連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(2)
かざりえみこ
2003年11月20日
落ち葉はゴミか?
我が家の南側が最近明るくなり出しました。というのも、日差しをさえぎるほど繁っていた公園のケヤキの葉が、黄色に変わってきたためです。しかも、そろそろ葉が散り始めているせいもあるのです。夜中にカサコソと落ち葉が『散る音を聴く』なんて、目で見るよりも風情がありますよ。
公園で毎朝ボランティアで落ち葉掃除をしているおじさんが、張り切る季節です。「暑うなし、寒うなし、ええ季節や」と言いながら、いくつもいくつもゴミ袋を積み重ねていきます。この公園は本当にきれいなんです。いつもゴミひとつ落ちてなくって。
私が仕事に行っている施設では、みんなで公園掃除をしますが、集めた落ち葉を持ち帰って腐葉土を作っています。ときどき水をかけたり上下を切り換えたりするせいで、ミミズがいっぱいいる、フワフワした土ができます。生ゴミで作った堆肥と一緒に花壇に入れると、いい花が咲きます。夏にはヘチマやゴーヤがたくさんなりました。ここでは落ち葉は大切な資源になっています。
近所に大企業の工場があります。『アメリカふう』という紅葉の美しい樹木が並んでいるのですが、毎年10月の末頃になると、この会社では枝を惜しげもなくバッサリと切り落としてしまいます。落ち葉どころか、みごとな紅葉どころか、裸同然の並木になるのです。毎日要るであろう落ち葉掃除の人件費を、ただ一度の枝打ちで済ますこの合理化!には、驚くばかりです。
ここでは落ち葉はゴミなんですね。
「地球を見つめて〜なんちゃって」目次
|