連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(4)
かざりえみこ
2004年1月20日
太陰暦・年賀状の一行目
たくさんの年賀状をいただいた。
「初春のお慶びを……」「新春の……」「迎春」こんな一行を見ると、正月って本当に春なのかな?と、考え込んでしまう。正月イコール春。これは太陰暦の考え方をそのまま太陽暦に持ち込んだのではないか。雪の積もらない大阪でさえ、これからが寒さの本番。正月が過ぎると寒の入り。小寒につづいて大寒。字を見るだけでもふるえ上がる。
まして、雪国・北国ではこの時期に春なんてどこの話?これが本当の気持ちだろう。冬至からクリスマス、新年の祝いと進むのはヨーロッパの習慣らしい。中国、韓国、台湾、東南アジア各国、そして沖縄もいまだに太陰暦の正月を祝う。春節の爆竹音がテレビでもおなじみになっている。街頭ではしゃぐ人々の顔もうれしそうだ。
1月末から2月はじめごろには、実際に春がそこまで来ている。
12月も半ばを過ぎた頃、天気予報のおじさんが「冬至 冬なか、冬はじめといいますが……」と言っていた。 冬至を基準に一年を24等分して24節気が生まれた。新年になって迎えるその一つ目が春分。寒い冬のあとの春ほどうれしいものはない。
私が生まれ育った東北では昭和30年頃まで「正月」と言えば、旧正月のことだった。小学校2年生になっていたから、しっかりと記憶している。(あっ、年齢がバレたかな?)大人たちは「お日様が明るくなって、正月だね」などと雪の中で挨拶を交わしていた。
そう、光で春を感じていたのだ! その時、「新春」「迎春」「一陽来復」などのことばが輝きを持つ。新しい春を迎える気持ちで身も心もリフレッシュ。そして正月なのだから。
それではなぜ、明治新政府はグレゴリオ暦を採用したのだろう。ここには最近ちまたで話題の「陰陽道」が関わってくる。太陰暦は調べるほどに面白い。
まず手始めにこんなのはどうだろう。とてもわかりやすく書かれていて感心した。1章から10章まで、一気に読んでしまった。
『旧暦の仕組み』
http://homepage2.nifty.com/o-tajima/rekidaso/calendar.htm
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