メールマガジン「書く力、書く参加!市民ライター通信」のホームページです
投稿・批評大歓迎! 書いて発信する市民ライターみんなの広場です
| ホーム | 市民ライターって何だ? | バックナンバー | ポリシー | ご意見・ご感想をお送りください | 投稿募集中! | ブログ |
メルマガ購読の申込は
こちら!
購読は無料です
掲載記事索引

市民ライターどんどん
地球を見つめて〜なんちゃって
       ……かざりえみこ
コラム ★ライターズ・バトル★
    《おれのコラムが面白い!》
新登場! テーマ・コラム
    《ライター各様書き比べ》
脱サラ議員奮闘記
  …山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
       ……秋田おばこ
市民ライターのキモ
         その真実と技術
       ……吐山継彦
ライティング情報あれこれ
◇参加レポート「行ってきました」
◇三反農家の米作りノート
          ……平田泰史
◇わが町中津を語る
          ……霊崎(たまさき)
◇お薦めメルマガ勝手に紹介
◇お薦めのこの一本
◇ショートコラム
       この○○を誉めよ!

◇講座そのほか情報
(以下はいまなお工事中です)
◇投稿
◇編集後記
これまで発行した
全てのメールマガジンは
バックナンバーからご覧ください。
市民ライター通信より
2冊の本が出版されました!





市民ライターのキモ 〜 その真実と技術
                     
                                     吐山継彦
                             

(9) 「"リライト"とは何か」(2)

●筆者は、テープ起こしという作業が大の苦手である。とにかく時間がかかる。そのため、自分がインタビューをしたテープを他の誰かに起こしてもらうこともある。しかしながら、"馬鹿起こし"してもらったテクスト(原文)でさえ、起こした人の個性と知性が出る。

●テープ起こしをする人の聴覚の鋭さ、話の内容を把握する知性、さまざまなことに対する知識と情報、そして何よりも、人と人とが話していることを真摯に理解しようとする誠実な態度等々。テープ起こしもまた、その人の人間性を如実に物語る。

●だから本当は、テープ起こしはインタビュアーがするべきである。なぜなら、その場の雰囲気やインタビュイー(取材される人)のその日の機嫌など、実際にそこにいて取材した者以外に知り得ない情報が、テープ起こし原稿の質を決めるからである。だから私は、ライティングの分業、つまり取材者とアンカーマンによる仕事の分担は基本的には邪道だと考えている。週刊誌などの記事作成における分業制度は、いわば忙しさゆえの苦肉の策で、やはり本当なら、「取材者=記事作成者(アンカー)」であるべきだ。

●少し前に、新聞広告などでテープ・ライター(テープ起こし者)という職業があたかも現代の知的な仕事の最先端のように喧伝されていたことがあったがあらゆる分野についてのテープ起こしの専門家などというのは考えられない。

●考えてもみてほしい。テープ録音されるありとあらゆるテーマに精通していて、しかもそれを正確に文字に再生できるというのは尋常の技ではない。しかし、もしそれができるなら、その人は森羅万象に通じているわけだから、テープ・ライターではなく、学者か普通のライターになるはずだ。なぜなら、少なくともテープ・ライターよりもライターのほうが原稿料が高いし、学者にでもなったら、それこそノーベル賞だって狙えて、莫大な賞金を入手できる可能性もあるからだ。

●さて、テープ起こしだが、インタビュアー自身がやる場合、完全な"馬鹿起こし"は避けたほうがよい。つまり、一字一句のテープ起こしではなく、繰り返しや言い間違いについては省略したり、訂正したり、付け加えたりして、"半馬鹿起こし"にし、テクストのボリュームを馬鹿起こしの70〜80%ぐらいに縮めておくのである。つまり、テープ起こしの段階で若干のリライティングを加え、テクストの量をかなり減らしておくのである。

●馬鹿起こしと半馬鹿起こしの違いは、後者にリライティングという知的な作業が加わっていることである。リライトの過程で、必然的に文章は推敲されていく。文章の推敲は重ねれば重ねるほど良いから、その第一段階として半馬鹿起こしをとらえておくことだ。まだ文字になっていないテクスト(原文)としてテープ中の発言内容をとらえ、半馬鹿起こしによって知的作業(リライティング)を加えておくのである。

●だから、馬鹿起こしは他人に頼めるが、半馬鹿起こしは余程信頼できる人でないかぎり頼まないほうがよい。「適当に縮めながらテープ起こしを頼むよ」などとエエ加減に誰かに頼むと、後で何回も自分でテープを聞き直さなければならないハメに陥ることになるかもしれない。

 

著作権について | 個人情報の保護について | 私たちについて