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■ ビデオ講座で学んだこと ◇◆◇◆◇
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■ 本河知明
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この夏、梅田(大阪市北区)にある「総合生涯学習センター」http://www.osakademanabu.com/主催のビデオ講座を受講した。30名弱の受講生が3つのグループに分かれ、それぞれ5回講座の時間内に撮影と編集をすべて行ない、5分程度の作品を制作した。取材対象は各グループごとに主催者側から与えられていたのだが、どのように撮影・編集するかでグループ内で議論が白熱したこともあった。
「メディア・リテラシー」。このMMの読者なら、きっとこの言葉をご存知だと思うが、実際にビデオ制作の経験をしてみて、改めて学ぶことが多かった。
まず、撮影に関しては、ズーム(対象をアップにして撮影する)とワイド(その逆)のタイミングを計るのが意外に難しかった。たとえばインタビューの撮影では、対象者がこれから話すことを予想してズームかワイドかを判断する。その場の雰囲気に神経を集中させておく必要がある。もちろん、カメラを固定したままでもいいのだが、それでは芸がないし、画として面白くないと思う。手の動きだったり、目の力の強さだったり、そういった細かいシグナルを逃さず画面に捉えるのは、かなり難しいと思った。
編集に関しては、撮影以上に学ぶことが多かった。1時間近くあった撮影テープを5分程度の作品にするのは、きっと皆さんが想像している以上に難しい。撮影テープの大半を諦めなければいけないわけだし、また、どういう構成にするかによっても、作品の内容がガラッと変わってしまうわけだ。私のグループだけでなく、他のグループでも意見が分かれることがあったという。こういうことを日常的に行なっているテレビ関係の仕事をしている方に、正直な気持ち、頭が下がる思いだ。しかし、それと同時に、編集の仕方によって、いくらでも「意図」を変更することができるという怖さも、少し感じた。
今回の講座で一番面白かったのは、各作品の完成後、すべての受講生が一堂に集まって試写をし、意見交換をする場があったことだろう。「なぜこのように編集したのか?」「自分だったらこういう編集をしたい」みたいな質問や考えは、実際に自分がビデオ制作の経験をしてみたからこそ生まれた、という面があったと思う。しかし、たとえビデオ制作経験がなくても、作品について制作者と意見交換する機会を持つというのは、とても重要なことだと思う。インターネットやデジタル放送によって、マスメディアでも双方向コミュニケーションが重要になってきているが、直に制作者と話してみるのもオススメだ。
今回受講した講座の共催でもある「ビデオ工房AKAME」http://www2.osk.3web.ne.jp/~akamev/というグループでは、今年の初めから「カフェ放送てれれ」という企画を行なっている。学生や市民活動グループが自主制作した作品をカフェやバーなどで上映し、それを見た参加者どうしが意見交換しあうという企画だ。ちょっとした雑多感のあるカフェやバーという場で見る作品は、テレビや映画館などで見るのとは一味違う気がする。皆さんも一度「カフェ放送てれれ」に足を運んでみてはどうですか?
≪ 読者評価 座布団12枚 ≫
(本河)
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