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目次
(1)  「八百八”ガード”の町中津」を芸術・文化の発信基地に!
(2)  今、中津(大阪市 北区)が面白い! “ピエロハーバー”
(3)  今、中津(大阪市 北区)が面白い! 「Vi-Code」と「中津まつり」

続きはこちらに掲載しています。


(2)  今、中津(大阪市 北区)が面白い!
     “ピエロハーバー”

 今回は「通り過ぎる町」「開発の手垢のついていない町」「八百八ガードの町」中津に新しい動きが起こってきたお話です。

 昨年7月半ばのことです。会社から自転車で帰宅途中いつものように自宅近くの中津のガードの下を通りかかると、倉庫の事務所の入口の壁面に大きなピエロの絵が描かれているのが目につきました。最近多い落書きにしてはうますぎるので怪訝に思いながら前を通過していました。

 発見してから3日目位だったでしょうか、通りかかると突然事務所のドアがあき、中からサングラスをかけた大男がヌット現れました。
 私はとっさに、近くの住民であることを伝え、「壁にピエロの絵が描いてあるけど何かしはるんですか?」と問いかけました。するとその大男は「ピエロハーバーを来年立ち上げます」、「それは一体何ですねん」、「芸術のインキュベーションです」というふうなやりとりの中でどうやら元倉庫だった空きスペースを利用して、演劇・アート・音楽を志す若者がたくさん集まってくる芸術村にしたいということらしいと察しがつきました。

 家へ帰って辞書をひいて「インキュベーション」という言葉を引いてみると「孵化器」という意味でした。なるほど集まってきた若い芸術家の卵達を孵化させる場所ということらしい。これは面白いことが起きそうだと、ヒマをみつけては事務所を訪ね話を伺いました。
 大男の名は“仲 風見”さん、雑貨団というアングラ系の劇団の主催者、演出・脚本もすべてこなし劇団員の尊敬を一身に集めるカリスマ的な存在、イベント会社・貿易会社の社長の顔も持っているマルチ人間。
 これまで数々の町おこしにも関わってきた豊富な経験もあり、どんな話題でも実体験に基づく凄味のある話が頭の中に一杯ある引出しから次々と溢れるように出てきます。

 もと倉庫だったガード下の空間は、国道176号線の下の400坪の広大な敷地、奥深く天井が高く灰色の薄汚れたコンクリート剥き出し、まるで前人未踏の大洞窟を探検するような感があり、ワクワクするようなスペースでした。
 そのピエロハーバーがさまざまな困難を乗越え、大阪府の助成や大阪市の高架下のメンテナンス工事等の支援も受けることができ1年数ヶ月の準備期間を経て先日10月12日にいよいよ開港しました。

 大きな入り口から入ると、右側にはライブが出来るステージを備えたオープンカフェ、劇団員の若い青年達が運営しており、無国籍料理やビールやウィスキー、カクテル等豊富なメニューもたのしめます。奥には劇場ができ、10月
20日から始まるこけら落としの公演へむけて劇団員達の猛練習が始まっています。コンクリート剥き出しの壁には絵の好きな若者達が描いたさまざまな壁画が満ち溢れ、所々に大きなチャップリンの絵や風と共に去りぬのクラーク・ゲーブルとビビアン・リーの有名なワンシーンも描かれています。左側のスペースには今後フリーマーケットのようなショップの出店も計画されています。

 倉庫がピエロハーバーという異空間に生まれ変わりました。
 私もこの間地域住民の一人として応援してきました。期せずしてNHKの取材でコメントを求められ関西版のニュースで放映されるなど楽しい思い出を作って頂きました。皆さんピエロハーバーへ是非一度お越しください。

                             (つづく)

★ピエロハーバーの連絡先⇒ 06-6451-7780

 

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