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市民ライターどんどん
地球を見つめて〜なんちゃって
  ……かざりえみこ
コラム ★ライターズ・バトル★
  《おれのコラムが面白い!》
新登場! テーマ・コラム
  《ライター各様書き比べ》
脱サラ議員奮闘記
 …山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
  ……秋田おばこ
市民ライターのキモ
  その真実と技術
    ……吐山継彦
ライティング情報あれこれ
◇参加レポート「行ってきました」
◇三反農家の米作りノート
   ……平田泰史
◇わが町中津を語る
  ……霊崎(たまさき)
◇お薦めメルマガ勝手に紹介
◇お薦めのこの一本
◇ショートコラム
   この○○を誉めよ!

◇講座そのほか情報
(以下はいまなお工事中です)
◇投稿
◇編集後記
これまで発行した
全てのメールマガジンは
バックナンバーからご覧ください。
市民ライター通信より
2冊の本が出版されました!





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☆★☆★
★☆★ 書く力、書く参加!
☆★
★          市民ライター通信
☆ 2006.1.20
-------------- http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/  ★ 第28号★☆★
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■まいど おおきに!■

 2006年が始まりました。本年もよろしくお願いします。新年の景気づけにうれしいご報告をしておきます。「市民ライター通信」の中の2つのコラムに対して本の出版の話がきています。「どのコラムだと思われますか?」編集委員会でも、皆様に正式にご報告できる日を楽しみにしております。
 今回は、これまで躊躇されていた陣内さんが、勇気を出して初めて投稿してくださいました。新しい世界を開く一歩に、あなたも是非ご投稿ください。

///////////////////■□■ も く じ ■□■////////////////////

【1】市民ライターどんどん   
     淀川アート見本市をご紹介します  ……………… 味方 慎一
【2】地球を見つめて〜なんちゃって(28)   …………… かざりえみこ
【3】交通事故にあった!そのとき(5)
   相手はプロ、こっちは初心者ど素人  …………………… konkon
【4】脱サラ議員奮闘記 (27)    ………………………… 山根 一男
【5】連載小説「はからめ」その4    ……………………………… 雅代
【6】市民ライターのキモ/その真実と技術 (24)    ………… 吐山継彦
【7】今月のウフフフ・・・    ……………………………… 風・陸の鰯
【8】秋田弁だば まんず おもしれー    ………………… 秋田おばこ
【9】ポエムとポリシー 「いいことがありますように」  ……    小山良弘
【10】投稿  詩二編  ………………………………………… 陣内三朗
【11】編集後記

                     
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■【1】市民ライターどんどん(24)   ★彡☆彡
□           ☆彡
■        味方 慎一(NPO法人淀川アートネット)   ★彡
□                  
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           ◆ 淀川アート見本市をご紹介します ◆

見本市って?
ライター通信12号(2004年9月発信)で松田さんが投稿なされた「市民の手で行動と発信を・淀川アート見本市」のことです。1年以上も前なのでみなさんの記憶も大分薄れていると思うのですが。

このときの投稿では第1回の見本市の前であり、この号では第2回が終わった時点です。というわけで過去2回の見本市開催を通して感じたことをお話します。

12号寄稿からの抜粋
「大阪の母なる川・淀川に接する三つの地域、すなわち東淀川区、淀川区、西淀川区には、それぞれに多様な文化活動をしている人がおられることでしょう。そんな人たちが一堂に集まりお互いに知り合う、交流をはかることで、さらに大きな文化の輪を広げたい、地域のみんなと力を合わせて豊かなまちづくりにつなげたい、地域と文化・芸術が一体となって、新しい発信源となりたい……。
そんな思いでこのたびアート見本市を企画しました。」

今時点では、かなりいい線をついた企画だったように思っています。今後にむけて確実に定着していくようなイベントになるでしょう。
「それぞれ」が「みんな」を意識した時点から、異なった価値軸が生まれるし、意外性もあり興味が膨らんでいきます、それぞれが気付く新たな発見もあります。まあネットワーク化の原点みたいな・・・抽象的でなんのこっちゃですが、具体的には「NPO法人淀川アートネット」のHPをご覧下さい。 http://www.yodogawa.info/index.html

ところで、この見本市では淀川縦断寄席も開催しているのですが、第二回では舞台ステージ上でおこないました。
☆ 真打登場! では幕が下ろされます、では笑福亭仁勇さん どうぞ〜?? 幕が下りたら始まる?? なにこれ!!

さて「どんなステージなのでしょう」
クイズ正解の方には第三回のご招待券を差し上げます。

これが「淀川アート見本市」なのであります。


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□                          ☆彡
■【2】 地球を見つめて〜なんちゃって(28)    ☆彡
□                    ★彡   
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                 ◆  「黄砂」 ◆
                                         かざりえみこ      
 かつて中国の北京に住んでいた人が、黄砂の恐ろしさを語ってくれたことがありました。
 砂あらしが襲ってくるときには、まるで日本の台風並みとか。農作物の被害も甚大。健康にももちろん悪いし。
 近年、中国では砂漠化がとみに進んでいることもあって、大規模な調査研究が始まったところだそうです。日本では、立春がすんで幾日もしないころ、きまって各地に「春の使者」などと呼ぶ黄砂が降ります。以前よりもその量が多くなってきていることもあって、地球温暖化との関係などと合わせて、日本でもくわしい調査研究が進められているようです。

 私が子どもの頃には「黄色い雪が降ると春が来る」と言ったものでした。毎日、雪の上に新しい雪が積もって、それと気がつかないでいるとき、スコップで縦に掘ってみて、うっすらと黄色い層に初めて気がついて歓声を上げました。中国の西北部から数日かけて4000キロメートルも飛んで来る黄色い砂が不思議でたまりませんでした。
 今では洗濯物が汚れるとか、車が汚れるとか嫌われ者のようですが。

 国立環境研究所の
<http://www-cger.nies.go.jp/cger-j/c-news/vol10-9/vol10-9-1.html>
に21世紀の地球環境を左右する中国の大気汚染の現状について
佛教大学社会学部 溝口 次夫教授の論文が掲載されています。

 それによると中国の大気汚染はすごいもののようです。それがそのまま偏西風に乗って日本に届くわけです。時には酸性雨の原因となって……。

 黄砂自体は砂漠の砂ですから、炭酸カルシウムが主な成分で、アルカリ濃度の高いものだそうです。それが飛行途中で酸性雨の原因物質を吸着する効果があるとか。日本の場合は、黄砂による直接の汚染と、黄砂が酸性雨の被害を軽減しているこのプラスとマイナス両方があって、黄砂が良いとか悪いとか、急いで軍配を上げることもできません。

 今年も「春の使者」は間もなくやってくるでしょう。新聞やテレビなどでどのように報じられるか、注目してみませんか?


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◇                        ★彡☆★    ★彡
■【3】事故にあった!そのとき(5)
◇      相手はプロ、こっちは初心者ど素人
■                     ☆彡
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          ――保険は被害者のためならず――
                                         konkon

 こちらに非がなく100%相手の責任というのもいい面だけではない。加害者が保険で支払うときめると、補償金・賠償金の支払いは保険会社になる。そうなると、加害者側は示談交渉などには顔をみせなくていいし、利害の一致するプロが代行してくれるので心配もない。交通事故の保険は、被害者のためではなく加害者のためにあるといっていい。

 一方、被害者側は本人や家族が直接これに当たらなければならない。保険というのは過失に対しての仕事なので、過失ゼロだとこちらに担当者、つまり保険のプロはつかない。保険会社が相手なのだからハンディは大きい。対抗するには相当の覚悟と策がいる。こちらは生活が懸かっているのだから全力で闘う必要がある。そこで、

 ★箇条書きでいいから、事故後の毎日を克明に記録しよう。
       記憶はすぐに薄れる。事実を詳細に提示できると強い。
       事故によってどんな不利益を受けたか明確になる。
  領収書は、医療費だけでなく総てメモをつけてとっておこう。
       後日、請求すれば支払ってもらえる可能性大。
  出来るだけ情報を得る。
       ネットや本、いろいろな人の話。情報は多いほどいい。
  交渉は本人が当たるより、夫や親、親戚・友人など信頼できる人がいい。
       冷静で、毅然とした態度で臨めるひとに頼もう。
そして、
必要と思うことは、遠慮しないでその都度要求することだ。断られても諦めないで、粘り強く何度でも交渉しよう。
 
 我が家で問題になったのが、手首の骨折と両膝の靭帯損傷による歩行困難からできなくなった、毎日の大型犬の散歩と買物などの家事である。しばらくは知人と家族が頑張ってくれたが限界がある。負担が大きく疲れ果てて家族間が
ギクシャクしてきたので、ヘルパーの派遣を交渉した。
 私が担当に、夫が所長に電話で話をしても、気持ちはわかるがとても無理と拒否された。それでも、夫が直談判して粘り強く訴えた結果、ギブスをしている間の数日間ヘルパーに来てもらうことができた。

 費用は保険会社が全額支払った。ヘルパーの料金は一般家庭が支払うには高額すぎて、我が家の家計ではとても賄えない。もちろん、担当者には感謝の気持ちを伝えた。担当者とは敵対しないで味方につけよう。

 素人には、相手の保険会社からの申し出が普通なのか悪いのか、かなりいい線なのか皆目見当がつかない。経験も知識も目安もないので自信が持てず弱気にもなる。
 そんなときには、臆さないで弁護士に相談するのもひとつの手だ。30分の相談で五千円が一般的。五千円で世間の賠償・補償の相場がわかり、加害者側の言い分が一般的なのか、訴訟を起こすほど悪質かなど判断できる。そうすると随分交渉がしやすくなる。
「弁護士と相談してから返事をします」というだけでも形勢が有利になることもある。ど素人と侮っていたら、バックを擁して本気で闘う気なのかという感じなのだろう。保険会社が、訴訟よりは要求を呑んだほうがいいと判断すれば要求が通る。 
 
 同じ加害者による同じ事故にあったとしても、被害者の救済は一定ではない。やられ損だと泣いてる場合じゃない!
                                 ……次号は最終回


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□【4】 脱サラ議員奮闘記 (27)             ◇◆◇◆◇
■         山根 一男(岐阜県可児市議:48歳)
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                  《再チャレンジ編8》

7月20日(日)21時から開票作業は始まった。ここまで精一杯やってきたし、十分手ごたえもあった。しかし、特定の地盤や後援組織を持たない私にとって、まったく票は読めない。選挙は、ふたを開けるまで分からないというのが現実だ。議席は24である。落選する5人に入っていなければ当選ということになる。

 21時35分、最初の開票結果が発表された。1332票!なんと16位だ。思わず歓声が狭い選挙事務所にひびきわたる。電子投票なので、30分ごとの段階的な発表ではなく、いきなり最終に近い数字が出た。

 誰もが当選を確信した。ただ、落選した9ヶ月前の補欠選挙のときと違って、今回はいろいろな人が詰めかけてくれている。小学校のPTAの若いお母さんたちや、東京や大阪から応援に来てくれている学生たち、地元で選挙運動を支えてくれたメンバー。一気にお祭りムードになった。皆がほんとうに喜んでくれている。ただ、自分が一番嬉しいはずなのに、妙に冷静であった。当確が出るまでは信じられなかったのだ。

 しかし、程なく最終結果だ出た。1418票、不在者票が入って20位に落ちたが当選は確実となった。ここまで一緒に、選挙戦を盛り上げてくれたメンバーや、投票結果を見てお祝いに駆けつけてくれた皆さんに、心からお礼のあいさつをした。ひっきりなしにカメラのストロボがたかれた。ビールかけでもしたいようなムードだったが、あいにくアルコール類は一切なしだった。

 今まで、当選することだけを目標につっ走って来た。いざ、当選してみるとこれからどうなってゆくのか想像できない。頭がまっ白になった。ただただ自分の中で、何かが変わり新しい人生のステップを踏み出すのだという実感でいっぱいだった。

 間もなく夜遅いというのに、市の助役が当選証書と市長から祝当選と書いた大きなポスターを届けに来られた。これで間違いない。思わず万歳三唱となり、私の体は宙に舞った。ついにやった!選挙で当選することがこれほど嬉しいものだということを身をもって知った。何より応援してくれた皆の笑顔が素晴らしい。若い人、年配の人。遠くから来てくれた方、近所の方。自分を唯一の接点として、昨日まで全く他人だったような人たちが、ひとつの輪になって喜んでくれている。やはり選挙は勝たなければいけない。

 翌日、早速当選証書授与式があった。24名の当選者のうち、新人はわずかに三人だ。現職はやはり強い。全く予想外だったのが、補欠選挙のときから私のことを応援してくれ、今度は一緒に会派を組もうね…と言っていた、市民派女性候補が落選してしまった。26位で最下位当選者に55票届かなかった。

 もうひとり、補欠選挙のときは全面的に応援してくれた32歳の若手候補は664票でかなり及ばなかった。結局、確とした地盤を持たずに、不特定多数の市民の票を期待した市民派候補三人のうち、当選したのは私だけだった。

 本当に選挙というのは水物だ。ふたを開けるまでわからない。ただ、きっちりと地元代表として地域の票を固めたひとは危なげなく当選している。地域にどっぷりと根をおろし、ボーダーラインの1350票あまりを確実に確保できれば確実に当選できるのである。

 やはり可児市のような10万人にも満たない地方都市では、地区割選挙がまかり通っている。唯一の誤算は32歳の若手候補が出た今渡地区で、これまでの現職二人のうち、一人は最下位当選、もう一人は次点となり35票差で落選してしまった。

 私は唯一の例外かもしれない。ただ、純粋に市民派を応援する票だけではとても当選できなかったと思う。1418票で全体では20位ではあったが、最下位当選者とは57票しか変わらないのだ。何か条件が変わればこれくらいの票差はすぐに逆転してしまうだろう。

 やはり若葉台という大票田に住み、現職の小学校PTA会長であるということが有利に働いたのだろう。全候補者中、三番目に若かったということもあるかもしれない。何よりも9ヶ月前の補欠選挙に出て4952票もらっていたことが大きいのかもしれない。いずれにしても、恐らくどの条件がひとつ欠けていても当選はおぼつかなかっただろう。

 本当に当選できたことは奇跡に近い。まずは、私を押し上げてくださった1417人の方の期待に応えていかなければ次はないと心に誓った。さあ、今日から新しい人生が始まる。                     
                              再チャレンジ編終わり


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★                ★彡    ★彡         
☆【5】連載小説はからめ(全6話) その4     ★彡     ★彡
★                           ☆★☆★彡
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前回お読みでない方は→
      http://mmwriter.seesaa.net/article/11570692.html
                                           雅代

「おもしろい葉っぱだね。それより、あなたはおもしろい人だ」
 こんどは老人の番だった。てのひらで頬から口元を撫でるような仕草で始まった。

 あのねえ、毎月第一火曜日には、高槻市の大学病院に心臓の検診に行って、ついでに薬をもらってくる。ええー、そう、ふつうは、息子の嫁サンが車で連れて行ってくれるのだけれどねえ、ときどきはお稽古や、同窓会があるそうでね。そうそう、あのね、おじいちゃま、朝から出なければいけませんので、電車で行ってくださいね、って、ええー、こうして梅田まで送ってくれる。よくもまあ、同窓会ばっかりやるもんだ。何の同窓会だろう。

 大きく息を吸って吐くとまた続ける。あごを引いて、ええー、とうなずいている。

 でもねえ、あなた、さいわい、今日は体調がよくてね、ええー、気分もいい。あのねえ、本当のこと言いましょか。そう、私はじつは胸にかなり大きな動脈瘤を抱えててね、ええー、破裂したときは、そう、一巻の終わりなの。もっとも、ね、ええー、それこそ望むところですけどね。ああ、電車はこうして乗るとけっこう楽しいものなんですなあー。そう、あなたのような若い女性と隣り合って、非常に楽しい。まことにいいものだ。

 声を出し続けるほどに、調子が上がってくる。
 若いときには人前で話す職業だったのかも知れない。合間に幼な子のようなうれしそうな表情をする。最初はくぐもった声が、窓の外で時折すれ違う電車の音に消されて聞き取れなかったのに、しだいになめらかな声になった。

 興奮して、その動脈瘤とやらが破裂しはしないのだろうか。そんな時限爆弾を抱えた老人を、ひとり電車に乗せてしまう嫁サンもいい度胸だ。小耳に挟んだ私はかえって気になる。行く先はなぜか偶然に同じ高槻市駅。どうぞその間は何ごとも起こりませんように。私はそんなことを念じた。

「それはそうと、そう、そんなにおもしろい葉っぱ、わたくしが一枚を所望してもあなたにご迷惑をお掛けするようなことにはならんかな」

 にわかに慇懃な物言いになったかと思うと、早くも手のひらを突き出してきた。たなごころは赤みがかり、細い指は白っぽい。柔らかそうな手だ。今までどんな固いものを持ったことがあるのだろうか。

 私はトランプの数字を見定めるように何回か手の中で葉を繰ってから少しでも大きな葉をえらぶと二枚をその手に乗せた。

                                      ……つづく


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■【6】市民ライターのキモ/その真実と技術 (24)    ◇◆◇◆◇

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               ■ 文字数を守ること ■
                                       吐山 継彦

▼原稿を依頼されると、ほとんどの場合、「四百字詰め三枚でお願いします」とか、「だいたい三千字をめどに書いてください」など、文字数の制限がついまわる。かつてぼくがたくさんやっていた採用PRの仕事などは、「十三文字六十行で、二本小見出しを立ててください」といった非常に細かい注文が出される。

▼採用PRというのは、バブル期に各企業が争って人材を募集したから、就職情報誌が乱立し、企業紹介記事の需要が爆発的に増えた時期があったが、そういう情報誌の仕事や、企業の入社案内、会社案内の類の仕事だった。ああいう雑誌やパンフレットは、デザイン先行で編集されるから、原稿を依頼された時点ですでに誌面の割付が決まっており、ボディコピーはもちろん、タイトルやリード、小見出しの文字数まで制限される。そのため、コピーライターはその文字数を前提に文章を書かなければならない。

▼ぼくはこの仕事でずいぶん食わせてもらったから、文字職人として、文字数を守るのは当然だと思ってきた。なぜなら、雑誌やパンフレットの編集は協働作業であり、編集者とデザイナー、そしてライターが協力し合わないといいものができないからである。

▼しかし、ごくたまにだが、大学など学術機関やNPOの書き手の中に文字数を守ることにほとんど意を用いない人がいることに気がついた。おそらく、その人たちは、自分が言いたいことが有り余っているので、仮に千二百文字という制限があっても、それだけでは思いが伝わらないのだろう。しかし編集の現場では、これには往生する。

▼今までいちばん困ったのは、ある研究者が文字数制限の三倍の原稿を書いてきたときのことだった。もちろんそんなものは論外だから、バッサバッサと削って三分の一に減らしたが、千二百字のところを千四百文字書いてこられても困るときは困る。紙面に使う写真の枚数を減らしたり、リードを縮めたりして調整できる場合はいいが、ほかの原稿との関係でどうにもできないこともあるからだ。

▼新聞なども字数制限があるから、新聞記者はよく「十二文字で百行の記事」というような言い方をする。ぼくはしかし、字数制限のあるのが嫌いではない。そのほうが文字職人としての技量を発揮できる気がするからだ。純文学系の作家や論文を物する学者は、無制限で自由に書けることを望むかもしれないが、制限のあるなかで、きちんと編集者、レイアウターの注文どおりに納める快感もある。

▼市民ライターたるものは、文字数をきちんと守る習慣と技術を身につけたい。なぜなら、市民活動の広報誌やホームページづくりは小グループによるコラボレーションだから、ひとり基準を守らない人がいると、みんなに迷惑がかかるということもあるし、なによりも、制限のあるなかで書いていくことがとてもよい文章の修行になるからだ。

▼だからぼくは、長すぎたり短すぎたりする他人の原稿を直すのがイヤではない。長すぎる原稿は、無駄な部分を削っていけばよいわけだから、推敲の練習になるし、短すぎる原稿は、逆に足りない部分、つまり説明不足や情報過少を補って読者によりわかりやすく加筆するのだから、これもとてもよいライターとしての勉強になる。


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□                         ☆彡
▼【7】今月のウフフフ・・・               ☆彡
□                       ☆彡       ★彡
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                   ■ 忘れ物 ■            

はしゃぎながら飲んだり食べたりの男子高校生たちと電車が一緒でした。
終点の駅で、彼らは空っぽの容器をおいたまま出口に向かいました。
それを見過ごしできないこのオバチャン、
「あっ、お兄ちゃんたちぃー、だいじな忘れ物よ」
と声を掛けました。心臓ドキドキ。袋だたきに遭うかな?
ところが、いっせいに振り向いたと思ったら、ひとりがあわてて、
「あっ、ほんまや」
と、車内に戻ると全員がつづいてゾロゾロ。
手に手にゴミを持ってふたたびにぎやかに降りていきました。
なんのこっちゃー。このオバチャン、危うくひっくり返りそうでした。
                                     (風)

                  ■ 退職金 ■

「お父さん、この記事読んだ?団塊の世代が手にする退職金は81兆円だって!」

仕事から帰宅した娘が居間で新聞を読みながら大声で言う。
「そうらしいな。僕らの世代が社会を動かしてきたんだからな。数は力なりや」

食卓でビールを飲みながら応える父。
「どうりで近頃、わたし達の世代をおだてるようなコマーシャルや雑誌記事が多いのね。」
台所で小声でつぶやく妻。
                                   (陸の鰯)


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■【8】「秋田弁だば まんず おもしれー」(秋田おばこ編) ☆彡
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               ■ アネコムシと大雪 ■  
                                       秋田おばこ

日本海側の各地は、大雪で新年を迎えました。
昨年初冬に、秋田に行く用事がありました。
「アネコムシ えっぺ えで 冬なれば 雪 なんぼが降るだか」
とみんな口々に心配していました。
その通りの大雪になりました。

自然の生きものと地球との深い関係は見過ごしにできないと言われます。
たとえば、ナマズや池の魚が騒いでいると思ったら地震が来た、というように。

でも、都会に騒々しく住んでいると、見逃してしまいがちです。

いまどき、こんなことばを聞くとは思いませんでした。
秋田ではことばだけではなく、くらしもゆっくり!

ちなみに、アネコムシはカメムシのこと。別名「ヘッピリムシ」とも
関西ならカメムシは臭い臭い「ヘッコキムシ」ですね。 


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□                    ☆彡      ☆彡
▼【9】ポエムとポリシー              ☆彡
□                        ☆彡
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日常生活の身近な題材をセンチメンタルとロマンチズムとリズムを大事にしながら作ったものです。

    ◇ いいことがありますように ◇  
                          小山良弘

   志があった
   強く、かしこく
   憧れていたものがあった
   仲間と、愛する人
   目で見つめ耳で聞き
   このかおで生きている
   人生は一度だけ
   一番悲しかったこと
   一番嬉しかったこと
   忘れない
   いつか・・・
   いいことありますように

   希望があった
   夢と、ときめき
   求めていたものがあった
   喜びと、幸せ
   手で触れ足で歩み
   このからだで生きている
   人生は二度ない
   一番苦しかったこと
   一番楽しかったこと
   忘れない
   いつか・・・
   いいことありますように


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□             ☆彡  ★彡  
■【10】投稿                   ☆彡     
□             ☆彡  ★彡☆彡
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

                  陣内 三朗 
   ◆ 詩をつづる。◆

   わきあがる思いを
   言葉にするここちよさ
   詩は私の表現手段
   感動を言葉に変える
   喜びを言葉に変える
   ただ素直に
   わきあがる思いを
   表現する
   詩を愛し
   詩をつづる


   ◆ ごめん ◆

   「ごめん」と言えない時がある

   ごめんと言った方が
   ずっと楽なのに
   素直にごめんと言えない時がある

   でもいつかは言おうね

   小さな声でいいから
   「ごめんなさい」と

   そしたら
   スーッと楽になるから


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★【11】 編集後記                     ★☆★
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 インターネットのオンデマンドサービスのおかげで、海外の番組を容易に見聞きすることができるようになった。アメリカでは、テレビのパーソナリティ、オプラ・ウィンフリーが 『Oprah's Book Club』をネットで提供し、自分の番組でも本の紹介し、書籍売り上げに大きな影響力を持つようになっているそうだ。また、英国のBBCの提供する内容の豊富さと幅の広さは見て驚くばかり。
批評、作者とのインタビューや作家を囲んでの討論、名作の朗読などなど本に関するだけでもいくつものの番組がある。 「最近人が本を読まなくなった」と嘆く前に、本を読む楽しみ方を提供してくれる番組が日本でも出てくれればと願っている。       (最近のテレビはおもしろくないと思っているスー)
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このメルマガは、市民ライターの情報発信の場として、「市民ライター養成講座」(大阪ボランティア協会主催)の修了生が、講師・チューターの協力を得て運営しております。
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■書く力、書く参加!『市民ライター通信』■
    編集:市民ライター通信編集委員会
    編集者:近藤鞠子   発行者:吐山継彦
URL: http://www2.ocn.ne.jp/~mmwriter/
 ★☆★みなさまの投稿をお待ちしています。★☆★
       E-mail: mm-writers@abelia.ocn.ne.jp

●「市民プロデューサー通信」の購読もよろしく!
⇒http://isweb25.infoseek.co.jp/business/capnews/index.html
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