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☆ オバチャマは市民ライター
                                   オバチャマ
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    (35) 赤ちゃんポスト開設から2年 ■
                  

                               2009年7月20日
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2007年5月10日熊本の慈恵病院が赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)を開設してから2年。賛成反対さまざまな意見が交錯する中、最初の預け入れが想定外の幼児 だったのは記憶に新しい。その後、あまりニュースになるようなこともなかったけれど、今、どうなっているのかしらね。

2年目には、25人が預けられていた。1年目は17人、2年間で42人。今年09年5月までに預けられた25人中、22人の母親の居住地が判明。母親の居住地は、熊本県内はゼロ、九州8人、関東8人、近畿3、中部3、母親の年齢層は、10代2人、20代14人、30代4人、40代2人
    (慈恵病院や児童相談所などの説得で母親が引き取ったのは3人)
いずれも虐待の痕跡なし。 (読売オンラインニュース )

オバチャマが驚いたのは、25人中、22人の母親の居住地がわかっていること。それも県内ゼロで、九州だけじゃなくて本土から来ていることね。安易な預け入れを助長するっていわれている赤ちゃんポストだけど、そう安易じゃなさそうよ。赤ちゃんを抱えて移動するって大変。海を越えてやっと辿り着いたって感じでしょ。全国にあれば、もっとたくさんの命が救われていたんだろうなあ。

ドイツでは全国に80か所設置されているそうなの。必要だからよね。東京や大阪、名古屋など大都市にも設置する意味はあるんじゃないかな。熊本では遠過ぎる。経済格差が広がり、孤立化が進み、隣が誰だか分からない生活。望まれない赤ちゃんの中絶、虐待、殺害も起こりやすい。豊島区の店舗兼マンションのごみ集積所で生後間もない女児が裸のままごみ袋に入れられて放置されていた事件なんか切ないよね。泣き声で助け出されて、いまどうしてるのかなあ。

赤ちゃんポストの本来の目的は「望まれない赤ちゃんを殺害と中絶から守ること」「幸せな人生を用意してあげること」慈恵病院の蓮田太二理事長は「誤解されやすいが、ポストはあくまで赤ちゃんの生命を守るための緊急避難。ポストに置いた後でも母親が名 乗り出て了解すれば、里親、養子縁組の判断に行くのも早い。赤ちゃんさえ無事なら母親 にも冷静に考える時間ができる」と言う。

今の子育ては孤立化し、母親を追い詰め虐待に走らせる。子供を虐待死させる主犯トップは、継父ではなく実母だというのが哀しいよね。家族関係や地域コミュニティが希薄になって、おばちゃんやおばあちゃん、おじいちゃんとの接点もほとんどない。児童相談所は予算が削られ職員は少なく、忙しすぎてひとりひとりに対応できない。本当に必要としているところには子育て支援は届かない。政治家は、もっときちんと現実を見て欲しい。

赤ちゃんポストの是非は、親としての大人のモラルと、赤ちゃんの命、幸福を別個に考えなければ駄目ね。育児放棄を助長するとかいうのは、親としての(あえて母としてのとは 言わない)覚悟とか責任とかの問題だけど、赤ちゃんにとって最も重要なことは、生まれることと幸せになること。果たして、ポストは赤ちゃんのためになるのかならないのか。そこだよね。そこをはずして、是非を論じても意味ないんじゃないかな。
養子縁組の希望もあって、新しい 親子関係を築けることも多い。だったら、全国に赤ちゃんポストが広がったらいいと思わない? 親も子も両方救える気がするんだけど。

赤ちゃんポストに赤ちゃんを預けたお母さん。良かった。最悪の方法をとらないで、赤ちゃんポストまで届けてくれて。また、赤ちゃんを育てられる環境になったら、迷わず届け出て下さいと、慈恵病院は待っているそうですよ。もちろん、一番待っているのは赤ちゃんでしょうけれどね。

開設から2年、オバチャマは「こうのとりのゆりかご」を応援します。
残念だけど、社会はますます「赤ちゃんポスト」を必要としていると思う。
                    

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