IBCカウンターを掲載するにあたって
“We don’t do body counts”
--- General Tommy Franks, US
Central Command
日本語では何と訳せばいいのでしょうか? 「わたしたちは死体の集計はしません」、「我々は死体なんか数えてない」、「死体なんか数えてられないよ」。軍のブリーフィングの場での、この投げやりな回答には当時のアメリカのメディアでさえ驚かされたようです。トミー・フランクス米軍中央司令官(当時)がアフガニスタンでの戦況報告の記者会見でこう答える映像は海外へも配信されてNHKでも放映されました。
かっては、何台の敵戦車を破壊し何人の敵兵を殺して何人を捕虜にしたか…は、自軍の戦果を誇る重要なデータでした。アメリカの戦争がハイテク兵器による遠隔攻撃になってから、政府と軍は意図的に数えるのを止めました。
それでは誰がこの戦争の死者を記録するのか? イラクボディカウントの主催者は、それはイラクに侵攻した米英の市民の責任だと言います。政府が記録しないなら、市民の手でイラクで死んだ市民一人一人を記録しよう。やがてこの戦争の被害者への賠償責任、戦争犯罪を明らかにできる時代が来る時のために、そして何よりも、殺された者への追悼のために。
2003年に始まったイラクでの戦争は、日本人にとって第二次大戦以降に世界各地で勃発したこれまでの戦争とは全く意味が異なる戦争です。日本政府は、開戦前の国連での緊迫した議論の最中に早々とアメリカへの支持を表明して侵攻を後押ししました。今もなお無条件に支持を表明し続けています。国際社会の反対を無視して、日本が戦後初めて直接に荷担した戦争です。
わたし達の政府が全面的に支持するこの戦争で、どれだけのイラク市民が命を落としているか、絶えずそのことに思いを寄せていたい。そう思ってIBCカウンターをトップページに設置しました。
参考までにイラクボディカウント(http://www.iraqbodycount.net/)のサイトから、「イラクボディカウントについて」と「イラクボディカウントを行う理由」を日本語に訳しました。興味のある方はご一読ください。
なお、米軍の死者の数は継続して米軍と国防総省によって発表されています。米軍支援の団体のサイトIraq Coalition Casualty Count http://lunaville.org/warcasualties/Summary.aspx が英国やその他の国も含めた集計結果を掲載しています。
(Web担)
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