後記 ★☆★
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最近、ハーブにハマッて、プランターで栽培したりエッセンシャルオイル
を買ったりして楽しんでいます。
今注目しているのはユーカリエッセンシャルオイルです。食用にはむきませ
んが(コアラだけだよ)抗菌、消臭に威力を発します。洗剤と一緒に4〜5滴
たらして洗濯すると、匂いも黄ばみもとれます。洗濯機のカビや汚れもきれい
さっぱり。入浴後の湯舟や、風呂場の目地にもおすすめです。犬を飼っている
ので室内の匂いが気にかかるのですが、掃除機内に2〜3滴たらしておけば、
ミント系のクールな香りが漂い、ダニも駆除しちゃうというすぐれもの。花粉
症にもてきめん。ユーカリで抗菌、消臭してやりた〜い、ブッシュさん。
(Joe)
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このメルマガは、市民ライターの情報発信の場として、「市民ライター養成講
座」(大阪ボランティア協会主催)の修了生が、講師・チューターの協力を得
て運営しております。
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■書く力、書く参加!『市民ライター通信』■
編集:市民ライター通信編集委員会
編集者:近藤鞠子 発行者:吐山継彦
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