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掲載記事索引

市民ライターどんどん
地球を見つめて〜なんちゃって
       ……かざりえみこ
コラム ★ライターズ・バトル★
    《おれのコラムが面白い!》
新登場! テーマ・コラム
    《ライター各様書き比べ》
脱サラ議員奮闘記
  …山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
       ……秋田おばこ
市民ライターのキモ
         その真実と技術
       ……吐山継彦
ライティング情報あれこれ
◇参加レポート「行ってきました」
◇三反農家の米作りノート
          ……平田泰史
◇わが町中津を語る
          ……霊崎(たまさき)
◇お薦めメルマガ勝手に紹介
◇お薦めのこの一本
◇ショートコラム
       この○○を誉めよ!

◇講座そのほか情報
(以下はいまなお工事中です)
◇投稿
◇編集後記
バックナンバー
24号(05. 9.20配信)
23号(05. 8.20配信)
22号(05. 7.20配信)
21号(05. 6.20配信)
20号(05. 5.20配信)
19号(05. 4.20配信)
18号(05. 3.20配信)
17号(05. 2.20配信)
16号(05. 1.21配信)
15号(04.12.20配信)
14号(04.11.20配信)
13号(04.10.20配信)
12号(04. 9.20配信)
11号(04. 8.20配信)
10号(04. 7.20配信)
9号(04. 6.20配信)
8号(04. 5.20配信)
7号(04. 4.20配信)
6号(04. 3.20配信)
5号(04. 2.20配信)
4号(04. 1.20配信)
3号(03.12.20配信)
2号(03.11.20配信)
1号(03.10.20配信)
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☆★☆★
★☆★ 書く力、書く参加!
☆★
★          市民ライター通信
☆ 2004.11.20  
------- http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/ ★ 第14号★☆★
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■あなたも市民ライターに!■

市民が社会に向けて情報を発信するには、書くことが不可欠です。
多くの市民活動はそこから始まっています。《書く力》を養い、
《書くことで社会参加する》市民ライターになりませんか。
                  
  ========= 市民ライターのイメージ ==========
       
* 書くことによる社会的な発信が大切だと考えている。
* 心情吐露だけに終わらず“レポート性”のある文章がかける。
* ペンが剣よりも強い世界にしたいと思っている。

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///////////////■□■ も く じ ■□■////////////////

【1】まいど おおきに!
【2】市民ライターどんどん(14)
     尾辻かな子さん(大阪府議会議員)寄稿   
     「アメリカ大統領選挙と同性愛者の人権」 
【3】寄稿「台風23号の被災地から」   …… 宮津市 大石さん親子
【4】地球を見つめて〜なんちゃって(14)  …… かざりえみこ
     「落ち葉が消えて、消えるものは」   
【5】脱サラ議員奮闘記(14)      …… 山根一男(可児市議会議員)
【6】テーマ・コラム「みかん」
     《みかん・ミカン・蜜柑》   …… かざり        
     《ミカンあれこれ》   …… 美佳リン   
     《「ミカン」という娘 》   …… 松虫 
《腐ったみかんにハチ!?》  …… 本河智明
【7】わが町中津を語る(3)  …… 霊崎(たまさき)
【8】公務員になってみた(2)  …… 東牧さん
【9】市民ライターのキモ/その真実と技術(13) … 吐山
    「原稿を他の人の目にさらし、寝かす」
【10】関西弁だば、まんず わがんね     …… 秋田おばこ
    「第13章 せんなん、から せな、に」         
【11】三反農家の米作りノート(8) …… 平田
【12】この○○を誉めよ!「焼きいも」 …… ぴょん。
【13】この一冊  「熊の敷石」       …… 国家の禄を食む男
【14】編集後記

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【1】 ■まいど おおきに!■
 
 世の中の速度がますます速くなってきていると感じます。それはゆっくり一
つひとつの事柄を考え、討議する時間ないという実感から来ているのかもしれ
ません。12月14日には自衛隊イラク派兵の期限が切れます。ブッシュが勝
ったこともあり、このままでは日本は勝手に延長を決めてしまいそうです。派
兵のみだけでなく、関連することも含めてそれぞれが自問しながら、ゆっくり
考えていく必要がありそうです。

 今回の「市民ライターどんどん」では、大阪府議会議員の尾辻さんが、アメ
リカの大統領選挙に関わる同性愛者の人権の問題について寄稿してくださいま
した。また、宮津市の大石さん親子からは、「台風23号の被災地」から寄稿
いただきました。「脱サラ議員奮闘記」前号の落選では、どうなることかと思
いましたが、いや、挫けていなかったんですね。「今、中津が面白い」や「公
務員になってみた」もこれからの展開に目が離せなくなりそうです。前号お休
みの「ライターのキモ」と「関西弁」、稲刈りの終わった「三反」ももお忘れ
なく。「この一冊」は、何気なく発する言葉が、他人の深い部分を突き刺して
いるという寓話「熊の敷石」から名づけられた2001年の芥川賞作品です。

 
 読んで、感じて、そして、あなたも発信してください。    
☆書く力を養い、書くことに慣れ、書くことで社会参加していきましょう。
   
みなさまの投稿をお待ちしています。  
    「テーマコラム」15号のテーマは「クリスマス」
    「この○○を誉めよ!」はいずれも800〜1000字程度   
     (締切15日必着!メールに貼り付け添付でお願いします)
    感想・投稿大歓迎!お待ちしてま〜す。
   ★投稿先  E-mail: mm-writers@abelia.ocn.ne.jp ★   
                      (近藤)
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■【2】市民ライターどんどん(14)             ☆彡
□                          ★彡
■       尾辻かな子さん(大阪府議会議員)寄稿   
□                        ★彡☆彡 
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       ■ アメリカ大統領選挙と同性愛者の人権 ■

 アメリカの大統領選挙が、ため息とともに終わりました。日本のマスコミは、
今回の選挙の争点は外交政策がメインであると報じていました。確かにそうだ
ったのかもしれませんが、きちんとした報道がなかった「その他」の争点につ
いて、考えてみることも大切だと思います。特に、同性愛者の結婚(同性婚)
の問題は、日本のマスコミがほとんど取り上げなかった、しかし、この大統領
選挙の結果に大きな影響を与えた争点だったと、私は考えています。

 二人の候補の同性婚に対する態度を振り返ってみましょう。

 宗教右派の支持基盤を持つブッシュ(共和党)は、明確に同性婚に反対をし
ていました。今年の5月には、マサチューセッツ州で全米初の同性婚が合法化
されたことを受けて、同性婚を禁じることができるような連邦憲法の修正を連
邦議会に求めています。

 これに対してケリー(民主党)は、結婚を男女間のものと定めて同性結婚を
排除した96年成立の「結婚保護法」に反対しています。このときの議決は、
下院は賛成342:反対67、上院で賛成85:反対14。ケリーは上院の反
対者14名の内の1人だったのです。

 選挙のTV討論においても、「同性愛者は、自らの選択で同性愛者になるの
か?」という質問に対し、ブッシュは「わからない」とだけ答えたのに対し、
ケリーは「(現副大統領のチェイニーの娘であるメアリーについて)彼女はレ
ズビアンである。彼女は、そのように生まれ、生きてきたのであって、同性愛
者になることを選んだかという問題ではない」と答えました。

 このように、ブッシュとケリーの同性愛者に対する認識に大きな開きがある
ことは明白でしたので、多くの同性愛者はケリーを応援しました。CNNの出
口調査によると、『同性愛者(ゲイ、レズビアン、バイセクシャル)は調査対
象の4%、そのうちブッシュ氏に入れた人は23%、ケリー氏は77%で圧倒
多数だった。異性愛者(96%)は、ブッシュ氏53%、ケリー氏46%だっ
た(調査対象 1万3660人)』そうです。


 11月2日には、大統領選挙とともに、さまざまな州で住民投票も行われま
した。この結果について、大きく取り扱ったマスコミは少なかったと思います
が、この住民投票はマイノリティ(少数者)の人権を考える者にとって、到底
見過ごすことができない、大きな問題をはらんだものでした。この住民投票の
内容は、「州憲法修正による同性婚の禁止」です。

 住民投票の結果、今回修正を問われていた11州全てにおいて、同性婚が禁
止されたのです。11州とは、アーカンソー、ジョージア、ケンタッキー、ミ
シガン、ミシシッピー、モンタナ、ノースダコタ、オハイオ、オクラホマ、オ
レゴン、ユタです。(ちなみに、ミズーリでは、すでに8月に州憲法が修正さ
れ、同性婚が禁止されています。)

 大統領選挙のまさにその日に、このような宗教的思想が深く関わる問題を住
民投票にかけた背景にも注目しておかなければいけないと思います。多くのマ
スコミでも、ブッシュ陣営はこの住民投票を保守派の投票率を上げるために利
用したのだと分析していました。

 住民投票は、住民の意思を直接はかるものであり、有効な政策決定の手段だ
と思っています。しかし、「少数者の権利」について、住民投票で決めていい
ものなのでしょうか? 住民の多くは異性愛者です。多くのマジョリティ(多
数者)にとって、マイノリティ(少数者)の権利は、ぴんとこないものであり、
必要ないものなのではないでしょうか?

 同性婚の問題は、基本的な人権の問題です。そして、人権というのは、生ま
れながらに誰もが持っているもののはずです。異性愛者も同性愛者も同じ権利
を持つのであれば、異性愛者が結婚制度を使えるのなら、同性愛者が使えるの
も当然。ただ、それだけの話だと私は思っています。マイノリティ(少数者)
の人権が、住民投票でマジョリティ(多数者)に認められないと実現できない
という、この構造は、明らかな矛盾です。


 これは常々感じていることなのですが、マイノリティ(少数者)の権利に関
する運動では、その権利が必要な当事者に大きな負荷がかかっています。少数
者や弱者が声を上げるのは非常に重要なことですが、同時に、とても難しいこ
とでもあります。その困難さに、政治や行政に関わる者であればなおさら、敏
感にならなくてはいけないと思います。

 行政で人権問題を担当している人から、「同性愛者自身が声を上げないから、
同性愛者の求めていることが分からない」というようなことを聞くことがあり
ます。しかし、この社会の中で自分が同性愛者であると声を上げることのリス
クを、想像してみて下さい。あなたが、友だちが、同僚が、家族が、同性愛者
だったら、家庭や学校や職場でどんな扱いを受けると思いますか?

 私は、同性愛者への差別が人権の問題だと思うなら、まず「あなた」が、同
性愛に対してフレンドリーな態度を「明確に」示して欲しいと思います。それ
なら、あなたの周りの同性愛者もあなたに対して話をする気になると思うので
す。「あなた」が気付くにしろ、気付かないにしろ、同性愛者と異性愛者は、
同じ地域に住み、日々会話をし、一緒に生きているということを忘れないでい
て欲しいと思います。


 今回はアメリカの大統領選挙に絡んで、同性愛者の人権に関して考えたこと
を書きましたが、アメリカの隣の国、カナダでは、また状況が異なることを付
記しておきます。オンタリオ州では03年6月、ブリティッシュ・コロンビア
州では03年7月に同性結婚を認めています。カナダのすべての州で同性結婚
が認められるのは時間の問題になっています。

 私の知人(日本国籍の方)は、バンクーバーに行って、カナダ人の同性パー
トナーと結婚しました。この知人のように、同性愛者の人権が確保されている
国へと移動していく人もいますが、国籍を変えることができる人はやはり少数
です。足元の日本でも、同性愛者の人権がきちんと護られるようにするために
は、どうしたらいいのでしょうか? 私たちは、そろそろ本気で考え始めなけ
ればいけないと思います。


《尾辻かな子さんのプロフィール》
 大阪府議会議員。無所属・市民派、29歳。
 2003年に初当選し、現在1期目。
 議会の中で最年少の女性議員として奮闘中。
 女性、子ども、ワカモノ、性的少数者等の人権問題に取り組んでいる。
 メール: otsuji@abox22.so-net.ne.jp
 ホームページ: http://www.otsuji-k.com


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■【3】寄稿「台風23号の被災地から」               □
□                                □■
■          宮津市 大石さん親子           □■□
□                              □■□■
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          ■ 台風23号について ■
                           大石伊兵衛(父)
  
概要 
 10月20日近畿を直撃した台風23号は今までにない暴風雨と被害を京都
北部にもたらし、舞鶴では瞬間風速51kmを記録した。さらに由良川(1級
河川)が増水して氾濫し大水害となった。

体験
 当日私は腸の検査を東舞鶴にある舞鶴医療センターで受けたが、帰りが遅く
なり同センターを出たのが17時。台風が近畿に接近する1時間前だった。す
でに風雨が強く、横なぐりの雨でしたが、帰りたい一心でスズキの軽トラを運
転して西舞鶴まで行きました。
 風雨はいっそう激しくなり、国道は川のように水が流れ、比較的水量が少な
いところをえらんで運転しましたが、水かさは増すばかりです。もしここで車
がエンストを起こしたら大変なことになると心配でした。
 強風が吹くごとに車体が左右に揺れ、恐怖を感じながら必死に運転して、下
福井というところのコンビニ・ローソンにどうにか着いて車を止めた。この頃
になると大ふうが北上したのか風雨が弱くなり出した。付近には長距離トラッ
クが並び、ドライバーたちがどうしようかと心配顔で相談していた。
 私は由良に帰るにも、由良川が氾濫して帰れないので、車中泊をすることに
決め、ストアでパンなどを買って落ち着いた。しかし家との連絡が取れず、心
配しながら車中でうとうとしながら一夜を過ごした。
 朝になると、上空でヘリコプターが飛び回り、観光バスの37人が救助され
たことがわかり、家との連絡も取れて、何ごともなかったので安心した。ここ
から帰るには大川橋を渡って国道に出ても、念仏峠を下っても一帯が水没して
一面の海。水位が下がるのを待たなければいけない。私は今日も帰れないのか
も知れないと心配していたところ、鉄道線路を歩いて神崎まで帰るという人に
出会い、道路脇に車を置き、一緒に帰ることにした。出発は12時40分、神
崎の人と別れたのが15時、由良川の鉄橋を渡って家に着いたら16時前だっ
た。無事であったことを家族と喜び合った。
(筆者は現在、病気のため入院中。76歳。住所は宮津市由良)


          ■ 破壊神っているの? ■
                           大石孝治(息子)

 10月20日、風雨がますますひどくなるというのに、病院へ検査に行った
父が帰らないし、連絡がない。家が揺れ、海風がすごい。雨漏りがし始める。
国道はストップ。翌日の夕刻前、もうダメだとと思った父がひょっこり帰った
ときは、驚くしかなかった。
 朝に、ヘリコプターが飛び始めると、あとはずっとうるさくて大変だった。
あ、まるで物見遊山のように放送局のヘリが飛び回ると思った。我が家のある
宮津市由良には川がないので助かった。
 数日後、私はいとこの家を手伝いに行くことにした。途中、道は崩れている
のに、警官も自衛隊も一人もいないところがあった。自衛隊は役場で寝泊まり
をし、役場の片付けに追われた。一般の人は後回しだったのがよくわかった。
 いとこの家は新しい。それが2mも水に浸かった。家中の壁に泥が付きまく
り、いろんなものが流されて何もない。運良く残っても、布団・畳・バイク・
電化製品・着物すべて捨てなければいけない。捨てて、捨てて、捨てまくった。
庭はケーキの上に泥のクリームをのせたようになっていた。いとこの高校時代
の先生が、教え子のところにボランティアに来てくれた。頭が下がる思いだっ
た。泥をスコップで何百回、何千回すくったと思う。私は泥人形になっていた。
 まだ地震の方がいいのではないかと思ったくらいだ。その日の帰りがけに泥
だらけで上着を捨てていたので寒いなあ、ひどい風景だなあ、夜だから余計に
気分が悪いなあ、と渋滞の車中にいたころ、本当に新潟で大地震が起こってい
た。

 私の家の木も倒れたが、古い神社の巨木など、あちらこちらで木や建物が倒
れ、海岸は流れてきたゴミの山。田んぼでもゴミを燃やしているので、毎日、
煙が雲か霧のようだ。友だちに会えば台風の話ばかりだ。
 仕事で難聴の方たちの例会に出たが、やはりみんな台風のことばかり。台風
のあと、舞鶴では断水になって市の広報車が出たが、何を言ってるか、また、
どこに給水車が来るかわからなかった、と言っていた。
 FAXが水に浸かると連絡が付かない。
 本当にこのたびはすごい光景を見てしまった。大江町では役場の中が壊滅状
態で機能しない。どう表現すればいいかわからない。TVと現場では大違いだ。
自然の破壊力のすごさを思い知らされた。破壊神っているんだと思った。


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□                          ☆彡
■【4】 地球を見つめて〜なんちゃって(14)    ☆彡
□                    ★彡   
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         ■ 落ち葉が消えて、消えるものは ■

自転車でまちなかを走っていたら、街路樹の枝を思い切りよく伐る現場に出
くわしてしまいました。見てはならないものを見たような気がしました。
 そこは我が家からさほど遠くない幹線道路。広い歩道に沿ってナンキンハゼ
のかなり大きくなった並木がずーっと続いて、私の好きな風景だったのです。
春・かわいい新芽とそのあとの新緑の豊かさ。初夏・黄緑の花房がろうそくの
ように立って香る。夏・ハート型の葉の繁みでセミがにぎやかなこと。さて、
秋は、黄色や赤の紅葉がビル街をいっとき照らし、いつか道いっぱいに散る…
…はずでした。冬・殻がはぜて白い実が現れると、ヒヨドリが寄ってきて、つ
いばみながら呼びかう……はずでした。
 
 なにも木の幹一本になるまで切らなくてもいいものを。はしごをかついだり、
木に登ったりしている作業中の人に抗議しても、たぶん無駄だろうな、と思う
と、一旦は立ち止まったのに、立ち去るしかありません。なぜ、ここまでやる
のでしょう? 
 たとえば、
1.落ち葉が重なるととても滑りやすい。車道か歩道で命に関わる事故が起き
  た?
2.落ち葉がゴミになって、掃除がたいへん。汚いとか溝が詰まるとか、人件
  費がかさむという苦情が出た? 人件費の請求が来た?
3.ハゼの実や殻が散って滑る。ヒヨドリの糞がきたないから、商品が汚され
  て損害をこうむった? 損害補償の請求が来た?

 こうして葉っぱの一枚もない見通しがよくなった広い道路を清潔で美しいと
いうでしょうか。そこを通る人びとは、今年は、街路樹が紅葉するぜいたくも、
落ち葉のはかなさも感じることができません。足もとからはとうに土が消え、
目からは紅葉が消え、耳からは小鳥の声が消えるのです。その結果、そこを行
く人びとの心から消えてしまうものを考えてみてください。

                          (かざりえみこ)


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□【5】 脱サラ議員奮闘記                ◇◆◇◆◇
■         山根 一男(岐阜県可児市議:47歳)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
              《落選編2》          
    
 落選。この二文字は覚悟していたものとはいえ重い。熱心に応援してくれた
人、カンパまでくれた人、知人、家族になんと言おう。明日からどんな顔して
まちを歩けばいいのか…

 ほとんどお金も使い果たしてしまった。失業給付も、もうすぐ終わる。これ
からどうして生活していこう?そして、選挙はもうやめるのか?来年、7月の
本選挙(任期満了に伴う可児市議会議員選挙)に出られるのか?

 落選候補の選挙事務所は暗い。何より人が来ない。投票日の翌日は月曜日だ。
看板をはずしたり、電話機の取り外し、大掃除などで猫の手も借りたいほほど
であるが平日でもありほとんど身内でやった。

 応援してくれた方への報告やお礼。選挙事務所の電気・ガス代、電話料金等
の支払い。選挙費用の精算。その後もやることがいっぱいある。今後のことを
じっくり考える時間もないが、気持ちはほぼ決まっていた。

 ぶざまな負け方ならあきらめただろうが、幸い次点だった。逆に、ポッと出
の新人にしてはよくがんばったという評価もいただいた。選挙に落ちた人とい
う視線もほとんど感じることがなかった。

 もう一度チャレンジしよう。7月まで約9ヶ月間、あらゆる面で苦しい日々
が予想されるけれど、もともとの発端は、まずは顔を売って次ぎを狙えるよう
にすることだった。ここでやめたら、これまでの努力が無意味になる。

 何より、まったく無名だった私に票を入れてくれた4,951人の方に申し訳ない。
かならず生きた票にして返したい。それこそ、決死の覚悟で来年夏の選挙を目
指そう。

 実は落選が決まった翌日もその次の日も、朝は駅頭に立った。お願いするの
は選挙の時だけという批判を自分も持っていたので、とにかく立って頭を下げ
た。こころなしか駅に向かう皆さんの反応も今までより優しかった。

 選挙費用は、約154万円かかった。そのうち54万円が公的負担だ。選挙
ポスター、選挙カーのレンタル代、運転手日当、ガソリン代は税金で賄われて
いるのだ。ちなみに法定限度額は、今選挙では360万円だった。

 自己資金のうち、約40万円は62人の方からの寄付金だった。過去からの
友人や先生、元上司、親戚などである。支出では、選挙事務所代が約16万、
電話など通信費が約10万、弁当代など食料費が13万円、ちらしや選挙はが
きの印刷代が27万、看板や運動員用のブルゾンなどで12万円というところ
だった。

 選挙が終わって約2週間後、11月15日に反省会をやった。駅の近くの喫
茶店でお茶会形式、会費は350円。15人くらい来てくれた。何人かから結
構厳しい言葉をいただいた。候補者として至らない点が多々あったと思う。

 自分は市民派として選挙に臨んだが、駆けつけてくれた方は、必ずしもそう
いう方ばかりではない。60歳以上の方も多く、ばりばりの自民党選挙をやっ
て来た方もいた。そんな方から見ると、信じられないことばかりのようだった。

 だいたい反省会を会費を集めて、喫茶店でやるのがおかしいという。選挙は
勝っても負けても、最後は酒や料理をふるまうのが当然らしい。でもそれは、
選挙後であっても明らかな公職選挙法違反なのだ。様々な価値観を持った方が
応援してくれている。それぞれ皆、思いが違う。

 反省会の席で、次ぎを狙いたいということを伝えたが。必ずしも好意的な意
見ばかりではなかった。私の議員としての資質を問う意見や、経済的に安定し
てからにしたら…という意見もあった。この日、駆けつけてくれた人のうちど
のくらいの人が来年も手伝ってくれるのか、とっても不安になった。

                           次号につづく…
  
                     
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★【6】テーマ・コラム《みかん》           ☆★ ☆彡
☆    《みかん・ミカン・蜜柑》 …… かざり        ☆★☆
★    《ミカンあれこれ》 …………… 美佳リン    ★☆★☆
☆    《「ミカン」という娘 》 …… 松虫  ★彡 
★    《腐ったみかんにハチ!?》…… 本河知明  ☆★☆★☆
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

《みかん・ミカン・蜜柑》
                            ☆ かざり ☆

 雪国で育った私の子ども時分、蜜柑はいつもまだ見ぬ国への憧れに通じてい
ました。手回しの蓄音機で、鞠と殿様(西条八十作詩 中山晋平作曲)のレコ
ードを何度聞いたことか。てんてんと弾んでいった鞠は、ついに殿様のお駕篭
のうえまでとんでいって、殿様のお膝に抱かれて東海道を上ります。たどり着
いたところが陽の光あふれるという紀州。(大雪の中でお正月を迎える私にし
たら、キシュウはシンデレラのお城のようなキラキラしたイメージ)鞠は山の
上で蜜柑になってしまいます。
 うっとりしながら聞いたものでした。
 だから、とうぜん蜜柑の味も大好き。暮れに、箱に入った蜜柑が届くと、子
ども心にうれしかったものです。食べるのはいつでもひとり一個ずつ。大家族
だったし、あの頃、雪国ではやはり蜜柑は貴重品でした。
 まず、重さと形に納得し、次は苦労してツメで固いヘタを取ると、袋の数を
きょうだいで当てッコしたり。それからおもむろに食べました。寒い座敷から
取ってきた蜜柑は冷たくておいしいのに、祖母は丸ごとストーブに乗せました。
 部屋中に蜜柑の皮が焼ける匂いが漂って、皮が焦げてきます。それから祖母
は皮をむいていました。ぬくもっておいしい、なんて言って。
 蜜柑の皮の色はお日さまの色。50年も前のことを思い出しています。

                               

《ミカンあれこれ》
                           ☆ 美佳リン ☆

 ミカンといえばビタミンC。ミカンを約2個を食べれば、一日のビタミンC
の摂取量がまかなえるそうだ。ビタミンCの働きは、肌をきれいにする。育ち
盛りの子どもの骨、歯ぐきを丈夫にする。白血球の中の風邪に対する免疫力を
強くする。ストレスを和らげる。などいいことがいっぱいある。
 さらに、ビタミンPに注目したい。ミカンの皮や白いスジに多く含まれてい
て、このビタミンPとCはお互いに協力して血管を強くする作用があるという。
血管が強くなれば動脈硬化をふせぐ。小さなミカンの大きな力だ。

さて、ミカンがどういう状況で栽培されているだろうか。通常は年間10〜
20回の薬剤散布が行われると聞けば、当然ながら残留農薬の心配をしてしま
う。

 ミカンの皮をいれた風呂に入ってストレスを和らげようとしても、その皮か
ら農薬が溶け出して来るようではどうだろう。買う際には値段だけではなく、
産地や栽培法も知りたい。有機栽培と無農薬栽培の違いや、減農薬とは何か、
無化学肥料、減化学肥料の線引きなどを確認して買いたいと思う。

 その意味で、少々高く付くが、私はもっぱら生協を利用している。積極的に
栽培法を表示したり生産農家を紹介する姿勢がいい。そこで私はエンゲル係数
上昇と体重増加の二つを予防するために買い過ぎと食べ過ぎに気をつけている。


                          
《「ミカン」という娘》
                             ☆ 松虫 ☆

 ミカンというあだ名の子がいた。中学二年の時である。静岡出身の彼女は、
あだ名のとおり、ミカンのような娘だった。弾むような小さい身体と、香しく
明るい笑顔。頭も良かったが、カミソリのような冷たい鋭さではなく、サクサ
クとよく切れる和バサミのような聡明さだった。静岡から大阪の中学校に転向
してきたばかりで、言葉は歯切れの良い関東弁だったが、大阪の下町、通天閣
の近くにあったぼくらの中学校でいじめられることは決してなかった。

 彼女は牧師の娘で、父親が静岡の教会から西成の釜ヶ崎へ布教に来ていたの
だ。ぼくらのクラスの男子生徒の大多数は、彼女に魅了された。きれいで頭の
良い子が多かったぼくらのクラスの女子の中でも、彼女はごく自然にリーダー
シップを発揮していた。クラス会の議事進行、運動会の出し物についての話し
合い、そして授業中の教師への質問など、屈託のない態度が気持ちよかった。

 彼女は、ぼくら二年三組のクラスに一年間いただけで静岡県へと帰っていっ
た。仲の良かった十人ばかりの同窓生が教室で彼女のためにお別れ会をした。
最後になぜだか、あの頃流行っていた「東京ドドンパ娘」をみんなで唄った。
「好きにィ〜なあったらあ〜、忘れぇ〜らあれぇなあい〜」。今でもテレビの
懐メロ番組などでこの歌を聴くと、あの時の甘酸っぱい感覚が蘇る。彼女が教
室を去ったあと、おやつに出した明るい色のミカンが一個残っていた。ぼくは、
それを手に取り、ゆっくりと鼻に近づけた。


                               
《腐ったみかんにハチ!?》
                           ☆ 本河知明 ☆

 いわゆる「腐ったみかんの法則」というのがある。大きな箱にたくさんのみ
かん。その箱の中の一つが腐ると、腐ったみかんが増えていく。大事なみかん
を救いたければ、腐ったみかんを取り除くしかない…。(※みかんをりんごに
置き換えたバージョンもある。)

 自然界や社会にはいろいろな法則がある。法則と言うと、ちょっとオーバー
でしょうか。まあ、物事の見方ですね。

 その一つに「2:8の法則」というのがある。経済学・社会学的には「パレ
ートの法則」と呼ばれているそうなのだが、ウェブで検索してみると、20と
80であったり、数字が逆だったりと、どうやら数字自体には本質的意味はな
さそう…。よく言われる例え話は、こんな感じ。

 「働きアリの2割はあまり働いておらず、その2割のアリを巣から除くと、
  また新たな2割のアリが怠け者アリになる」

 「売上の8割は、全商品の2割が作る」

 「10項目の品質向上リストのうち上位2項目を改善すれば8割の効果があ
  る」

などなど。

 これらの話は非常に示唆に富んでいると思う。働きアリの例で言えば、働く
働かないは生まれつきの性質ではなく、「環境によって変化する」ものと言え
よう。

 あれっ? 冒頭で書いた「腐ったみかん」の話とは違う?? いえいえ、結
局は同じこと。腐ったみかんを取り除いても、きっと他のみかんが腐り始める
ことでしょう。腐らないように/腐るのを遅くするようにするには、環境を変
えないと!

 「2:8の法則」で世の中を眺めてみると、少しは寛容になりません??

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□                             ★彡
■ 【7】 わが町中津を語る(3)      ☆彡     
□            霊崎(タマサキ)    ★彡☆彡
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 ■今、中津(大阪市 北区)が面白い!「Vi-Code」と「中津まつり」■


大阪市北区の霊崎(タマサキ)といいます。

 前回に続き「通り過ぎる町」「開発の手垢のついていない町」「八百八ガー
ドの町」中津に新しい動きが起こってきたお話です。

 本年2月半ばのことです。知人で町おこしの達人、味方(あじかたと読みま
す)さんから「中津でまつりをやるので実行委員会に参加してくれないか」と
の話があり、二つ返事で引受けました。打合せの場所は前回御紹介した、ピエ
ロハーバーのすぐ近く、阪急電車のガード下の「Vi-Code(ヴィーコード)」と
いうライブハウスでした。
 このお店もよく若者達の行列ができ「何をやっているんやろ」と気になって
いたお店でした。間口は狭いが、ガード下にはそぐわないセンスのいい入口か
ら通路を抜けるとカウンター式のBarになっていてお酒が飲めガード下とは
思えない異空間です。さらに二重ガラスの頑丈な重いガラスのドアを開けると
奥に立派なステージがあり、最新の音響・照明・映像・防音設備を備えた堂々
たるライブ会場でした。

 プロデューサーは西尾さん、ミュージシャンの全国ツアーの音響担当等もし
ておられ、関西で若手のミュージシャンを育てたいという熱い思いから「Vi-
Code」を立ち上げたとのこと。その西尾さんが中津の町を気に入って、駅前の
公園を使って中津まつりができないかと言い出したのが実行委員会の始まりで
した。

 実行委員会はイベントのプロ集団といってもいいくらい多彩なジャンルの専
門家の集まりでした。音楽・芸能に強い人、モンゴルのゲルを所有している人、
フリマを動員できる人、物品の運送やステージ等の設営に強い人等々。その中
で検討を重ね、ステージを作り1日中音楽やパフォーマンスを提供、モンゴル
のゲルを組立て中で葦のクラフト教室や音楽演奏、応募者を募り中津を案内し
発見した面白スポットを記入してもらう中津マップ作り、40数軒のフリマの
出展等多彩な企画となり、中でも圧巻は淀川の葦を使って葦舟を作るという企
画でした。

 人集めを行い、3月の日曜日を全て淀川の河川敷で葦刈りに費やし、広告取
りに歩き、折り込みチラシの裏全面に案内を印刷してくれる等中津商店街の協
力も得られ、様々な障害を乗り越え5/15(土)中津始まって以来の1000人
を越える大賑わいとなりました。また葦舟については日本一の指導者石川さん
を招き全長約8mの優美な葦舟が完成し、大成功の中津まつりとなりました。
葦舟は地元の南蛮文化館館長婦人の北村さんが中津の古名にちなみ「小竹葉野
(ささばの)号」と命名して下さいました。

 そして7/24(土) 淀川の中津側の河川敷で「小竹葉野(ささばの)号」
の進水式を行いました。安全を確認しながら一人づつ順番に乗り5名乗っても
充分な浮力がありました。葦を束ねてつくった葦舟は普通のくり舟と異なり、
喫水線は高く沈んだ感じですが畳の上にすわっているような心地よさです。そ
して5人のクルーは対岸の十三へ向けて、十三渡しの再現に挑戦し、所要時間
約8分で十三側に無事到着、大成功を納めることができ一生の思い出となりま
した。

                              (つづく)


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□                               ★彡
■【8】 公務員になってみた (2)            ☆彡
□                     東牧陽子  ★彡☆★
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      ■ 2.やっぱり役所はとても遅いのだの巻 ■ 

 さて、なんでまたそんな中途半端な時期に募集をしたのか知らないけれど、
千葉県の任期つき民間人の募集は、3月24日に始まり4月4日に締め切られ
た。でも、さあ新年度のスタートというこの時期に応募者なんてさすがになか
ったのか、急遽、募集は4月18日まで延長されることに。私は、2000文
字の「行政とNPOとの協働について」という論文と履歴書をぎりぎりに送付
した。

 ところが、待てど暮らせど返事がこない。こっちは、千葉県の試験を受けて
るなんてことはおくびにも出さずに仕事を続けている。当然、スタッフとの話
は夏のセミナーや秋のイベントにも及んでいく。「採用されたら、その時期私
はもうここにいないんだよなー」と思うと、さすがに罪悪感がこみ上げてくる。
で、背に腹はかえられんと、異例の「催促」をした。メールの返事は、「もう
ちょっと待ってください」の一言。ようやく第一次選考を通過したので、面接
にきてくださいという通知がきたのは、5月29日のことだった。いったい、
この期間、千葉県庁の人は何をしていたのかは、今もってなぞである。面接日
は4日。おいおいこっちにだって予定ってもんがあるでしょうがぁと思ってい
たら、担当者から、「面接にはお越しいただけますね?」の電話。「あんまり
連絡がないんで、だめだと思ってほかの仕事決めちゃいました」って思わず、
言いたかったけれど、やっぱり受験する身は弱いものなんですね。「はい、伺
います」と素直に答えてしまいました。で、面接が行われたのが、6月4日。
なんと面接を受けるのは私一人だった。「楽勝じゃん」と喜んだのが、おめで
たかったのか、この面接結果、つまり採用ですという連絡をもらったのは、6
月20日のことであった。親しい人たちには採用試験を受ける話をしていたの
で、「まだ連絡ないの?」と何人もの人に心配の電話をもらった。ま、普通の
人の感覚では、こんなに待たすってやっぱり理解に苦しむことなんだと思う。

 千葉県に着任してから、同僚に話したけど、「人事の決済ならそんなもんじ
ゃないの?」と、だーれも共感してくれず、「むむ、やはり朱に交われば赤く
なるのかぁ。民間と役所では時間の流れるスピードが違うのだなー」と実感し
たのであった。
                                        
         (つづく)


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■【9】 市民ライターのキモ/その真実と技術(13) ◇◆◇◆◇

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     ■ 13.原稿を他の人の目にさらし、寝かす  ■


●市民ライターは書いた原稿を他人に見てもらうことが大切だ。妻、夫、同僚
など誰でもよい。最初の頃なら、3人ぐらいに見せたほうがよいだろう。文章
は読んでもらうために書くのだから、媒体に載せる前にも見せて感想を聞いて
おくべきだ。

●というのは、原稿を書いている者はそのテーマに没入しているから、どうし
ても全体のバランスや、また反対にディーテールに心が向いていないことが多
いからだ。人に原稿を読んでもらうと、こちらが全く気づいていないことを指
摘されることが多い。もちろん、納得できない指摘もあるだろうが、そんな時
は冷静に判断して、自分の筋を通せばよい。

●大切なのは、読んでもらって感想を聞き、ちょっとした議論をすることだ。
なぜ、そういう指摘が出てきたのか? なぜ、この言葉づかいが嫌なのか? 
はたまた「論理展開がありきたり」とはどういうことなのか? これらのこと
について、指摘してくれた人と話をすることによって、あなたの"ひとりよがり
" が是正されるとしたら、こんな有り難いことはない。

●訊くと、人は何か言う。当たり前だ、訊かれているのに何も答えられないと
したら、それは自分の能力を否定しているようなものだから…。訊くと、何ら
かの答えが返ってくるから、その答えに対してこちらも何事かを考え、自分の
思ったところを述べることになる。そこにコミュニケーションが生まれて、あ
なたはさらに自分の書いた文章を省みることになる。

●つまり、自問自答と同時に、他問自答が推敲の大きな手がかりになるのであ
る。自問自答ばかり続けていると、トラップにはまってしまい、そこから抜け
出せなくなる。そんな時には他人の目を借りることだ。そして、他問自答した
のちに再び自問自答を繰り返すのだ。

●もう一つ重要なことは、原稿を寝かせる時間を取ることである。とくに人に
見てもらえる機会をもてない時は、書いてすぐ出稿するのではなく、一日か二
日、その原稿に目を通さないでおく。そうすると、原稿に没頭していた時の頭
にかかっていた"没頭霧"のようなものが晴れるから、再びクリアで客観的な目
で自分の原稿を読むことができる。そしてもう一度推敲し直して、出稿する。
そうすると、寝かさなかった原稿よりも数段良くなることが多い。

         (吐山)


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■【10】 関西弁だば、まんず わがんね(秋田おばこ編) ☆彡
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  ■ 第13章 せんなん、から せな、に ■ 

 「はよ帰って、片付けせな。それから宿題せな」
 あるお母さんが子どもに言います。それをそばで聞いていた私はその場の状
況から、片づけをしてから宿題をするのだと言うことは了解。でも「せな」っ
てなんだ? そこで思い切ってまた尋ねました。

 「せんなん、てこっちゃ。ああ、せなあかん、てこっちゃ。せな、やったら
すぐわかるやろ」
 こう教えてくれました。(つまり、しなければいけない、ですね)

 なんてうまいこと縮めてしまうんでしょう。

 東京の人なら、
「早く帰って片付けなくっちゃ。それから勉強しなくっちゃ」でちょっと長い
けど、秋田弁ならやはり短くなって、
「早ぐ戻って片付けねばね。それから宿題さねばね」というところかな?
 東京はクチャクチャ。秋田はネバネバ。
 大阪はせんなんからせな、ね。

 関西弁だば、まんず、はあ、わがんね、な。

                           (秋田おばこ)


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■【11】 三反農家の米作りノート(8)       ◇◆◇◆◇
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      (8)  野焼きの香り

 稲刈りが終わった晩秋・初冬の晴れた日に田園地帯を車で走ると、あちこち
で白い煙がたなびいている。刈り取った稲藁を田で燃やす野焼きの煙である。
その効能は、藁の中で越冬する害虫の卵を殺し、灰を田に戻して酸性化する土
壌を中和することだと聞いている。

 煙の中身はほとんどが水分だが、稲藁が燃える独特の香りがあって、夕陽に
たなびく白い煙は「のどかさ」の象徴に他ならない。色づいた柿とたなびく煙。
秋の収穫をやっと終えたこの時期、大人は皆がリラックスして上機嫌になる。
稲刈りでは何の役に立たない子供も、両親を手伝って煙に巻かれながら火を付
けて回るぐらいのお手伝いはできる。親公認の木登りで柿を取るのを手伝える。
そんな記憶が脳に焼き付いているのか、白い煙がたなびいていると不思議と「の
どかな」気分になれる。

 ところが、この煙を普通の人は煙たくて臭いと感じるらしい。農地に隣接し
て新しく建売住宅が数軒建つと、かならず「臭い」「煙たい」と怒鳴り込んで
くる人がいて、気の弱い(?)農民は翌年からは遠慮して燃やすのを止める。

 法的には、農作物残渣をその耕作地で焼却するのは法律で禁じられてはいな
い。環境的にも、燃やすことで排出する二酸化炭素は、稲がその年に空気中か
ら固着した炭素の一部であって、水田のトータルでの二酸化炭素排出量はマイ
ナスになっている。しかも、燃やす代わりに、稲藁の腐敗促進のための石灰窒
素や、酸性度緩和のための石灰など工業製品を田に投入するのは、決してエコ
ロジカルではない。越冬害虫駆除のために農薬を多用するのもエコロジカルで
はない。

 ただ、残念ながら、よりよい「空気と環境」を求めて(或いは地価が安いの
で)田園地帯に新居を得た一部の人には、農民の郷愁も理屈も通用しない。下
手にケンカして、トラクターの音がうるさい、撒いた肥料が臭い、煙を出すな、
、、といちいち苦情を言われ続けると、農作業に行くこと自体が憂鬱になる。

 かくして、水田は市民農園と姿を変え、やがて宅地となって、農地がまた減
っていく。この冬もまた、近くの水田が数ヶ所なくなるようです。

                    (11月18日 平田)

《ご報告》

 今年のわが家の米の収穫量は対前年比6%upの豊作でした。レンゲ栽培と乾
燥牛糞で化学肥料を約半分(窒素換算)に減らし、田植え直後に除草剤を使用
して以降は農薬を使用せず(その程度じゃ減農薬とは呼べない?)、味も上出
来でした。新米農民のビギナーズラックとは思いますが、割と才能があるのか
も...
 連載当初から掲載していた農作業時間の記録は、大雨やら台風やらで小刻み
な仕事をしている間に途中で途絶えてしまいました。新米ライターとしては失
敗です。

                   
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★                            ☆彡
☆【12】 この○○を誉めよ!    ★投稿募集!    ★彡
★                   ★彡   ☆★☆
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《 焼きいも 》

 冬になるとトラックのスピーカーから流れてくる声。煙突から出る煙の音と
においに誘われながら、集まる人!人!人!誰もが知っている「い〜しや〜き
い〜も〜おいも〜」だ。

 買うと、持っている紙袋から伝わってくる熱気。「早く出して!」とせかし
ているようだ。さっそく袋から取り出して、二つに割る。湯気がぽわ〜っと出
て、顔を包む。中から柔らかそうな、美しい色をした黄金の輝きが目に飛び込
む。ふわっとしたその黄金を口に含んでみる。口の中に優しさと温かさがじわ
〜っと広がり、体全体へと伝わっていく。

 やがて満腹を感じる。
心にもぬくもりを感じ、満たされた気持ちになる。そのぬくもりは多くの人の
心をとらえ、安らぎや笑顔を与える。

そんなおどろくパワーを持っている「焼きいも」だ。
あっ、そこ! 目の前で
ほほえんでいるよ。

「冷たい心と体におひとついかが?」 
                           (ぴょん。)


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□【13】この一冊
■                      ◇◆◇◆◇
□    『熊の敷石』(講談社・講談社文庫)
■           堀江 敏幸
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


           ■「熊の敷石」を読んで ■

 私と本書との付き合いはずいぶんと長いものになっている。と言っても実際
に読んだのはごく最近、今年の十一月初旬だから単行本の刊行からは三年以上、
廉価な文庫本が出てからでも八ヶ月以上の空白を数える。
 ではその付き合いの中身はといえば、書店で無料配布されていた小冊子「新
刊展望」に掲載された著者のインタビュー記事が「なんとなく」気になってい
たという、書いている本人もあきれるほどのものでしかない。(ちなみに当該
の冊子にはベストセラーとして「チーズはどこへ消えた?」があげられている)

 表題作「熊の敷石」は「私」と「ヤン」との再会を中心とした数日間を、異
国を舞台としながらも日常から大きく逸脱しない静かな――かつ、日没間際の
モンサンミシェルの描写にみられるような表現力豊かな文章でつづられる。
 しかし、その静かな日常は非日常から隔絶された平坦なものではなく、第二
次世界大戦やホロコーストといった過去と地続きにあり、二人の会話は「そん
なたいそうな話をしているんじゃないんだ」と断られるにも関わらず重たいも
のになっている。
 さらに結末においては「私」の歯痛までもがそのような世界観を象徴するも
のとして用いられており、非日常として分断されがちな事象を、容易には切り
離し得ない地点までもってくることに成功している。

 だが著者は本作で歴史的、政治的な問題を扱ったわけではないだろう。
 題名に彩られた「熊の敷石」とはフランス語でいらぬお節介を意味する(そ
うだ)。「私」は「ヤン」が厭うていないと思いつつも、その出自などを話さ
せてしまう自分の行為は「熊の敷石」ではないか、自分は彼にとって危険な存
在なのではないか、と考える。しかし「なんとなく」呼吸が合わない人物は
「おそらくは自分にとって本当に必要な人間ではないとして徐々に遠ざけ」て
しまうのである。
 ならば「私」が人と関係を築き続けようとするなら、相手にとって危険な存
在たらざるを得ないのである。
 それは普遍的な悲しみと呼ぶに足るものだと私は考える。独裁者をその座か
ら追うことや、近代を超える新思想を考え出すことでは決して癒されることの
ない、根源的な悲しみが声を荒げることなく叫ばれているのである。

                        (国家の禄を食む男)


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★【14】 編集後記                     ★☆★
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 最近特に感じるのは、多くの人があまり周りのことを見ていないのではない
かということです。自分のことを考える・自分のために何かをするのに忙しす
ぎるからなのでしょうか。見ていないというのは「見る」という行為のみを指
しているわけではないのですが、道を歩いていても他人や周りに注意が払われ
なくなってきているように感じることが増えてきました。
 スーパーや駅前の駐輪場で、自分の自転車を周りを見ずに出している人が結
構います。そのため近くを通りかかった人とニアミスという光景を何度も見か
けます。先日は、買い物を終えて自転車を急に出した人が、後ろを走っていた
自転車にぶつけ、買い物カゴからヨーグルトが飛びでました。「今買ったばか
りの私のヨーグルトどうしてくれるの!」と叫んで、相手に謝らせました。こ
れって、いったもの勝ち?ちょっと後を確かめたらよかったのに。
 子どもに関わる様々なことが問題になっています。大人が自分のことしか考
えなくなってきた結果なのでしょうか。家族や他の人に対してちゃんと耳を傾
けているのかも含め、自分のことも反省しなくては。
                          (うっかりスー)
                          
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