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■ 入学試験
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■ 花 マル子 ◇◆◇◆◇
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「入試? あってもええん、ちゃう?」
「おれ、人生で、あんだけまじめに勉強したことなっかったなー。ほめてやりたいわ」
「ほんまや。曲がりなりにも英語の文書読めるし、なー。入試のおかげかも」
「センター試験のあとで、外人のタレントがな、『ボク、アメリカ人ですが、あんな難しい英語の問題なんか、できません。日本の入試制度、ゼッタイおかしいですよー』とか言うてるねん。あれっておまえがアホなだけやろ」
「そうや、オレかて、国語の問題、今やったら難しいかも知らん。そやけど、それだけで入試制度がおかしいて言えるか?」
「入試でもなかったら、勉強せえへんで。ぼくなんか落ちまくって予備校へ通ったけど」
「マスコミは、入試が悪いって言い過ぎる。スポーツは根性を作る、なんてほめて、勉強する人をおちょくるやろ。ヘンやで。問題解くって根性要るでー」
面白い会話の場面に出会いました。私は、吹き出したいのを我慢しながら耳を澄ましました。昼間、電車の中です。30歳前後のサラリーマン風の男性が数人。乗り込んできてずっとその話題です。どんな仕事をする人たちかな?
持ち物や服装から想像をしてしまいました。
かつて、こんな質問を受けたことがあります。
「この子を附属小学校に入れたいのです。どんな絵本がいいでしょうか? 賢くしたいんですが」
よちよち歩きの子の手を引いた若いお母さんでした。(かつて、教育に関わる仕事をしていましたので)
『これであなたは競馬に勝つ』『ぜったいにダイエットが成功する本』『お金が貯まる……』
こんな本が絶滅しないわけは、それが決してうまくいかないからだ、と聞いたことがあります。と同じように、これで幼児が賢くなる絵本があれば、お母さんは不要です。子どもはおとなとのコミュニケーションの積み重ねで知恵を獲得していくものでしょう?
その後あの子がどうなったかは、聞いていません。
私は、幼児や小学生の入試はあまり賛成したくありません。
でも18歳の入試には反対ではありません。若い時期にものごとをじっくり考える、記憶する、確認する絶好のチャンスととらえ、社会人になる前の通過儀礼のひとつと思いたいのです。ただ、季節的には考える余地がありますね。
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