連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(26)
かざりえみこ
2005年11月20日
冬の蚊
朝に台所に行くと、ガスレンジの下から蚊が飛び立ちました。追っかけましたが、叩く前に逃げられました。いつになってもすばやい敵です。
今は11月。もう間もなく冬というのに、まだこうして蚊がいます。たしか去年も冬に蚊を見ました。テレビの裏や、煮含めておいた鍋のあたりなどで、飛んでいましたから。今年も我が家で冬越しをするつもりのようです。暖かい場所を知っているのには驚きます。「蚊の越冬」は、珍しいことではないそうです。地球温暖化のせいもあるでしょうが、家屋の暖房設備の充実が理由とか。蚊のために、寒い部屋で過ごすなんてイヤですよ。
最近の蚊は、以前と違って一筋縄ではいかないと思いませんか?残暑が厳しかった9月の中頃のこと、自転車で走っているときに、腕に蚊がとまっているのを発見。片手で思いきり叩いて仕留めてやりましたが、もう少しで自転車ごとひっくり返るところでした。足を踏ん張って「敵」をよく見たら、なんとも小さい黒いヤツ! もしかしたらブヨ(ブユ、またはブト)かもしれませんが、つぶれているのでそれ以上の判定はできません。ヤブカ、イエカではありませんでした。
それからがたいへん。かまれたあとが、かゆい痒い、カユーイ!! 掻かずにクスリを塗り重ねたり、洗いなおしてアロエを擦りつけたり。夏の蚊ならそれでおさまるはずなのに、少しもかゆみが引きません。翌日になるとツベルクリン反応なら大変な陽性判定が出そうなくらい腫れてしまいました。そしてどんどん大きくなって、直径8センチの発赤。まん中に水泡ができました。どれほどかゆいか想像して下さい。
私は小さいころからたいがいの虫には負けない体質です。それがこのていたらく!
一体あの蚊はどんな悪いバイキンを持っていたんだ、とののしったりたたいたり。子どもだったら全身に熱を出したかも知れないくらい、腕が熱くなりました。腫れが引くのに2週間もかかりました。あれから2ヶ月たったというのに、腕に直径1センチほどの色素沈着が残っています。
蚊もクスリに対する抵抗力ができているのかも知れません。蚊は恐ろしい伝染病のウィルスを運びます。世界には3000種あまりの蚊がいてうちの80種が病気を伝染させるそうですが、犬のフィラリアから始まってヒトならマラリア、デング熱、日本脳炎、アメリカで怖れられていて、近い将来日本にも上陸すると言われているウェストナイル熱などには用心をしないといけませんね。
一匹の蚊は生きている間に1500匹の子孫を残すとか。
夏でなくても、蚊と人間の知恵比べですね。
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