関西弁だば、まんづ わがんね 秋田おばこ編
第1章 人称代名詞 1人称と2人称の《自分》
第2章 人称代名詞 《ワレ》は2人称もある
第3章 人称代名詞 《子》は大人である
第4章 接尾語 サン、チャン は コ である
第5章 音便形でグッと近づく関西弁
第6章 語尾の省略で意味が逆に?
第7章 形容詞と形容動詞
第8章 1音節の単語
第9章 ~~する人
第10章 長音について
第11章 動詞 投げると放るについて
第12章 疑問代名詞
第13章 せんなん、から せな、に
「関西弁だば、まんず わがんね」改め 「秋田弁だば まんず おもしれー」
第14章 ごちそうを前に
続きはブログ版に掲載しています。
第8章 1音節の単語
浮かない顔をした会社の上司に「どうかなさったんですか?」と聞きました。
「イイ ワルイ」
私は、意味が取れません。きっとまたポカンとしていたことでしょう。上司はさらに浮かぬ顔で行ってしまいました。私は「良い 悪い」には、どんな意味があるか考えていました。いつのまにか私は「話がすぐには通じないヒト」ということになっていきました。
この上司は、前夜の飲み過ぎがたたって、『胃(イぃイ)が悪かった』とのこと。
『与作』という歌で、「与作は木ー〈を〉切る トントントン・・・」という一節があります。
秋田弁では「木 切る」で、ふつうは目的の格助詞〈を〉抜きますが、同じ
抜くのでも、関西では「木ぃイ 切る」です。
キ と キぃイ。つまり1音節か2音節かの違い、です。
他に、目ぇエ むいて怒る
歯ぁア 抜けた
日ぃイ に焼けた
というように、たいていが2音節を取るようです。
1音節の単語を、1音節で言っている間は、どんなにがんばってみたところで、関西弁を話しているとは誰も認めてくれません。つまり、早く関西弁を話せるようになろうと思ったら、まず、この1音節単語をマスターすることだったのです。
すなわち「そんなこと 気がつけへんかった」では失格です。
関西弁だば、はー、まんず わがんね。
(秋田おばこ)
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