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☆  (13) 「赤ちゃんポスト」こうのとりのゆりかご
         〜生きる権利と親の義務
    2007年5月20日

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 親がさまざまな事情で育てられない新生児を匿名で受け入れようと、熊本の慈恵病院がはじめた日本初の「赤ちゃんポスト」の運用初日、そこに居たのは3歳児だった!

 浮上したのは親の義務論。赤ちゃんポストの設置に「親が育てるのが当たり前、大変抵抗を感じる」と反対だった安倍首相は「想定外、あってはならないこと、幼児なら公的な児童相談所がちゃんとあるでしょう」と批判。柳沢厚生労働相も「ポストがあるからといって、子どもを預けるということはあってはならないことだ。今回の事態はまことに遺憾である」と強調。女性大臣高市少子化担当相まで「子どもを産み育てる親の責任を軽視するな」と発言した。

  なんか、みんなとっても偉そう。冷たいよね。これが為政者の言葉だと思うとかなりぞっとする。為政者に必要なのは、他人の痛みを思いやる想像力じゃないかしら。少子化対策の高市さんまで居丈高に突っぱねるってのは「想定外」。子どもを育てるのは大人の義務、社会全体で見守っていけばいいんじゃないの。格差の進む日本の社会環境は劣悪で、経済的にも精神的にも逼迫している。親の義務だなんていわれちゃあ、育てる自信も産む勇気もなくなると思うな。

 日本社会の荒廃は10年前には考えられないほどひどい。兄が妹を殺してバラバラにしたり、高3男子が切断した頭部をもって「母殺した」と自首してきたり、子どもが自宅に放火して家族を焼死させたり、通りすがりの小学生が誘拐され惨殺されたり・・・毎日新しい殺人が都会にも小さな村にも起きる。当たり前のように起こるあってはならない遺憾な事件。その中で「赤ちゃんポストに3歳?児」は、生きる権利が保障された明るい記事だと思えるの。1歳の子の殺害死体遺棄容疑で若い夫婦が逮捕されたでしょう。安倍さん、この親は児童相談所に子どもを預かって欲しいと相談に行ってたんだよ。説教されたあげく「頑張って」といわれても救いにはならない。もし、傍に赤ちゃんポストがあればこの子の命は助かっていたのにね。

 「こうのとりのゆりかご」は、親の義務と子どもの生きる権利という大きな問題を提起した。「あってはならない、遺憾である」なんて便利な常套句を勿体付けていう人たちより、病院と熊本県の英断を応援したいな。赤ちゃんやこどもが放置され、飢え死にしたり虐待死する現実があるんだから。産みやすい支援も必要だけれど、生まれた子の生きる権利を保障することが最大の少子化対策にもなるんじゃないかな。

 オバチャマはね、義務より生きる権利に焦点を合わせた国がいいと思っている。

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