連載エッセイ
「地球を見つめて〜なんちゃって」(64)
かざりえみこ
2009年1月20日
ウシと牛と丑
1月も半ばを過ぎると、さぞかしエネルギーを注いだ(であろう!)年賀状も、机に無造作に積んだのが邪魔になってきます。いま始まったばかりの2009年が、いよいよ終わる頃になると、これがまた必要になりますから、大切に置いておかなければいけません。
自らの手による版画や、かわいい孫、子ども、ペットまで、またはぎっしりと自筆で埋めた近況報告まで、1枚ずつ見直していくと結構おもしろいものですね。ウシ年のウシというのを「ウシ」「牛」「丑」と表記しますが、違いを確認してみました。
「ウシ」とするのは、技術や学術用語で生物の名前を表すとき。たとえばヒト、ネコなど。ウシの反芻胃は小学校の理科で習ってなぜか覚えています。
むかし我が家の近所に農耕用にウシを飼っている家があって、珍しさによく見に行きました。おかげで「牛のよだれ」とか「牛の小便と親の意見は……」などの意味が、子ども心にもよく理解できたものでした。「牛」は一般名詞の「うし」で訓読み、音読みでは「ぎゅう」となります。会話の中では場面にもよりますが「ぎゅう」と言えば、ある時には「牛革」で、またあるときは「牛肉」にもなります。牛乳のことは「ぎゅう」といわないのは、他の動物の乳を飲む習慣がほとんどない日本だからでしょうか? 牛の胃は、焼き肉屋さんでミノ、ハチノス、センマイ、ギアラなどと呼ばれていてそれぞれに、反芻胃の第1から第4までの順番です。もともと腐敗しやすくて「放るもん」だった内臓を、長時間ゆでたり水洗いしたりして食用にした中国・韓国・朝鮮系の食べ方を取り入れたものとか。若いときは私も焼き肉をおいしいと思いましたが、このごろはなぜか苦手になりました。
「丑」はおもしろい字で、文字そのものは牛とは関係がないとか。手の指を曲げてものを握る様子を表した象形文字で、つかむ、からむ、と言う意味があるとか。
Wikipediaによれば、
・丑年は、西暦年を12で割って5が余る年が丑の年となる。
・丑の月は旧暦12月
・丑の刻は午前2時を中心とする約2時間。
・丑の方は北北東よりやや南寄り(北東微北)の方角である。 とあります。算数に弱い私にはたとえば適当な西暦年を書いて、それを12で割って余りが5になれば「丑」年だといわれても、なんで? となるのですが、陰陽五行思想に基づいたとなると、とたんに興味が湧いて、ネット上であちらこちらとしばらく読みふけっておりました
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