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■ NPOスタッフから会社員に転身 市民活動へ一歩前進???
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■ ☆☆ 橘高 由美
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短大生のころ副教科の授業でNGOの存在を知った私は、国際協力について興味を持ち、将来はNGOのスタッフになりたいと思うようになった。「NPOへの就職は、希望者が多く狭き門」という新聞記事を見たときは、本当に焦ったものだ。しかし神戸のNPOが求人を出しているのを知り、ダメモトで面接を受けたところ、なんと運良く採用が決定。晴れてNPOのスタッフなった。
それから3年半が過ぎた今、私は一般企業に勤めている。
NPOが嫌になった、訳ではない。むしろ自分のやりたいことを具体的にイメージするようになっていた。それはNPO・NGOの活動や取り組んでいる問題について、もっと多くの人に知ってもらえるような仕事を手掛けられるようになることだ。そこでチラシ作成などを行うNPOへ籍を移し、印刷の基礎を学ばせてもらった後、さらなるスキルアップを目指すべく、出版会社へ就職することになった。
ところが実際に出版社で働き出すようになると、仕事量は多く、入社したてのため仕事を覚えるのに必死の毎日。とても市民活動に目を向けている余裕は無い。NPOに関する情報量も減り、すっかり市民活動との距離を感じるようになってしまった。
市民活動に関わるには、現場のスタッフでないと無理なのだろうか。しかしそれではNPOで働いている人よりも企業に勤めている人の方が多いこの世の中では、市民活動の幅は非常に狭いものになってしまう。逆に言うと市民活動に関わる企業の人が増えれば、市民活動はもっと広がってくるはずだ。会社員として市民活動に関わることは、市民活動を盛り上げるのにとても大切なのではないだろうか。
NPOのスタッフとは違う立場になっても、市民活動に意識を持ち続けることができれば、その意識は本物と言えるはず。ぜひそうであるように、目の前の仕事に謀殺されることなく今後も市民活動に関わっていきたい。
(橘高)
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