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テーマ《 十三(じゅうそう) 》  13号(04-10-20)掲載 その1/3

    「顔の見えるまちづくり」 寄稿

コミュニティ企画「ザ・淀川」「ザ・おおさか」
         編集長 南野佳代子さん

 IT産業の進歩に伴ってインターネットが普及し、大人も子どももほしいと思う情報はいつでも取り出せるようになりました。情報は山ほどあり、知ることに関しては、とどまる所がないほどの時代です。
 わたし、何でも知ってるよ。では、お隣の子どもさんの名前は?ご近所のできごとは?
 みなさん、意外と知らないんですよね。昨今、つらい事件がマスコミをにぎわせています。識者の方々が色んな理由を並べ立てていますが、私はひとりひとりが、他人のことに無関心すぎるのが大きな原因だと思っています。幼いころから知ってる子なら、その子が大きくなっても無関心ではいられません。

 私は淀川区でタウン誌を作り続けて23年になります。自転車に乗って十三、三国、神崎川、塚本、新大阪周辺の町々を走ります。商店街も通ります。特に十三では道行く人に声を掛け合う関係がまだまだ残っています。
 「元気か?」「こんなんあるでぇ」。つまりは情報交換です。こういう町の情景を消してはいけない。こんな人間関係をなくしてはいけない。無機質の町を作ってはいけないと、思います。

 「どんな人が、どこで何をしているんだろう?」「市民の力で復活した十三の第七藝術劇場へ来てね」「ワクワクする時間を共有しませんか?」。そんな思いで、淀川右岸沿いの淀川区、東淀川区、西淀川区を結ぶNPO法人淀川アートネットを設立。11月13日(土)・14日(日)の両日、第七藝術劇場がある十三のサンポードビル4階を主会場にして、NPOの誕生を祝う「淀川アート見本市」を開くことになりました。

 街道筋、川筋に位置することもあって、十三は昔からにぎわってきた所です。淀川の渡しも有名です。今は国道176号線や幹線道路が縦横に町を貫き、阪急電車の重要な乗換駅でもあります。交通が便利なだけに、子ども向けには各種の学習塾があり、大人向けには歓楽街、飲食店が軒を連ね、大規模な商店街、各種企業などがあります。また多くの優れた人材を輩出している北野高校があり、博愛社、ミード社会館などの社会福祉事業の分野では日本屈指の施設もあります。ゴチャゴチャしているという見方もありますが、これは即マイナスのイメージに結び付くでしょうか?色々あるからいいんじゃないの、多彩な文化が共存している、とプラスに考えてみませんか?

 大阪24区、それぞれに個性があり、今、いずれの区も独自のまちづくりのプランを策定中です。市民と行政の協働が実績をあげている淀川区では、「顔の見えるまちづくり」が好調に滑り出すことでしょう。私はこれからも「できるだけ多くの人の顔が載る」タウン誌を作りながら、情報を発信し、収集し、感動を分かち合う働きかけをしていきます。十三が好きな方も、十三で降りたことがない方も、まずはこの秋に、十三と新鮮な出会いをしませんか?

       (南野佳代子)


 

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