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★          市民ライター通信
☆ 2009.5.20
---------------- http://f-ts.bb4u.ne.jp/~writer/  ★ 第68号★☆★
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もくじ・まいど おおきに
■まいど おおきに!■
 今号から、「福祉教育語りの会」のメンバーの方たちの連載が始まります。初回は一気に3人の方の原稿を掲載しましたが、これからもいろんなことに気づかせていただく内容になりそうです。

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【1】論・RON・ロン   
    憲法9条とコスタリカ ……………………………………… thayama
【2】地球を見つめて〜なんちゃって(番外編)
    2009年5月17日のこと     ……………………… かざりえみこ
【3】自分史「大阪ベイエリア」(7) 大正区編 
    料理人への夢 …………………………………………… トミ〜さん
【4】チョットかがく(6)
    浄水器をかがくする(2)   …………………………………… OHE
【5】私のスピリチャル体験 第25回  ……………………………… 有明弥
【6】生活に役立つ下水道豆知識 (4)
    みそ汁から見る下水処理の仕組み ……………… マンホールマン
【7】福祉教育語りの会
    ★やさしい手 そして 出合い  …………………… 山本 美恵子
    ★地域でともに生きる ………………………………… 鈴木 昭二
    ★盲導犬は大切なパートナー …………………… 宇根山 千恵子
【8】詩・小さな農園 …………………………………………… 陣内 三朗
【8】編集後記

                     
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□                          ★彡
■【1】 論・RON・ロン ☆彡
□       ◆  憲法9条とコスタリカ  ◆      
■                           ★彡☆★
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                                            thayama

憲法9条の非戦主義と自衛隊の存在が矛盾していることは小学生にも分かる道理だが、矛盾解消の方法が二つあることもまた自明である。自衛隊の存在を認めて9条を変えるか、9条どおり自衛隊を解散するかである。

現在の日本の支配体制は前者の論理で種々画策しているように見える。自衛隊による、インド洋での給油活動やソマリア沖での海賊からの船舶護衛活動などによって、国内と国外の自衛隊容認世論を形成していこうとしているようだ。 

しかし、「9条守るべし!」との国内世論はまだまだ強いうえ、国際的にも日本の正式な再軍備を積極的に歓迎する国はほとんどないだろう。かつて日本軍に支配されていたアジア諸国はもちろん、ロシアを含めた欧州諸国や大洋州、中南米、アフリカ、そして北米のカナダなど、どの地域や国にとっても日本の軍事大国化は望ましくないはずだ。唯一の例外はアメリカ合州国で、かつてのような軍事大国化は論外にしても、ある程度の日本の軍備の充実を望んでいるにちがいない。

アメリカは、自国の経済的、軍事的弱体化という現実の前で、これまでのように地球規模で軍隊を展開する力を失くしつつあり、多極化(覇権の分散化)を容認せざるを得なくなっている。そのため、近い将来、可能ならば日本や韓国からも米軍を撤退させることを考えるだろう。そのとき、日本にある程度強力な軍事力がないと、経済的にも軍事的にも強大化する中国とのバランスが取れないので、憲法9条の改定と日本の軍備の拡充を望むにちがいない。

このような状況の中で、日本の多くの市民は徐々に現実の国際情勢に流されて、日本政府が画策する自衛隊の国軍化の波に飲み込まれようとしている。今はまだまだ“9条死守派”もかなりの勢力を保っているが、実際に戦争の恐ろしさを体験している世代が少なくなってくると、現実追認派が増加してくるのは目に見えている。

ところが問題は、9条死守・自衛隊解体について、誰も実際の具体的なプロセス(工程表)を明示していないことである。また、日本の完全非武装化が、世界中の誰もが望む“恒久平和”に近づくための最良策であるということを理論的に説明できていないことである。二十数万人いる自衛隊員をどのように武装解除し、戦闘機や軍艦をどう処分するのか。万が一、どこかの国から侵略されたら、どのように抵抗し、敵を排除するのか。これらのことをきちんと考え、誰もが納得できるような解答を用意しないと、いくら9条死守を叫んだところで詮無いことである。

そこで、とても参考になるのが、実際に軍隊をなくした中米コスタリカの経験である。『丸腰国家〜軍隊を放棄したコスタリカ60年の平和戦略〜』(足立力也著 扶桑社新書)を読むと、面積が北海道の6割程度で、人口がわずか420万人、という小国のものすごく現実的な平和戦略が理解できる。要は、同国にとっては、軍隊を持つより、非武装のほうが相対的に安全である、という現実主義と、積極的で地道な平和外交戦略によって“丸腰国家”を実現しているのである。日本によくある理想論的平和主義ではなく、ものすごくリアリスティックな非軍事主義である。

アメリカにオバマ政権が誕生して、核軍縮を言い出している現在、被爆国日本は軍事増強ではなく、軍事費削減と、最終的な非武装化を目指す方向性について真剣に再検討してよいのではないかと思う。国の規模や置かれている状況は違うが、実際に非武装化を成し遂げたコスタリカの経験に学ぶべきことは多い。


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□                          ☆彡
■【2】 地球を見つめて〜なんちゃって(番外編) ☆彡
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                ◆ 2009年5月17日のこと ◆
                              
                                       かざりえみこ
                          
秋田市の友人から、大阪は大ごとだね、と電話が来た。公立高校の修学旅行の定番は関西方面。5月18日現在で6校が修学旅行を中止したのよ。かわいそうだけど、やむを得ないよねー。彼女の話はえんえんとつづく。ひとしきり話して、実はあるグループの集まりが大阪であるんだけど、行こうかどうか迷ってるの、とようやく本題にたどり着いた。7月末、祇園祭がすんで、天神祭の頃らしい。となると梅雨が明けて猛暑が始まる。その時期までインフルエンザが蔓延しているとは思わないけれど、それを彼女は心配している。「大阪は暑いわよ。熱中症もあるし。夏の旅行は止めた方が賢明ね。落ち着いてから来たらいいじゃない」私が言うと、「決めた。そうする」と答えた。

新型の豚インフルエンザがあっという間に兵庫県と大阪府に広がったと報じられた日のこと。茨木市ではマスクが品切れだと知ってあわてた我が長男が、関東に住む次男に連絡を取り、マスクをまとまった数で買って実家に送ってくれるよう頼んだという。それが届いたら、彼に代金を払ってやってな、とのこと。母の日だろうと父の日だろうとあっさりやり過ごしてしまう彼にしては何というすばやさ。これは兄弟のフトコロを痛めずに親の身を思うということか? 騒ぎすぎのマスコミにも困ったものだが、もっと腹が立つのはこんな発想をする若者たちを一体だれが育てたか、だ。

電車の乗務員が新型インフルエンザ予防にマスクをしているニュースを見てから、急に電車がいやになってタクシーに乗った。道はがら空きで、すいすい行く。運転手さんが「窓を開けていますがいいですか?」と聞いてきた。今までなら早ばやと冷房をするのが乗客サービスという面があったのに、地球温暖化対策が叫ばれてからはえらいもんだね、と思ったのは一瞬。すれ違った他社のタクシーも窓が開いていたから、これはインフルエンザ予防に換気をするためだと納得した。それとなく運転手さんにたずねると「ええ、まあ」と返事をしてくれた。   


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■【3】自分史「大阪ベイエリア」(7) 大正区編
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                〜 料理人への夢 〜
                                       トミ〜さん

私は昭和52年1月、25歳で大正区を出た。それまで平尾・小林・千島・泉尾と区内を転々とした。「大阪市立平尾小学校卒業」「大阪市立大正中央中学校卒業」は自慢できる。自分に一つしかない母校も大正区で育ったことも大切にしたい。中学を卒業し15歳で社会に飛び出した。決してまともな家庭環境に育ったとはいえない私は、社会に順応できる教養や習慣を備えてはいなかった。会社の上司や先輩から見れば、やることなすことが「こいつどこのもんや!」と、不思
議に思われたかもしれない。今から思えばお金もなく、小汚い身なりをしていたこともあった。

はじめて入社したのが西区の製版会社である。同期には大卒2名、高卒2名がいる。会社で中卒は自分だけである。もちろん最年少の社員であった。仕事内容は企業や商品の宣伝広告やポスター、ビラなどの写植・製版・校正である。最初は単純な作業しか与えられなかったが、自分から進んで他のセクションの仕事も覚え、校正刷りを担当するまでになった。夜間高校に通うため残業はなかった。しかし、学校が休みのときは進んで残業した。その時の夜食の「うどん」は最高にうまかったことを覚えている。先輩たちは一時限目の授業に間に合うよう、気持ちよく会社を送り出してくれた。試験のときなどは、わずかであるが試験勉強の時間もくれた。

製版会社は学校の紹介である。良い会社を紹介してもらった。しかし、私には将来なりたい職業があった。それは料理人である。日本の美味しい料理をたくさんの人に食べてもらい、できれば外国(ブラジルなど)で店を持ちたい夢があった。その夢をうまく表現する勇気もなく学校の紹介する会社に就職した。いつか「その道(料理人)」をめざそうと、心に秘めていた。子どものころから食べることに恵まれなかった所為か、食べものに対する思いは人一倍強かった。米粒一つさえ残すことには抵抗があった。貧しい家庭に育った子供は、多分同じことを考えたように思うが、私の場合は特別である。

食卓をひっくり返し母親に暴力を振るう父親や叔父。弟の力を借りなければ自分を主張できない情けない父親。それに手を貸す親父の弟。今生きていれば確実に殺意を持つが、二人とも碌な死に方をしなかった。自業自得である。私には、家族団らんの食事風景など思い浮かばない。ただ一度、子どもの頃、母親か叔母か覚えていないが、永楽橋にあるレストラン(食堂)に連れられ食べたオムライスの「形」を、今でも忘れられない。食べられることは最高である。中学の林間でカレーライスを6杯食べ、交流会の司会をさせられたエピソードもある。その時は食べられることがうれしかった。結局、製版会社を2年で退職し大阪駅の駅弁で有名な○○軒に入社した。駅弁屋であっても自分の夢を貫きたかった。製版会社のみなさんには、本当に世話になった。最初にもらった給料は13,500円。この時代がなければ今の自分はない。大好きな街「大阪ベイエリア」。


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□                             ☆彡
■【4】チョットかがく (6)         ☆彡
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              ■ 浄水器をかがくする(2) ■
                                           OHE

日本の水道水が安全であることは先月号で解説したとおりである。さらなる安心を求めたり、カルキ臭が気になる等、何らかの理由がある場合は浄水器を設置するのも一つの選択
である。

市販されている浄水器には設置方法と処理能力の違いにより多くのタイプがある。しかし、浄化するための基本的な仕組みはそれほど違わない。水道水に含まれる物質すなわち次亜塩素酸やトリハロメタンあるいは濁りなどは物質の大きさや、水への溶けやすさなど、性質が異なっている。性質の異なる物質を一挙に除く逆浸透膜技術もあるが、そのままでも飲める水道水の浄化には効率やコストを考えると難しい。活性炭やイオン交換樹脂およびフィルターを組み合わせ、それらの分解、吸着あるいはトラップ機能を総合して、水道水に含まれる物質を除去するのが妥当と考えられる。浄水器は蛇口に取り付けるものが多いが、給水管の途中のどの段階に組み込んでもよい。汲み置きができるポット型のものなど、いろいろな方式のものがある。

浄水器の仕組みを理解するには、水道水に含まれる物質を次の4つのカテゴリーに分けるとよい。
(1)次亜塩素酸 : カルキ臭の元となるいわゆる残留塩素
(2)有機化合物 : カビ臭の原因物質であるジェオスミンや2-メチルイソボルネオール、トリハロメタンや農薬など
(3)金属元素 : カルシウムやマグネシウム、鉛や亜鉛などの水に溶けている陽イオン 
(4)微粒子状物質 : バクテリアやカビまたクリプトスポリジウムなどの微生物 および 鉄さびのように水に溶けていない物質活性炭は、ヤシ穀などを原料として1,000℃くらいの高温で蒸し焼きにしたもので、内部は無数の微細な孔が網目状に存在する。そのため、1グラム当たり500平方メートル以上と信じられないほどの広大な表面積を持つ。活性炭には2つの機能があるが、表面の広さがそれらの能力を高めている。一つめの機能は水道水中の次亜塩素酸を酸化還元反応によって分解し、無害な塩素イオン(食塩の塩素と同じもの)にする。この反応で活性炭は徐々に失われるが、その量はわずかであり、浄水器のこの機能は比較的長時間持続する。もう一つは比較的水に溶けにくい非極性物質すなわちカテゴリー(2)の物質を吸着により取り除く機能である。寿命は通水量や使用時間にはそれほど関係せず、物質を活性炭の表面全体に吸着し終った時点で効力はなくなる。

イオン交換樹脂はビーズの様な粒で網目状のプラスチックで出来ており、活性炭と同じように広い表面積を持つ。内部にイオンと結合する手(官能基)をもち、官能基の性質の違いで陽イオン交換樹脂あるいは陰イオン交換樹脂に分けられる。浄水器は主に陽イオン交換樹脂が用いている。イオンは種類により官能基との結合力に差があり、カテゴリー(3)示したイオンは結合力が強く、使用前のイオン交換樹脂の官能基に結合している結合力の弱い水素イオンやナトリウムイオンと交換される。そのような原理でカテゴリー(3)のイオンが水道水から除かれる。官能基が全てイオンと置き換わるとイオン除去能力はなくなる。

フィルターはカテゴリー(4)の物質をろ過することにより取り除く。最も小さい細菌の大きさが0.2ミクロン程度で、それをトラップするため0.1ミクロン前後の口径のものが用いられる。フィルム式の単層フィルターではろ過面積を大きくできず、必要な流量が得られないため、多数の中空糸を束にしたフィルターを使ってろ過面積を大きくしている。 日本の水道では次亜塩素酸処理が義務付けられ、蛇口で有効な次亜塩素酸が残っているため、水道水が細菌汚染されていることは無いが、クリプトスポリジウムなど次亜塩素酸に強い一部の微生物はこのフィルターで除去できる。フィルターは目詰まりするまで使用できる。

(1ミクロン = 1000分の1mm)


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☆【5】私のスピリチュアル体験 第25回    ☆彡  ★彡
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                                有明弥

休日にマイカーで買い物に出かけ、目的地の駐車場で駐車した後に、後ろの車から若い男二人が降りてきて、急に「おばちゃん、当たったやないか。話つけよか」と言われました。なんのことか理解できませんでしたので、私は車から降りて「なんのことですか」と聞きました。そしたら、その二人の態度が急に変わりました。おばちゃんと思っていたのが、実は違うことに気付いたみたいです。しかし、向こうも引き下がれなくなり、警察に連絡したので、警官が来るまで待ち、検証に立ち会うことになりました。

警察官が、私の免許書を見て「男の方ですよね」と尋ねましたので、私は「はい」と答えました。警察官もそれ以上は何も言うことがなく、淡々とことが運びました。事故のことは保険屋に任すことになり、それで終わりました。

この時、女に見間違えられたことへの嬉しさに気づきました。しかし、その後女にはなれないことに対する複雑な思いになりました。しばらく時間がたち、心境の整理をしてみましたが、複雑なままでした。友達の姫にこのことを話しすると、「よかったやん。おばちゃんに間違われて。喜んでいる?」と言われました。その時は笑って、「嬉しいかもな」って言いました。確かに以前の私では考えられないことです。喜んでいいのですが、どこか心に引っかかりがありました。

数日がたち、ゲイの知り合いのブログを読み、その答えが分かったように思います。「最近マスコミや行政はセクシャルマイノリティを取り上げるが、いつもGID(性同一性障害)のことばかりで、同性愛者のことは取り上げてくれない」といった嘆きの内容でした。確かにそうかと私も思います。それも偏った取り上げ方で、根本に男と女の二分化でしか見ていない現実があります。私は何処までいっても女にはなれないと感じていますし、男でもないと感じてもいます。無理に二分化してしまう行動に、怖さを感じてしまいます。


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■【6】生活に役立つ下水道豆知識 (4) ☆★☆ 彡
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          ◆ みそ汁から見る下水処理の仕組み ◆
                                      マンホールマン

僕はマンホールマン。下水道啓発紙芝居「マンホールマン」の主人公です。今回は「下水処理の仕組み」についてお話します。日本人にはみそ汁が好きな人がたくさんいます。このみそ汁と下水処理の仕組みがよく似ているので紹介します。みそ汁をお椀に入れたままにしておくと、お椀の底にはみそが沈み、透通ったきれいなだし汁と分離しますね。みなさんの家庭から流れてきた下水も、下水処理場で長時間おくときれいな水になります。ただおくだけではだめです。みその役目をするものが必要です。それが微生物と呼ばれる原生動物なのです。


微生物は空気がなければ生きられません。そのため下水処理場では大量の空気を下水に送ることで微生物の活動を活発にしています。おなかのすいた微生物は、下水の汚れをたくさん食べ下に沈みます。そしてきれいになった上水を消毒して川にもどします。このように、みそ汁が分離する原理と同じ方式で下水は処理されています。これを「標準活性汚泥処理法」と呼んでいます。世界の各都市と日本のほとんどの都市で、この方式が採用されています。単純に言えば「みそ汁方式」ですね。

この「みそ汁方式」もお椀が小さく、みその量が多かったらどうなります。きれいなだし汁ができません。これを水槽で金魚を飼育することにたとえます。みなさんは水槽に金魚を飼育するとき、金魚の数によって水槽の大きさを決めませんか。金魚の数が少なければ小さい水槽。多ければ大きな水槽になります。そして適量のえさと空気(酸素量)があれば飼育できます。えさをたくさん与えると、水槽にえさが残り腐敗し水が濁り酸欠状態になります。反対に空気を多く送っても金魚には逆効果です。

金魚を飼育するよい例は、与えるえさと空気(酸素量)のバランスを知り、水槽内の環境をこまめに調整して、金魚の住みよい環境にすることが最善です。また、金魚も人間と同じで、年老いた金魚より若い金魚のほうが食欲は旺盛です。同世代の金魚を分けて飼育することが長く飼育するコツです。

下水処理場でも金魚の飼育と同じように、汚れた下水からごみや砂を取り除き、微生物を大切に育てることによって汚れた下水をきれいな水によみがえらせます。そして川も海もきれいにして魚が住めるようにすることが下水道の役割です。


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■【7】福祉教育語りの会 ☆彡

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《福祉教育語りの会とは》
障害者が、小・中学校及び高校などあらゆる場所で、受障の体験を話したり、どのようにして再出発したかを《語る》ことは、「子供たちに障害の理解と《生きる力》と《思いやる心》」を育てるきっかけになると考えています。社会にはいろいろな人がいて、それぞれの存在を認め会って生きていることを知るきっかけにしてほしいと願っています。
このような「思い」から「福祉教育語りの会」は設立されました。

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 □ やさしい手 そして 出合い ☆彡
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                                        山本 美恵子

私の乳幼児期は食糧難、医師不足などと時代も悪く、色々な感染症にかかりました。その中でも4歳の時にかかった急性腎炎の後、突然ほとんどの視覚を失いました。さいわい単独で行動できる程度の視力はまだ残っていましたから、近所の小学校に入学はしたものの、文字が見えない、周りの人の細かい動きも見えないという私の異常を、両親はその時はじめて気づいたのです。

手術を受けましたがそのかいもなく視力は徐々に失われていき、28歳で完全失明しました。単独での行動の自由は奪われました。結婚していましたので、家に引きこもっていた私の気持ちを外に向けてくれたのは、やはり子供の誕生でした。子どものためにおいしくて栄養価の高い料理を作りたい、手作りのセーターを編みたいと、わたしの気持ちは講習会を受けたい一心で外に向いていき、やがて白杖を使っての単独歩行に挑戦することとなりました。

最初は家の周りを、近くの郵便局へ、そして最寄りの駅までと日に日にその距離は伸びていきました。ひとりで電車に乗れたときの感動は今思い出しても胸がわくわくします。ただし、ひとりで歩けるといっても白杖歩行では失敗続き、駅の階段を見落として上から下まで落ちたこと、危うくホームから線路に転落しそうになった時、誰かのやさしい手がわたしの身体を支えて下さったことなど、冷や汗をかいたり嬉しかった思い出はたくさんあります。

いくら「まっすぐに進んで」と注意してもらってもその直進方向がとれないのが全盲の私達です。信号の赤青の判断は車の動きや人の動きで、ある程度判断しますが完全ではありません。自動販売機も点字表示がなければ値段や種類がわかりません。社会の皆さんの積極的なお声がけが、またやさしい手がわたしたちの命を守ってくれます。
(山本さんのことが4月21日サンケイ新聞で紹介されています)

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 □ 地域でともに生きる ☆彡
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                                         鈴木昭二

寝たきりの患者さんへ往診に行った帰り道のこと。急な坂道の一方通行を登ってくる車を左に交わしながら、私は、白杖を溝にガイドラインして下って行く。電柱を過ぎると、左壁に移動。そこには時には車が駐車されていることがある。今日はないのを確認。そこを過ぎると低い壁をガイドラインする。左に振った白杖は馬止めを捕らえた。馬止めの間隙を体をねじってするりと抜けると、用水路の上の道を歩く。5〜6メートル歩くと「ピッピッ」と音響信号の鳥の音。1回、2回、3回、と鳥の鳴き声の信号音を数えながら速足になる。右に曲がるとすぐ信号だ。だが、すでにその鳴き声は消えていた。渡ってきた人に「青ですか」と聞く。「渡れます」と答えてくれた。急いで信号を渡った。つい最近音響信号が敷設された。私にとっては、たいへん助かる。

さて、この患者さんは22歳の男子。出産時に早期胎盤剥離により難産で脳障害を起こし、数パーセントの生存しか望めないと医師から宣告されたこともある。いま、寝たきりの彼は、脊柱の側湾・運動神経麻痺など脳障害の後遺症を持っている。最近では、のどを切開し、気道と食堂を分離したために、言葉を発することはできない。元々言葉はしゃべることができなかったので、酸素ホワードを高め呼吸を楽にすることを選んだ、とお母さんはおっしゃる。

彼のマッサージの往診で週に3度通っている。お母さんは彼の好きなお風呂に毎日入れているのだが、私がマッサージを施術した日は、体がやわらかくなっていて狭いお風呂の入り口や浴室でも、世話をしやすいという。こんな言葉を聞く時《やりがい》を実感している。

近年視覚障害者の一人歩きに補助的な社会資源が増えてきたことを、うれしいと共に心強く感じている。欄干のない橋と言われる電車のプラットホームには、先端に平行して警告用点字タイルの敷設。公共施設へは点字タイルによる誘導。エレベーターでも音声ガイドをよく耳にする。ところが、機械や道具には限界がある。プラットホームに点字タイルを敷いても転落事故、電車との接触事故が減った訳ではない。音響信号でも早朝や夜など周囲の住民の騒音公害となり、音響の稼動時間を朝8時から夜8時までに制限しているところが多い。

実は、街で視覚障害者を見かけたら、「なにかお手伝いしましょうか」と声をかけてくれると、とてもありがたいことであり、一番安全で安心なのです。

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 □ 盲導犬は大切なパートナー ☆彡
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                                      宇根山 千恵子

私は20数年前に、緑内障で失明をしました。その後歩行訓練を受け、さらにその後に、パートナーとしての盲導犬の訓練を受けました。その頃の一般の人には、今と違い盲導犬への理解があまりありませんでした。たとえば、スーパーや喫茶店、ホテル等では入店拒否をしていました。犬を連れて入ってこられては、他の人に迷惑がかかると思われたのでしょうか?

道行く人達にも理解をしてもらえませんでした。それで私は、知り合いと一緒に喫茶店やレストランにはいりました。その後、徐々に理解をしてもらえるようになりました。今では入店拒否は少なくなりました。

私が盲導犬といっしょに歩いていて迷ったりした時に、「盲導犬はちゃんと赤信号で止まるよ」とか、「迷ったりしないよ」と言っている声が聞こえます。電車の中で席があいているのに、「盲導犬はあいている席には連れてこないの?」などと言ったりしている声も聞こえます。

盲導犬は、利用者が道を覚えているとちゃんと歩くことが出来ますが、こっちが道を勘違いをするときにはいっしょに迷います。盲導犬は利用者がまわりの空気を察して信号を渡れば歩くのですが、赤信号の色はもともと分かりません。

街で、盲導犬を連れた私達を見かけて、もしも困っているようでしたら、声を掛けてください。よろしくお願いします。


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■【8】詩                ◆彡◇彡
□                          ◆彡★彡
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    ■ 小さな農園 ■

                  陣内 三朗

ベランダのプランタに植えた
プチトマトに実がついた

トマト一苗
プチトマト一苗
きゅうり一苗
小さな小さな我が家の農園

肥料、土、etc
とても採算は合いませんが
理屈を超えた喜びがそこにあります

経済優先、効率化では得られないものが
そこには在るような
そんな気がします


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★【9】 編集後記                     ★☆★
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映画「グランド・トリノ」を観た。主演のクリント・イーストウッドの演技がとてもよかった。結末に至るまでの行動には納得できないところもあるが、監督でもあるリバタリアンと言われる彼ならではのメッセージなんだろうか。誰か教えて!(スー)
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