☆ オバチャマは市民ライター
オバチャマ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ (6)「富士山」は世界遺産になれない! 2006年9月20日
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日本にも世界遺産はいろいろあるけど、自然文化遺産はというと案外少なくて、白神山地、屋久島、知床だけ。富士山は入っていない。世界遺産の登録基準「ひときわすぐれた自然美および美的要素をもった自然現象、あるいは地域を含むこと」に、どうして合格しないのかねえ。日本一の山だってのに。悲しいかな、今日、オバチャマには理由がわかった。
野口健さんを富士山の清掃活動に駆り立てたのは、7年前エベレストで言われたこのひと言だった。「ヒマラヤまでマウント富士にするのか。富士山は世界で最も汚い山だ」あたりに散乱するのは日本語のゴミ(これに納得する自分がナサケナイ)。帰国後、夏の富士山に登った彼はぶったまげた。
岩肌にこびりついたいく筋もの「白い川」は、ナント垂れ流しのトイレットペーパー。山頂に自動販売機が並ぶ世界で唯一の山、フジヤマ!(便利やわぁ?!)
青木ヶ原の樹海には、車やタイヤ、医療廃棄物、アスベストまでそろっていた。さして高くない富士山(3776m)が有名になったのは美しい容姿のおかげ。でも、近くで見れば世界一汚い山だった。(参考:8月26日付日経夕刊「野口健のガイア礼賛」)
何という裏切り!富士山は美しくなかった。トイレットペーパーを使う奴が悪い、捨てる奴が悪い。確かに。では、トイレットペーパーを山小屋に常備したのはだれ?山頂に自動販売機を置いたのは?道路を造って、車での登山を可能にしたのは一体誰なんだ?
誰でも登れるお手軽フジヤマ。お金に目がくらんで人寄せした責任者は誰だ。散々利用され踏み荒らされ傷ついて、世界の人から汚い山と嘲られる哀れな富士山。必要なものだけ自分で担ぎ持ち帰る。それでも登りたい人が登ればいい。登れなくても日本一の美しい山を眺めるほうが、世界一汚い山に登るよりナンボかマシってもんでしょう。
「美しい日本」というなら、まず富士山を世界に誇れる美しい山にもどしてごらんなさい。そうすれば、アナタをゴミ(不要なもの)とは思わない。大きな山も一歩から、不言実行ってのもあったわね。曖昧な笑みと口先だけじゃ騙されないよ。見せかけだけの美しさなんか要らないんだから。
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