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 連載エッセイ
 「地球を見つめて〜なんちゃって」
(65)
                                かざりえみこ

                                   2009年2月20日
子どもの可能性を信じて

                                 
 
1月22日の新聞やテレビニュースは、全国体力テストの結果について、大阪は、先に発表された全国学力テストの成績も思わしくなかったところに、この体力テストもよくなかったことで、マスコミは面白おかしく橋下府知事の発言を報じています。見出しで、毎日新聞は「大阪どないなってんねん」ですし、山陽新聞は「両方悪かったら何残る」です。こんな一面的な見方で責められたら子どもが気の毒です。

両方悪かったら何にも残らない? いいえ、人間は体育と勉強だけではないのです。音楽・美術・表現ほか、見えない心の中までいろいろとあるでしょう。ひとつ紹介します。私の友人たちで、地域活動として子どもたちに絵本やおはなしの楽しさを伝え続けているグループがあります。地域の子どもたちが「おはなし会ジュニア」となって幼児や高齢者にお話を語ったり、絵本を読んで聞いてもらうのです。そのためには、読み方や話し方、声の出し方などを練習しなければいけません。大阪市内のある区で大人と子どもが練習のプロセスでふれ合う、そんな場を作ってしまったのです。

ある日、練習を見せてもらいました。休日の朝から、現役の絵本やお話のボランティアたち数名が世話役になり、十数人の小学生が集まりました。それぞれが選んだ好きな絵本を持ち寄って、自分とは違う小学校の仲間や、世話役の大人たちの前でうれしそうに発表しあう姿は、勉強や体育の「評価」が入り込む余地のない世界でした。家庭で練習を積んできたことや、家族の励ましがあったことが、その場の私には手に取るようにわかります。私も絵本ボランティアをしていますが、私ならおそらく手に取らないであろう絵本を、彼らは現代っ子らしい感覚で、いささかはにかみつつ、しっかりと読んでくれるのです。10回コースのうちの8回目とか。明るく健康的で新鮮な感動を覚えました。

本番にはきっと大きな拍手をもらうでしょう。恥ずかしがり屋さん、なまいき盛りクン、高機能自閉症といわれるにぎやかクンも一緒になって、発声練習から始まり、発表の練習などに取り組む姿を見ていると、子どもと大人の関わりはスポーツやイベントに限らない、学校だけが子どもを育てる場でもない、こうして大人と子どもの信頼を築きながら続けられるのだなどと、いくつものことを再認識したひとときでした。子どもの隠れた可能性を信じ、大人になってからの自分を支えてくれるかも知れない『誇り』を育てるためには、遊んでやるだけのイベントの時代はもう過ぎたと痛切に感じました。

「地球を見つめて〜なんちゃって」目次   

 

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