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 連載エッセイ
 「地球を見つめて〜なんちゃって」
(7)
                                かざりえみこ

                                   2004年4月20日

鳥の声


 朝5時すぎ。窓の外でスズメがさえずりはじめます。寒い季節、朝が遅いときには6時半。それが次第に早くなり、6時になり、5時半になって。また早くなりました。光の色と温度でスズメたちには春がわかるのですね。

 スズメだけではありません。我が家に隣接する市の公園ではヒヨドリがもう甲高い声で鳴いています。今年は、ウグイスが来ないのが残念です。去年と一昨年は朝から来てくれたのに。お寿司屋さんが、挨拶代わりに言ってました。「今年はウグイス鳴かへんなー」と。鳥の声が待ち遠しいのは、私だけではなかったのです。クスノキの枝をバッサリと落としてしまったので、キジバトの巣が失われてしまいました。それからは、あの咽に引っかかるような鳴き声がひとつも聞けなくなりました。鳩は、カラダと態度のでかいドバトだけです。

 サザンカの花がある頃にはメジロが陽気に飛び回っていました。小さな体が弾むように花の間で見え隠れしていました。薄黄緑色の羽の色は、梅の花の周りではよくウグイスと間違われるそうです。声も姿も、見ていて飽きることがありません。

 ときおり、鋭い声を聞かせていたモズは、もう帰って行ったのでしょう。静かです。そのかわり、聞き慣れないさえずりが響きます。なんでしょう? アキニレの高い梢で長くのばした美しい声です。双眼鏡を持ち出してベランダで頑張っても、遠すぎて色や形が定かではありません。野鳥の図鑑を見てもわかりません。ひとしきり声がして、それから飛んでいってしまいました。

 誰かがエサを撒いてくれるたびに、ドバトは所狭しと群がって来ます。それが数年前まではカラスの声で一斉に飛び立ったものですが、最近はそんな光景は見られなくなりました。鳩はカラスがもはや怖くないようです。ハシブトガラスという名の通り、ビックリするほど太いクチバシです。人間だって襲われることがあるそうですね。そばをひっきりなしに電車が通り、車が通る街なかの公園です。保育園の子どもたちが、たくさん遊びに来ます。「鳩さんとかカラスさんの羽をひろってはいけませんよー」先生がまず注意を与えます。かわいい声が「はーい」とお返事をしてから遊びはじめます。

 私の大好きな地、丹波で、鶏たちがたいへんな目にあっている日々、公園の鳥たちを見ながら、物思いにふけった私でした。


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