テーマ《 みかん 》 14号(04-11-20)掲載 その3/4
腐ったみかんにハチ!?
本河知明
いわゆる「腐ったみかんの法則」というのがある。大きな箱にたくさんのみかん。その箱の中の一つが腐ると、腐ったみかんが増えていく。大事なみかんを救いたければ、腐ったみかんを取り除くしかない…。(※みかんをりんごに置き換えたバージョンもある。)
自然界や社会にはいろいろな法則がある。法則と言うと、ちょっとオーバーでしょうか。まあ、物事の見方ですね。
その一つに「2:8の法則」というのがある。経済学・社会学的には「パレートの法則」と呼ばれているそうなのだが、ウェブで検索してみると、20と80であったり、数字が逆だったりと、どうやら数字自体には本質的意味はなさそう…。よく言われる例え話は、こんな感じ。
「働きアリの2割はあまり働いておらず、その2割のアリを巣から除くと、また新たな2割のアリが怠け者アリになる」
「売上の8割は、全商品の2割が作る」
「10項目の品質向上リストのうち上位2項目を改善すれば8割の効果がある」
などなど。
これらの話は非常に示唆に富んでいると思う。働きアリの例で言えば、働く働かないは生まれつきの性質ではなく、「環境によって変化する」ものと言えよう。
あれっ? 冒頭で書いた「腐ったみかん」の話とは違う?? いえいえ、結局は同じこと。腐ったみかんを取り除いても、きっと他のみかんが腐り始めることでしょう。腐らないように/腐るのを遅くするようにするには、環境を変えないと!
「2:8の法則」で世の中を眺めてみると、少しは寛容になりません??
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