お薦めメルマガ勝手に紹介
メルマガタイトル:「市民プロデューサー通信」 (04年3月)
「市民プロデューサー通信」と「市民ライター通信」は兄弟(?)メルマガである。どちらも大阪ボランティア協会の養成講座の有志が発行していて、代表発行人は言葉工房の吐山継彦。ただし、こちらはまだ生まれて半年のひよっこだが、「市民プロデューサー通信」の誕生は2001年、既に87号になる。
このメルマガの特色は、対象に対する新しい切り口と深い洞察力ではないだろうか。それは、ひとの気づかない事に気づいて知らせていこうとする市民ライターにも通じるところだと思う。
《「市民」考:黒ビールでも飲みながら》は、筆者の出会ったちょっとしたこと(誰かのひとことであったり本の1節であったりいろいろ)から気づいたことを今に引き寄せ、独特の視点、切り口で分析したり展開したりしていくコラムだ。黒ビールを飲みながらというくらいだから、決してしゃちほこばったものではないが、筆者の知識の豊かさと切り口の面白さには感心する。
例えば70号では、城山三郎の詩『旗』から「生きるには旗は要らず」を取り上げ、北朝鮮に対する日本国民の反応やイラク戦争における多数のアメリカ国民の反応に対し、「国家」の枠組と「国益」という思想を越えないと、現実的に戦争も貧困も飢餓も無くなりようがないと主張している。この『旗』から結論を引き出していく展開は鮮やかで、説得力がある。
メルマガの冒頭にある『地球市民』というコンセプトは三橋敏夫の『家毎に地球の人や天の川』からきているのだろう(71号)。「みんなが、心の底から『同胞は地球の人です』と言えれば世界は変わる」という筆者の思いがみえる。時に少し強引なところもあるが、底に流れる平和への強い願いと市民(自分も含めて)としての生き方への深い追求は、心を打つ。
また、新連載「ちまたのしみんせい」は、パチスロから知識や経験を駆使して法律を論じていて面白い。4回読んだらパチスロの専門家ほどに詳しくなってしまった。次の切り口はマンガで、こちらもどう展開するのか興味津々だ。
このメルマガには、コンヴィヴィアリティ、チェンジリーダー、イノベーション、ボトルネックなどカナ文字や難しい言葉もたくさん登場し、市民ライターを目指す人にも役に立つ知識・情報が多い。87号の著作権に関する記事など興味深く、即ためになる。毎回1篇ずつ掲載される世界のこどものことばにも無意識の新しい発想があって、どきっとさせられる。このメルマガから学ぶべきは、対象に対する新しい切り口と深い洞察力ではないかと思っている。
こういうわけで、市民ライターを目指す人にとっても役に立つと信じて、このメルマガをお薦めしたい。
配信形式:ノーマルテキスト(普通のメール)
発行周期:基本的には月4回(かなり不定期)
バックナンバー等:http://isweb25.infoseek.co.jp/business/capnews/index.html
配信システム:まぐまぐ/ melma! /メルマガ天国 / e-magazine
(近藤)
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