お薦めメルマガ勝手に紹介
メルマガタイトル:「ビジネス知識源」 (03年12月)
まず最初に、「友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。」と書かれているのが嬉しい。このMMのキャッチフレーズは、<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>というもの。個人(吉田繁治さんという大阪の経営コンサルタント)が発行しているもので、配信数が3万部を超えるというオバケ・メルマガ。おそらくその情報量と内容の濃さで右に出るものがないというほどのお薦めメルマガである。
内容的にはもちろんタイトル通りビジネスネタが多いのだが、企業や経済、お金に関することは、市民ライターとして現代の政治や経済の情勢分析をしたり、権力を批判したりする際には不可欠の知識である。このメルマガを読んでいると、テレビや新聞で今さわがれている論旨とは異なる発想や情報を得ることができてとても刺激的。例えば、12月2日配信の第175号は、「緊急テーマ:米軍の撤退が起これば」と題されている。今、日本のマスコミのイラク情勢についての論調は、自衛隊が行くべきか、行かざるべきか、という二つに分かれている。
「いくべき派」の主張は、外務省の官僚がテロで殺されたからといってイラクへの派遣を止めてしまったら、日本はアメリカと全世界からの信用を失う。だから、「行かない」という選択はあり得ないというもの。また、「行かざるべき」派の論点は、もともとアメリカの介入自体が大義名分のないものだったのだし、こちらがいくら人道支援だと言っても、イラクの人たちにとっては、日本の軍隊が米英など支援のために派遣されて来たとしか思えないので、結果として何人もの自衛官が死ぬことになるかもしれないし、アラブ全体を敵に回すことになるから止めたほうがよいというもの。
しかし、ビジネス知識源はもっとはるか先のことを見ている。英米は遅かれ早かれ撤退せざるを得ないだろうし、イラクの人たちも当然自立(自律)せざるを得ない。米軍が撤退して原油の高騰が起こり第三次オイルショックがあっても、それは日本にとって恐れるべき事態ではないし、米国と世界のためにも、恐れる必要はないと論じる。
つまり、「原油価格高騰によって起こる省エネルギーは、地球環境の悪化を守るために、いずれ必要なことだからです」と。そして続いて、「中国・インド・東欧・ロシアの経済成長で、世界はエネルギーの多消費に向かうことが確定しています。原油が2倍に値上がりすれば、日本を含む世界は、省エネエネルギー技術を急速に開発し発達させます」と書く。そして、「今は原油が安いため、採算に乗らない多くのエネルギープロジェクトが一挙に脚光をあびます」と明るい側面に光を当てる。また、「原油輸出国が、高いマーケットプライスを求めれば求めるほど、代替エネルギー開発と、省エネ技術が進歩します」。原油価格は、「一時的には3倍に上がっても、落ち着くところは2倍以下になるでしょう。最終的には1.5倍くらいで落ち着くと思っています。資源の安さに安住する経済は発展しない。高さに挑戦するから、技術になります。豊富な天然資源は、むしろその国の経済を停滞させるということを逆証明したのが、戦後の日本経済です」
上記のようなことを言ったり書いたりしているマスコミの論調をあなたは見たことがありますか?
●読者数:32,315名
●著者:Systems Research Ltd. Chief Consultant 吉田繁治
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(吐山)
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