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掲載記事索引

◇市民ライターどんどん
◇地球を見つめて〜なんちゃって
   ……かざりえみこ
市民ライターのキモ
  その真実と技術
   ……吐山継彦
オバチャマは市民ライター ……オバチャマ
ラム 
脱サラ議員奮闘記
…山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
   ……秋田おばこ
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◇三反農家の米作りノート
     ……平田泰史
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★          市民ライター通信
☆ 2009.9.20
---------------- http://f-ts.bb4u.ne.jp/~writer/  ★ 第72号★☆★
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■まいど おおきに!■
 丸6年毎月1回発行してきて、今号で72号となりました。実は編集・発行に関わっている私たち自身が、続けてこられたことにとても驚いています。これも、メルマガを購読してくださっている皆様の応援があるからだと感謝しています。前号から「みどりを友だちに!」が、そして今号から「爺婆のつぶやき」の連載コラムが始まりましたが、その他にも投稿してくださった方々にも支えられてきました。ありがとうございます!!

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【1】故南野佳代子さんのご葬儀に参列して …………………… thayama
【2】市民ライターどんどん(49)   
    応援センターの問いかけるもの
    ……………… おおさか行動する障害者応援センター 福島 義弘
【3】オバチャマは市民ライター (37)
    津々浦々に駆け込み寺を!〜もしものときの安心に … オバチャマ
【4】みどりを友だちに! (2)
    「紅くても白くても」百日紅    ……………………  かざりえみこ
【5】チョットかがく(10)
    ヒアルロン酸  ……………………………………………… OHE
【6】福祉教育語りの会
    点字による期日前投票 ……………………………… 鈴木 昭二
【7】爺婆(MTFトランスジェンダー)のつぶやき(1)  …………  有明弥
【8】からだを散歩すると(7)腕   …………………………… 竹藪 耶桁
【9】詩・ 旅立ち  …………………………………………… 井上 達也
【10】イベントのお知らせ 
   (1)連続学習会「もしも裁判員に選ばれたら」
   (2)「激論!市民のしゃべり場」(4回シリーズ)
【11】編集後記


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□【1】故南野佳代子さんのご葬儀に参列して  ★彡☆彡
■              ★彡
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                                       thayama

本メルマガの名物コーナー「市民ライターどんどん」の第1回目を書いていただいた、タウン誌「ザ・大阪」の名物編集長、南野佳代子さんが9月15日の夕刻に亡くなった。享年65歳。あんなにお元気で、あんなに明るかった人がもうこの世におられないことが信じられない。

本日(17日)11時からの葬儀に参列させていただいた。ふつう葬儀は1時間というのが定番だが、今日は30分長かった。それは、最後のお別れの前に、スクリーンに映した生前の写真を見ながら、二人の娘さんとタウン誌の若い女性スタッフの「送る言葉」があったからである。彼女たちの言葉の端々から、いかに南野さんが若い人たちにとって、憧れと勇気づけの人だったかが伝わってきた。ぼくが座っていた席のまわりからもすすり泣きが聞こえてきた。おそらく300人ぐらいの参列者があっただろう。"盛大な"しかししみじみとした良いお葬式だった。喪主(お連れ合い)による最後の挨拶は、涙声でよく聞き取れなかったが、静かだが確固とした愛が感じられた。

実は、南野さんとはそんなに古くからのお付き合いではなく、ぼくが大阪ボランティア協会に関わりだしてからのことである。市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』の編集委員をしている関係もあって、何度か誌面にもご登場いただいた。

まず、2004年9月号の「私の市民論」コーナーに「住民が市民になると、世の中が変わる」と題したご寄稿をいただいた。そして、2006年3月号〜5月号には「語り下ろし市民活動」に3回連続で「まちづくり、仲間づくりの力はタウン誌から〜路地から路地を駆け巡って25年」とのタイトルで語っていただいた。取材と執筆は、当メルマガの常連ライター、錺栄美子さんだった。それから、2006年7月2日に行ったウォロ40周年記念イベントにはパネリストの一人としてお招きし、ぼくが司会進行役を務めた。

今から考えると、よくぞ「語り下ろし市民活動」(第7回)にご登場願っておいたものだ…というのが実感である。「語り下ろし」のコーナー・コンセプトは、秀でた市民活動でありながら、まだ世間にそれほど実態(実情)が総合的にレポートされていないものについて、その当事者が3回にわたって語りつくす、というものである。

南野さんの「語り下ろし」を再読していると、いろんな部分でぼくとの共通点があると思った。若いころの海外遊学、広報関係の仕事、ベ平連、情報誌等々。しかし、とてもじゃないが南野さんには適わないと思う。とくにあのバイタリティと実行力に…。あらためて、スゴイな、と思ったのは、淀川区、そして十三という地域のイメージを南野さんが中心になってすっかり変えてしまったことである。昔は、歓楽街、性産業、飲み屋街のイメージだけだったのが、今は個性的な地域文化の発信センターのような感じもある。しかし、今も昔も「ゴッタ煮感」だけは変わらない。最後に南野さん「語り下ろし」の最終パラグラフを掲げておこう。

「いろんな人とつながっていると思えるから、何があっても、何とかなるわの気持ち。今のような桜の季節や夕日が心に染みる秋の日などは、先にアチラ側に行った人たちともつながっているような気がして、あの顔、この顔が浮かびます。この淀川、大阪で、オバアチャンになるまで、今と昔と未来をつなぐタウン誌を作り出し続けたい。もうシックスティを超えて半分オバアチャンやけど、気持ちはシックスティーンのつもり。かなり、あつかましい(大笑)」。

呵呵大笑がよく似合う人だった。南野佳代子さんのご冥福をお祈りいたします。


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□【2】市民ライターどんどん(49)     ★彡☆彡
□  おおさか行動する障害者応援センター 福島義弘   ☆彡
■              ★彡
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        ◆ 応援センターの問いかけるもの ◆

おおさか行動する障害者応援センター(以下、応援センター)は1979年に発足。今年で30年を迎える。「誰でも乗れる地下鉄をつくる会」を前身とする応援センターは、障害者が自由に街へ出かけられることをめざし、その手段としてボランティアによる外出支援を中心として活動に取り組んできた。

応援センターの名称にある「おおさか」は「大阪」ではない。障害者が暮らしにくい大阪から、だれもが暮らしやすい新しいまち「おおさか」をつくっていこうという思いがこめられている。障害者が街中に出かけることで、近所の人や地域の人と顔見知りになれるのだ。
 
商店街のとあるお店で食事をしたいと私たちの仲間の障害者が思った。その店は入り口に段差があった。それでも、どうしてもその店のメニューが気になって、段を乗り越えて入店した。思ったとおり料理はおいしかったので、その後も幾度かそこへ食事に訪れた。いつのまにか店の入り口にはスロープが取り付けられていたという。

顔なじみになることで、人は心を動かし、それまで気付かなかったことが意識されるようになったりする。幸いにも障害者の多くはその姿から、一度会ったら否応なしに印象に残ってしまう。目に付く存在なのである。それを人目に晒されると感じるか、インパクトを与える利点を持っていると納得するかは紙一重のところではあるのだが…。

応援センターの設立当時と比べると、障害者を取り巻く環境は大きな変化を遂げている。ヘルパーは制度として派遣されるようになった。このことは社会保障の観点からは評価できる。しかし、一方で失いかけているものがある、それは私たちが生活を営むうえでの基本ともいえる「ありふれた人間関係」の構築である。

現状は金銭の介在するヘルパーとのつき合いが、障害者の生活の大部分を占めているといっても過言ではない。やがて生活リズムそのものがヘルパー派遣の時間を中心としたものになってしまう危険性を含んでいる。こんな味気ない人間関係が日常となった状況を想像してみよう。なんと孤独で、情緒のない生活だろうか。これが障害者の望んだ生活スタイルだとしたらあまりにも切なすぎる。

応援センターで支援活動をしている人は、お金を目当てに活動しているわけではない。障害者の手助けをすることで、何らかの楽しみや何事にも換えられない喜びを感じている人たちだ。障害者と時には意見がぶつかることもあるが、それはまさに立場が対等なことを表しているといえるだろう。

応援センターは、稀薄になってきている人間関係の危機に対して、問いかけをすることができる、いや、しなければならないと思っている。私たちがめざす社会は障害者が優遇されるパラダイスではない。障害者がいることが自然であり、そこは障害者への配慮がみえる社会だ。

そのためには、金銭に縛られるのではなく、人間の心と心が響きあうボランティア活動の楽しさを体感できる経験が必要だと感じている。その第一歩は、障害者と街へ出かけてみることだ。映画でも買い物でもいいし、飲みに行くのでもよい。ありふれた日常の中でこそ、本当のバリアは取り払われるのだから。


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☆                    ★彡☆彡★彡
★【3】オバチャマは市民ライター (37)       ☆★彡
☆                             ☆★☆★彡
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   ■ 津々浦々に駆け込み寺を!〜もしものときの安心に ■

                                          オバチャマ

民主党が圧倒的な支持を得て、政権交代が実現した。いよいよ新政府が動き出す。ちょっと期待しちゃいます。何かが変わる、変わってほしいって。

ここ10年、自殺者は年間およそ3万人。その3分の1は経済苦、生活苦からだという。仕事は不安定で終身雇用も今は昔。「みな中流」と言われた時代は過去になり、隣近所の関係もどんどん希薄に。世話好きのご隠居さんなんて落語の中だけ。みんな自分の生活に手いっぱいなんですよね。

オバチャマだって、頼みの夫が失職したり蒸発したりでもしたら、すぐにも路頭に迷ってしまう。両親はとっくに他界して、親族は当てにできない。蓄えはさほどないし、この年で職がみつかる確率は低い。収入のない生活。助けてくれる人はいない。不安は募るばかり。お金が全てのこの社会。お金が無くては生きていけません。

こんなとき、一文無しでも、取りあえず「食う・寝るところ・住むところ」が確保でき、差し当たり生きていられる、そんな場所があったら心強いと思いませんか?今の日本じゃ、思いつくのは刑務所くらい。それでかな、刑務所には障害のある人や軽犯罪を繰り返す再犯者が多いのは。皮肉にも、そこでは最低限の人間的な生活が、安心して送れるってことなんでしょう。

オバチャマは、お金が支給されるより、安心して生活できる場所が存在する方が心強い。あっちにもこっちにも津々浦々に駆け込み寺というかシェルターがあって、いつでも食事や寝る場所が無償で提供され、仕事を見つけられたら働きに行くこともできる。そんなところがあれば、心穏やかに暮らせると思う。もしもの時の安心が、あるとないでは大違いです。

お金の支給ではだめ。無くすかも盗られるかもとビクビクして心が休まらない。価値は変動するし、使えばどんどん減っていき無くなればそれで終わり。そう思うと不安だらけ。駆け込み寺ならそんな心配はいらない。必要な時に行って、いつでも出ることができ、食べることや寝ることは保障されている。それに、子ども手当や教育の無償化、ばらまきと言われる個別の補助よりも、この方がずっと平等だと思います。そういう場所が身近に整備されていれば、お金のない生活への不安は相当解消できると思うのです。

是非、日本全国隅から隅まで、津々浦々に駆け込み寺を設置してほしい。もしもの時の安心。きっと強い味方になりますよ。支えてくれるところがあれば、人は頑張って生きていけると思うのです。


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□                          ☆彡
■【4】みどりを友だちに! (2) ☆彡
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            ◆ 「紅くても白くても」百日紅 ◆
                              
                                        かざりえみこ
                                  
地球温暖化のなか、さしもの大阪の夏も終わろうとしています。でも夏の花で忘れてはいけないのがサルスベリ。9月中旬、近所の公園で咲き誇っています。木の幹がツルツルとして、サルにもきっと登れない木……。このイメージでサルスベリを『覚えて』おられる方も多いのではないでしょうか。

  散れば咲き散れば咲きして百日紅  千代女
  百日紅乙女の一身またたく間に  中村草田男

先日、日中の気温が35度という中、奈良公園内の公会堂を訪れました。向こうに大仏殿の黄金の鴟尾。目の前では鹿が遊び、芝生と松の緑を背景に、何十本というサルスベリが満開でした。思わず、ああ、みごとな景色! と大きな声を出していました。桜なら数日の命。花に出合おうと人びとの心は騒ぎます。でも、サルスベリは、紅からピンクの濃淡、白までさまざまな花色を競いながら夏の間じゅう咲きつづけるせいか、奈良公園でこれほど多くの花に出合えるという情報を私は持ちあわせていませんでした。まん丸の蕾がきれいに割れると、思いきり縮んだボリュームに満ちた花弁と、カールの具合がなんとも可憐な雄しべが現れます。花は寄り集まって花房を作り、さらに枝となり、一本の木となります。幹の成長と共に木肌が堅くなってポロポロと樹皮がこぼれ落ち、中から名前の如くすべすべの新しい肌が出て来ます。さらに年数が経つとコブができます。ツルリとした木肌もいいけれど、一本の木の形もそれぞれに異なって、花と一緒に眺めて見飽きることがありません。来年の夏は、サルスベリを心ゆくまで見るためだけに奈良公園に来たいと思いました。

  三鬼の寺瘤を増やして百日紅  右城暮石    (注:西東三鬼 俳人)

原産地の中国でもサルスベリを『百日紅』と表記するとか。梅雨がまだ明けきらないうちから、条件がよければ10月までも咲き続けます。漢字のテストでは「さるすべり」と和名のふりがなをしないと×ですが、俳句では紅い花をあえて「ひゃくじつこう」、白花は「ひゃくじつはく」と呼ぶこともあるようです。

星生る百日白の花の上  粟津松彩子


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■【5】チョットかがく(10)         ☆彡
□                          ★彡     
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            ■  ヒアルロン酸  ■
                                             OHE

60肩を煩い、かれこれ半年が経過した。幸い利き腕ではないが、それでも日常生活ではかなりの妨げとなっている。たとえば、ある角度で腕を伸ばすと、激痛が走る。今は学習効果もあり、それは避けられているが、とっさの場合など、そうはいかない。また両手で自分の体重が支えられず、満員電車で押されたときや、山歩きで転倒したときの対処を考えると不安を抱く。 医学的に効果的な治療法がないと、なにか他の手段に頼りたくなる。この種の症状を緩和すると思わせるサプリメントが各種のメディアを通じて、宣伝されている。その多くは関節で硬い骨どうしが直接ぶつからないように、クッションの役目をする関節軟骨の成分であるヒアルロン酸やコラーゲンである。それらが本当に有効か、ヒアルロン酸にスポットを当て、検証してみた。

ヒアルロン酸は関節や皮膚、眼球等に存在する。成人は15g程度のヒアルロン酸を持ち、その多くは皮膚に存在する。皮膚のヒアルロン酸は表皮や真皮の細胞で作られるが、分解は血液中へ漏出後、リンパ腺や肝臓でされるといわれている。皮膚のヒアルロン酸は、毎日その1/3が分解され、その分、新たに合成・補充され、その量が一定になるよう厳密にコントロールされている。一方、関節軟骨の細胞はヒアルロン酸を合成するだけではなく、分解もする。軟骨のヒアルロン酸は皮膚のヒアルロン酸のように短期間で入れ替わるのではなく半減期は2〜3週間といわれている。

ヒアルロン酸はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸の2種類の糖が繰り返し、繰り返し連結した構造をもつ高分子物質である。水溶液は粘度が高く.関節ではコラーゲンなど他の物質と協働して関節の潤滑機能を担っている。

それではヒアルロン酸の合成と分解はどのような反応でなされているのだろうか。ヒアルロン酸合成の直接の原料はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸ではなく、糖ヌクレオチドの一種であるUDP-N-アセチルグルコサミンとUDP-グルクロン酸である。これらの糖ヌクレオチドはN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸からではなく、グルコースから複雑な経路を経て合成される。体内のヒアルロン酸が減少したと、N-アセチルグルコサミンやグルクロン酸を食べて補えばいいというほど単純な話ではない。

ヒアルロン酸を食した場合、ヒアルロン酸は生体内に広く分布しているヒアルロニダーゼと言われるヒアルロン酸の分解酵素で低分子化され、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が生じる。さらに、これらはグルコースなど単純な糖まで変換される。人は多くの食品から糖類(炭水化物)を摂取しているのでヒアルロン酸からの分解物が特別に再びヒアルロン酸に合成されるとは考えにくい。さらに生体ではヒアルロン酸合成と分解がダイナミックに繰り返えされており、その大半が皮膚の細胞で行われているので、食したヒアルロン酸の分解物が特別に関節の軟骨へ導かれる可能性はほとんどない。

髪の毛はケラチンと呼ばれるタンパク質で出来ている。しかし、ケラチン(髪の毛)を食べても頭は"ふさふさ"にはならない。このことはタンパク質分解や合成についてそれほど知識が無い人でも直感で理解できる。同じように、サプリメントとしてのヒアルロン酸を食べてもそれらはヒアルロン酸合成に直接寄与しない。我々はそのようにガッテンすべきである。

健康食品には"健康の保持増進効果"が一応確認されているものと、そうではないものがある。このうち、前者は「特定保健用食品」と「栄養機能食品」で、後者には「健康補助食品」「栄養補助食品」「栄養強化食品」「栄養調整食品」「健康飲料」「サプリメント」などといったものがある。

参考)独立行政法人 国立健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報(http://hfnet.nih.go.jp/contents/)


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■【6】福祉教育語りの会 ☆彡

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《福祉教育語りの会とは》

障害者が、小・中学校及び高校などあらゆる場所で、受障の体験を話したり、どのようにして再出発したかを《語る》ことは、「子供たちに障害の理解と《生きる力》と《思いやる心》」を育てるきっかけになると考えています。社会にはいろいろな人がいて、それぞれの存在を認め合って生きていることを知るきっかけにしてほしいと願っています。このような「思い」から「福祉教育語りの会」は設立されました。

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                 ■ 点字による期日前投票 ■

                       大阪市福祉教育語りの会 鈴木昭二「全盲」

【日本の視覚障害者数は約30万余り。その内、点字使用者は3万を切っているとも言われている。】

去る8月25日、最寄の区役所へ8月30日に行われた第45回衆議院総選挙期日前投票に行った。受付で、「宣誓書」に妻が代筆で署名。投票室へ入ると、係りの職員が私が白杖を持っていることを見つけ、「点字投票ですか?」と尋ねてきた。「はい」と答えた。すると、点字器を持った係員が手引きして付き添ってくれた。投票ブースで点字器と投票用紙を渡される。点字用紙に小選挙区と書いてある。その下に選んだ候補者の名前を点字で打ちこんだ。用紙をはずすと係りの者が取り上げ投票箱に投票用紙を入れようとしたので、「私が投入します」と断り、投票口まで手を導いてもらって差し入れた。自分で投票箱に入れないと投票した気になれないし、今までそうしてきたからである。続いて、比例代表にも点字で打ち込んだ。最後に最高裁判官を評価する。これはいつも記入しないのでパスし、白紙のまま投入。

点字投票は、私にとっては始めての体験。失明してから、何回も点字投票のチャンスはあった。だが、地域の小学校での点字投票は、
1. 知人がたくさんいる。(人の目が気になったのかもしれない)
2. 大勢の投票者がいるのに係りの方の手を煩わす。
3. 墨字での投票の方が自分にとっては簡単だし、時間もかからない。
などの理由で点字投票を避けていたのであった。

ところが、よく考えてみると、「点字の市民権」を得るには、点字投票は有効な手段と思う。街中によく見られるようになった点字表記の普及では、駅での切符自動券売機の点字料金表・缶ビールも上蓋にビールと表示・一合カップ酒にもふたに点字で「さけ」とある。(あれ、アルコールばっかりですね)これらのみならず、私の知らない商品に点字や記号などで触覚による表示が増えているのは事実である。これは、企業のイメージアップのためのものかも知れないが、それでも視覚障害者にとっては一助になる。

だが、遺言状・委任状・その他、公的文書には点字の市民権はない。自分が書いた文字を自分で読める点字。この視覚障害者の文字「点字」を大切にし【点字の市民権】を広げていきたいと思っている。


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◇                          彡彡☆★彡
◆【7】爺婆(MTFトランスジェンダー)のつぶやき (1)
◇                             ☆彡 ★彡
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                                           有明弥

 友達と彼女の1歳8ヶ月の子どもと一緒に近所に買い物に行きました。子供服の店に入って、店員がその子どもに「今日は、お婆ちゃんと一緒」と話しかけました。それまでも彼女とは「この子、あなたのこと何て呼ぶのかな?名前で呼ぶのかな? あ!そうだ、『爺婆』がいいよ」といった会話はしていましたが、私が「爺婆」?確かにそうだし、抵抗感はありませんでしたが、実感は湧きませんでした。でもこの日、店員の一言で自覚できた感じでした。

 そんな爺婆の選挙投票についてのつぶやき。私は爺婆になって、今回の衆議院選挙は三回目の投票でした。一回目の時は、スカートを履いて、ビクビクしていたことを思いだいます。「確認されたら本人証明ができないかな?いや、そんなことはないだろう」と思いつつも、不安で一杯でした。でも投票所で本人確認するのでしょうか?確か選管から送ってくる用紙には、住所と名前が書いてありましたが、それ以外の情報はなかったと思います。調べてみると、自治体によって違いがあるようです。統計を取るため、男女の区別があるところもあるようです。

 選挙以外でいうと、ほとんどのアンケートで男女の記入があります。アンケートの趣旨、たとえば身の回り品や飲食の好みとかを調べるのであれば、必要なものあると思いますが、必ずしも必要ではないのではないでしょうか。先日行われたある人権センター主催の講演会は、「LGBTについて学ぶ」という内容であるのに、アンケートに男女の区別がありました。主催者に確認してみると、「そこまで意識していませんでした」という返事。これが現実です。少し意識して、男、女、中性とかなんらかの工夫があってもいいように感じました。

 投票所で、性別の確認を求められれば、私は自分のことをはっきり言える覚悟がありますが、トランスジェンダーの中には、そこまでして投票にいかなくてもいいと思っている人もいます。特に男女の区別のある自治体ではキツイかも。難しいことです。声をだしていかなければ、いつまでも変わりなく男女だけに二分することが続きます。でもその声をなかなか出せない状況も分かります。

 私にとって投票はたかが一票ですが、投票しに行くことに意義があり、そのことで少しは変化があればと思っています。


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■【8】からだを散歩すると (7) ☆彡
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                   ■ 腕 ■
                                          竹藪 耶桁

日焼け防止に、おしゃれなアームカバーに人気がありますが漢字で書けば「腕袋」ですって。センスがないとご不満な方、「足袋 たび」に免じて、あきらめましょう。

腕が上がる、腕が立つ、腕を振るう、腕によりをかける……。このどれもが、腕そのものよりも、腕に宿る「力」を言ってますね。

腕は、ときどき「手」と行ったり来たりするようです。
  手が後ろに回る・・・腕が後ろに回る
  手をこまぬく・・・腕をこまぬく
どっちも正しい言い方です。

手枕・肘枕・腕枕・・・これは、違うようで同じようで、実際に寝そべって試してみてください。
みんな同じ形になりませんか?



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□              ☆彡     ★彡
■【9】 詩        ☆彡     ★彡            
□                            ☆彡★彡
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      旅立ち
                     井上達也

おれの背中を触るな
おまえたちは
おれの生き方にまだ触ることはできない

おまえたちは今の職をうっちゃってしまったのかい
おれはおれの人生を土俵上に置いてきたよ

おまえたちの鼻先は
おれの人生の臭いを嗅ぎ取れない
膿臭にまみれたおれの背中など
せわしく歩くアスファルトの雑踏に放り出し
硬くとんがった靴底の雨垂れに打たせとけ

おまえたちにもおれにもあるはずの触手がない
何も感じず何も知らずに人生は古び雨に穿たれるだけだ
掴めるものは残飯あるいは空

おれはマルテの手記も地下生活者の手記も知っていたはずだ
誰も棲んでいないように見える朽ちた屋根の下に
老朽の毛むくじゃらな生物が息を潜めている
今ならどこにだっているその生き物は
だからおまえたちの通勤電車の座席にもいる
それなのにおまえたちにはおれの背中に蔽われて
一家団欒の笑い声が
偽りのない友情が
輝ける労働が
純真な恋人が
胸のすくような冒険が
黒々とかき消され
まるで失業者のような生き物が見えない
たとえばそれが自分の影かもしれないものだというのに

おまえたちには職がない
おれには人生に真向かえる触角がない

おれは駅の混み合いが苦手だ
おれはカバンの隊列が苦手だ
今ならどこにだっているその生き物は
だからおまえたちの薄紙で出来た胸の中にもいる
昇進栄達の夢が
高級車の乗り心地が
手入れのできる庭のある家の入手が
賢い妻や健康な子どもたちが
公民館のサークル活動が
見捨てるかのように存在を控えている
それなのにおまえたちにはおれの背中に蔽われて
まるで収入の断たれた生き物の姿が見えない
たとえばそれが自分の影かもしれないものだというのに

おまえたちには縋りつける信仰がない
おれには革命家の代わりが見出せない
おまえたちが小さく仕切られた空間に光るディスプレーを睨むなら
おれは通行人の絶えない足音の響く駅頭の壁によっかかり
夢さえ見られない眠りを続けるのだ



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□                  ☆彡     
■【10】イベントのお知らせ         ☆  
□                       ★彡★彡 ☆彡
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(1)連続学習会「もしも裁判員に選ばれたら」
(2)「激論!市民のしゃべり場」(4回シリーズ)


   ◆ ━━━━━ ◆ ━━━━ ◆ ━━━━ ◆ ━━━━ ◆

(1)連続学習会「もしも裁判員に選ばれたら」

+++++++++++++ 以下、転送歓迎! +++++++++++
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   連続学習会「もしも裁判員に選ばれたら」(9/27&10/18)
    http://www.osakavol.org/events/090927saiban.html
          主催:大阪ボランティア協会
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東京に続き、関西でも9月には1回目の裁判員裁判が始まります。多くの人が「自分には縁のないこと」と考えていた裁判ですが、今年は選ばれなくても来年、再来年・・・と、今後裁判員に選ばれる可能性があるのは誰にとっても同じです。「市民感覚で判断すればよいので専門知識は不要」「多くの事件は3日〜5日程度で終わる」と言われても、何をよりどころに裁判に臨めばよいのか、多くの人に不安や戸惑いがあることでしょう。

市民や市民セクターとの「協働」がさかんに叫ばれる昨今ですが、裁判員裁判もまた「裁判員と裁判官の協働」によって「国民に、より身近で信頼される刑事裁判を実現する」ために導入されたといわれています。この協働がより有効なものになるためには、参加する市民も十分な準備と心構えをもって臨む必要があるとは思いませんか?裁判員(候補者)の皆さん、裁判員制度や裁判への市民参加に関心のある皆さん、一緒に考えてみませんか?

[日時]1)2009年9月27日・日曜日  14時〜17時
      テーマ:裁判員制度ことはじめ(講師:西村健弁護士)
    2)2009年10月18日・日曜日 14時〜17時
      テーマ:市民参加で裁判はどう変わる?(講師:上口達夫さん)
[会場]大阪NPOプラザ(大阪市福島区吉野4−29−20)
  http://www.osakavol.org/volkyo/access/index.html
[参加費]1,000円(会員は800円)/各回
[定員]40人(先着順)
[申し込み先]大阪ボランティア協会 担当:水谷(みずたに)
 〒553-0006 大阪市福島区吉野4-29-20 大阪NPOプラザ100号
 電話: 06-6465-8391(代) ・ ファックス: 06-6465-8393

※詳しくは、下記URLをご覧ください!
http://www.osakavol.org/events/090927saiban.html


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(2)「激論!市民のしゃべり場」(4回シリーズ)

◇---【転送歓迎】---------------------------------------

◇「激論!市民のしゃべり場」(4回シリーズ)へのお誘い
◆ http://dankaiaction.jp/lectures/2009.html

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 民主主義の基本は、市民一人ひとりの意見表明です。
 自分の考えを主張し、他の人の意見もよく聞いて、
 一緒に考え、新しい道を探る【討議デモクラシー】の試み。
 同じしゃべるなら、ホットで深いテーマがいい。
 だから、はじめに専門家のレクチャーがあります。
 誰でも参加できる「市民のしゃべり場」で、議論・討論・大激論!

■全4回、各回のテーマと日時は次の通りです。(単発参加も可)
   会場:  大阪総合生涯学習センター 大阪駅前第二ビル6階第2研修

   入場料: 各回500円(レクチャー込み)。 定員30名。
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◆激論!市民のしゃべり場(1)  10月24日(土)13:30〜16:30
   テーマ:「ベーシック・インカム(基本所得)の是>非?」
   講師:大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授 古久保さくら さん

 「どのような状況にある人も最低限の所得を得ることは、市民としての 根本的人権であり、最低限の所得保障は国の責任」というペーシック・ インカムや最低保証年金。すべての人が人間らしい生き方ができる 最低保障を、未来のあるべき姿として実施すべきかについて議論します。

◆激論!市民のしゃべり場(2)  11月15日(日)13:30〜16:30
   テーマ:「脳死、臓器移植をどう考えるのか?」
   講師: 浄土宗應典院主幹、山口洋典 さん

 脳死、臓器移植の問題についての考え方は、その社会の慣習や宗教観、 死生観によって大きく異なってきます。日本の場合、欧米に比べて反対が 多いのですが、臓器移植を必要とする人たちは現に確実に存在します。
 そこをどう考え、どのように解決するのか、問題山積のトピックです。 

◆激論!市民のしゃべり場(3)  12月12日(土)13:30〜16:30
   テーマ:「死刑は必要? それとも廃止が世界の流>れ?」
   講師: 大阪弁護士会、弁護士 小田幸児 さん

 2004年の世論調査では、死刑廃止派6%に対し、存置派は81.4%。 日本はここ数年、先進国では唯一、死刑執行数が急激に増加している 社会です。これに対し、国連の人権委員会は「日本の人権問題」 として「死刑制度の廃止もしくは停止」を求める勧告を出しています。 このあたりのことをどう考えるのか議論します。

◆激論!市民のしゃべり場(4)  1月30日(土)13:30〜16:30
   テーマ:「人間は平和を創ることができるのか?」
   講師: 神戸大学大学院国際協力研究科・教授、
          ロニー・アレキサンダー さん
 
 平和とはなにか?あなたは、「世界平和」を想像できますか。 「平和」は、どうすれば創れますか。その平和創造の過程に私たちは どのような役割がありますか。今回は、日本各地や北米、パレスチナ、 ハンガリーでの体験を踏まえて、ワークショップという手法を通して、 こういった問題の対策を知性のみならず、全身を使って探ることにします。


会場:大阪総合生涯学習センター (最寄駅:JR大阪、阪急梅田、JR東西線北新地)
         http://osakademanabu.com/umeda/

申し込み・お問い合わせ:
  http://dankaiaction.jp/lectures/2009.html
  info@dankaiaction.jp


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★【11】 編集後記                     ★☆★
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このメルマガの連載コラム「市民ライターどんどん」、市民活動をされている方にそれぞれの思いや活動について書いていただいている。毎回刺激を受け、鼓舞されいるが、次号が50人目。この50人の「どんどん」を集め冊子を作成する予定。まとめてみると改めて人ってすごいと思う。(スー)
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このメルマガは、市民ライターの情報発信の場として、「市民ライター養成講座」(大阪ボランティア協会主催)の修了生が、講師・チューターの協力を得て運営しております。
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