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 連載エッセイ
 「地球を見つめて〜なんちゃって」
(1)
                                かざりえみこ

                                   2003年10月20日

木はエライ 


 我が家は町内の一等地にあります。市の公園の隣です。夏。早朝からセミが鳴き、ラジオ体操があり、昼は子供がにぎやかで、ときどきボールが飛んできて、夜は遅くまで花火遊びがにぎやかで、においも煙も家に入ってきて、夜中はバカがボール蹴りをします。天気が続けば埃が舞い、家の中はザラつく。

 それでも一等地というのには理由があります。大きく育ったケヤキや楠が家のそばに立つからなんです。

 都会の木々は 土砂の流出を防ぐ 水源涵養 木材生産 防風林など大自然にある木の役割と比べるとちょっとハズカシイかな?

 でも、涼しい木陰を作ってくれるし、何より空気をきれいにしてくれるから、いながらにして森林浴をしている日々なのです。ときどき、枝が住宅に迫りすぎて暗いとか、落ち葉が樋に詰まるから、などの理由で公園事務所に電話をして、枝打ちをさせる住人もいますよ。でも、私と連れ合いは、うちのそばは切らなくていいよ、と声をかけたりして。

 考えてごらんなさいな。

 ふつう人間は1年間に200キログラム以上もの酸素が必要なんですって。酸素を吸って炭酸ガスを吐く。木は光合成で(むずかしいことは自分で調べよう!!)炭酸ガスを吸って酸素を作る。手元の資料には、常緑広葉樹林(楠、シイなど)1ヘクタールで年間22±6トンの酸素を放出する。スギ林なら22±7トン、落葉広葉樹林(ケヤキ、ブナ、サクラなど)なら10±4トンって載ってます。

 酸素を出すばかりでなくって、毒性の高い空気中の有害物質、たとえば亜硫酸ガス、煤煙、硫化水素、オキシダントなど数え上げたらきりがないほどの物質を木の葉に吸着してくれるんですって。木はすごい。木はエライ。

 私が元気なのはもしかしたら木のおかげ?

 公園の木の下で、深呼吸をすると、肺から脳までリフレッシュした気分です。


   
 

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