連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(27)
かざりえみこ
2005年12月20日
この辺だけのことかしら?
タバコの害について、いまさらここで云々するつもりはありません。
ただ、最近気になることがあります。
駅に向かう道で、少し早く出かける朝にはきっと出会う人がいます。雨の日も寒い日もゴミ拾いのブリキのハサミとほうき、ちり取りを持って歩いています。駅に続く道沿いに腰を屈め、タバコの吸い殻を一つ残さず拾っています。自分のお店の前だけではなく、かなり長い距離を掃除してくれています。おかげで日中の道路はきれいなものです。
仕事の行き帰りの人たちでしょうか、朝夕に駅から来る人向かう人、とにかく最近タバコを吸っている人が多いのです。以前はこんなに多くなかったはずなのに、と。その代わりにホームや線路の吸い殻が目に余りましたが。
前を行く人がモクモクと煙を吐くと、片側には自転車がいっぱい、狭い道路のまん中は車が行き来する、仕方がない。追い越せないからその人のあとをだまって歩きます。運の悪い日は、後ろからもモクモク。同じ理由で私を追い越せないんです。 そうして、吸い殻は道路にポイッ、ポトリ……。朝の掃除前の道は吸い殻だらけ。これが見えてないのでしょうか?
私はタバコにウラミを持っています。
友人の連れあいはヘビースモーカーでした。狭いところで共に仕事をしていたので、受動喫煙から彼女は吸わないのに、肺ガンになって亡くなりました。またある友人は、これまたヘビースモーカーの連れあいと離婚をしたら、ひどい気管支喘息が消えてしまいました。他人に迷惑をかけて、自分だけ心が落ち着くなんて言って、どうするの?
最近、私が利用している電車の駅・ホームは全面禁煙となりました。
ところが、駅から閉め出されたスモーカーは、歩きタバコを始めたのです。それも、駅に着く前に、または家に着く前に、この一本を吸いきってしまおうと思うのでしょうか、やたら歩きタバコをして、吸い殻を捨てている、と推理しました。
どうしても憎まれ口になりますね。
この寒いのに道の掃除一つもしない上に、そんなに我慢できないタバコなら、せめて吸い殻くらいは持って帰ってほしいのです。「ニコチン中毒」なんて言わせておくから、目を付けられて、たばこ税を増やす、なんてことになるのです。税金くらい多めに払ってもらいましょうか。
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