連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(19)
かざりえみこ
2005年4月20日
野草を身近に
春です。冬の厳しさから解放されて、植物も動物もいのちが蘇ったようにイキイキとしています。一番はしゃいでいるのはニンゲンではないでしょうか? 街にも野山にも、人、ヒト、ひと……。夕方には遊び疲れたニンゲンの顔がたくさん、電車にあふれています。 ちょっと休みたいな〜、と思ったら、疲れすぎないうちに休みましょう。冬の緊張から解放されて、春は疲れが出やすいんですって。
ところで、疲れをいやすにはいろいろな方法がありますね。私は、『野草と友だちになる』をおすすめします。野草やハーブは奥が深くて、専門家が本を書いたり、講座を開いたりしていますが、私が実行しているのはとっても簡単です。誰でもまねができますし、心がリフレッシュします。親しくなるにはまず名前を覚えましょう。これはニンゲンも野草も同じ、ね。名前を覚えたら気になるでしょう?
手はじめに植物園や野原を散策しましょうか。好きな花を見つけたり、匂いをかいだり、可能ならさわったり、絵を描いたり。 鉢植えでいいから、好きな草花を育ててみるのもおすすめです。今の季節は、種まきに最適。ガーデニングのお店に行けば、けっこう野草や、ハーブ類、またそれに近い物があります。種をまいて、または買ってきてそばに置けば、きっと水をやったり、観察をしたりするはず。花は正直で、目を掛けてやると、必ず応えてくれます。忘れたり無視したりすると、結果は明らか……。
小さくてもいいから植物図鑑で調べましょう。有毒か否か。薬用になるのならどんな効用があるのか。オドリコソウやクローバーの蜜をなめると、自分がミツバチになった気分になります。カキドオシやミントの葉を一枚、コップに入れて熱湯を注ぐと、とてもいい香りのハーブティーが出来上がり。カキドオシは『かんの虫』に効くとか。少しの蜂蜜を入れて、ふうふういって飲む。忙しい合間に、しばしの間、香りと味わいを楽しむと、胸がスッとして、気分がよくなります。
そのうちに、虫との格闘も始まります。それが農薬汚染の諸問題を知るきっかけになるかもしれません。野草を摘んだ場所を、自然破壊から守ろうという気持ちにもなります。楽しい草花遊びを子どもたちにも教えたくなります。ここからコミュニケーションも広がって……。
「地球を見つめて〜なんちゃって」目次
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