お薦めの本 この一冊
『いのち』 永六輔(詩)坪谷令子(絵)(理論社1575円)
約40億年前に地球ができました。
約35億年前に生命が地球に登場し、
約20万年前に人間の祖先・ホモサピエンスが出現したのです。
あなたが生まれたのは何年前? あなたの子どもは生まれて何年目のいのち?
こんなこと、ふつうはあまり考えたりしませんね。
それを考えさせてくれる絵本が出ました。
阪神淡路の大震災をきっかけとして、永六輔さんが詩を書きました。明石市に住んで、惨状を目の当たりにした坪谷令子さんが、10年がかりでようやく絵を仕上げました。
いのちってどんな色? どんな形?
坪谷さんは悩んだそうです。悩んで、困って、10年がたちました。
ミツバチが、命がけで蜜をあつめます。その巣から採取した「蜜蝋」を使って抽象画を描きました。色が何とも暖かく、繊細な絵です。1ページずつ、まさにひとつのいのち!!
永さんが書きます。
ひとつひとつが いろいろないのち 同じいのちは ひとつもない
・・・・・・
いのちを食べて 大きくなるいのち
あなたのいのちを 私のいのちにさせて いただきます
・・・・・・
毎日、目を覆いたくなるニュースが伝えられます。地球上では戦争が終わりません。
いのち―――このままでいいのでしょうか?
この本を手に、おとなも子どもも、立ち止まって考えてみませんか?
(かざり) 2004年4月
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