連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(32)
かざりえみこ
2006年5月20日
肩書き、好き?
あるグループから講座の依頼がありました。子育てに関わる内容でしたから、引き受けました。担当の方から、講師プロフィールがほしいと言われました。
「なにわ語り部の会」の会員です、と申し上げたところ、会長さんですね? と、さも当然のように念を押されました。私は会長でも代表でもなくいわゆる一会員です、と申しあげたところ、ご不満のようでした。「お偉い方」に頼みたかったようです。
「代表」、以前にはそのような役もしましたが、20数年間をずっと会費を払い続けてきましたから、当番のようなものです。だいいち、ボランティアグループで、だれが偉いとか優れているは、ないと思っています。たしかに責任はありますが、できる人ができるときにせいっぱいやる、でいいのではないでしょうか。
数日して、募集チラシが届きました。 肩書き欄にちゃんと「なにわ語り部の会 代表」とあるのです。伝えたはずでしたから、なんだかとてもガッカリしました。電話のついでに、そのことを言いましたが、敬意を表して、と言われました。チラシを受け取る人たちはそんなこと知らないし、それより代表の方が聞こえが良いと言うではありませんか。
ことわざでも『鶏口となるも牛後となるなかれ』とか、『一国一城の主(あるじ)』などと言いますが、トップになって見栄えが良いのは、組織が縦割りだからではないでしょうか? 横並び組織なら、みんなで手を取り合える分、采配は不要になると思うのですがどうでしょう?
わが子たちが手を離れて行くにつれ、小さいときにこうしてやれば良かったのに、とか、シャカリキになっていたけど、今になればどうってことなかった……などということがたくさん見えてきます。知識ではなく知恵ですね。この知恵を子育て中の人たちに伝えていけたらどんなに良いだろうと思います。
そこへ、語り部の会で身につけた経験などを合わせて、子育て現在進行形の方たちに伝えていきたいと本気で思っています。
肩書きにこだわらず、話を聞いてみて中味で判断されるような講座をやりたい、とこのごろ強く思います。
「地球を見つめて〜なんちゃって」目次
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