お薦め絵本
「戦争のつくりかた What Happens Before War?」
リボンプロジェクト
何か最近の日本がとってもきな臭い。
「万が一の事態」のための有事法案の成立や、「人道支援」の自衛隊イラク派遣、言葉の意味さえよく分らない「周辺事態」や「集団的自衛権」の議論、拉致をめぐる北朝鮮バッシング、日本の常任理事国入り、「国際貢献」の大義。さてさて、どういう立場で何に反対していいのか、煙に巻かれてよく見えない。でも、何かが着々と変わって行く。
実はそれらのすべてが、周到に作られた大きなジグソーパズルの個々のピースだということに、この絵本は気付かせてくれる。もうずいぶんピースが完成し、組み上げた後の図柄が推測できるのに、大人は個々のピースの理屈にとらわれて全体を見ようとしない。
そのパズルの図柄はずばり 「戦争ができる国」。
「戦争ができない国」から「戦争ができる国」に変わるには、もうちょっと手続きが必要だけど、「戦争ができる国」から「戦争をする国」、「戦争をしなければならない国」に変わるには少数の政治家が判断するだけでいい。
将来、子供たちに「何で日本が戦争することになったの?」と聞かれることにならないよう、大人もこの絵本で予習しておこう。
(ひらた) 2004年8月
発行:マガジンハウス
定価:600円(税別)
こちらのサイトで無料のWeb版、PDF版が配布されています。
http://www.ribbon-project.jp/book/
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