大阪市福祉教育語りの会 宇根山千恵子 (3)
2010年5月20日
先月、大阪のあるホールで、ライトハウス主催のコンサートがありました。開演は午後1時30分。開場は1時間前の12時30分。盲導犬と一緒にオーケストラを聴くことができるので、私はその日、楽しみにして早めに家を出ました。
開演前にまず腹ごしらえ。そう思った私とパートナーの盲導犬は近くの食堂に入ろうとしました。一軒目で断られました。びっくりしてそこを出て二軒目に。ところがそこでも断られました。ふだんなら「盲導犬ですが・・・」とか「断ったらいけないという補助犬法があるんですけど」と私の方から言うのですが、言われると、ほとんどのお店では、法律があるということや、どんな内容かすら知らないと言います。
お客さんの中には犬が嫌いな人もいるでしょう。犬の毛がイヤなのかもしれません。でも、盲導犬は長い時間をかけてじゅうぶんな訓練を受けてから、視覚障害者のところに来てくれるのです。私たちは、健康や衛生にも気をつける義務がありますから、仕事中には、嫌われるようなことはしないと思っています。2003年10月から全面施行されている『身体障害者補助犬法』にはそのことも明記されています。
コンサートの日は、なんどか断られてあきらめました。 コンビニでおにぎりを買って、ガイドヘルパーさんもいっしょに公園で食べることにしたのです。するとそこで、同じように盲導犬をつれたユーザーの方に会いました。その人も入店拒否にあったということでした。
お店の人は、視覚に障害を持つ人にとっては盲導犬が、どんなに大切なパートナーであるかということを知らないのです。だからあんなに簡単に断るのです。みなさん、おかしいと思いませんか? これをどう思われますか?
他の盲導犬ユーザーの方はどうしていらっしゃるのでしょうか? (市民ライター通信の読者の方には、障害を持つ人たちのことやこの法律のことを理解してほしいと思い、文章の仕上げを友だちに頼んで投稿しました)
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