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掲載記事索引

◇市民ライターどんどん
◇地球を見つめて〜なんちゃって
   ……かざりえみこ
市民ライターのキモ
  その真実と技術
   ……吐山継彦
オバチャマは市民ライター ……オバチャマ
ラム 
脱サラ議員奮闘記
…山根一男(可児市議会議員)
関西弁だば、まんづ わがんね
   ……秋田おばこ
ライティング情報あれこれ
◇参加レポート「行ってきました」
◇三反農家の米作りノート
     ……平田泰史
◇わが町中津を語る
    ……霊崎(たまさき)
◇お薦めメルマガ勝手に紹介
◇お薦めのこの一本
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★☆★ 書く力、書く参加!
☆★
★          市民ライター通信
☆ 2009.1.20
---------------- http://f-ts.bb4u.ne.jp/~writer/  ★ 第64号★☆★
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■まいど おおきに!■
 
2009年の初めての発行です。昨年末より編集委員にも新しい強力なメンバー
も加わり内容もこれまで以上に多様になりました。本年も引き続きよろしく
お願いします。


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【1】市民ライターどんどん(46)
   ごみの減量から暮らしを見直す =子どもたちの未来のために=
    ……………………… NPO法人ごみゼロネット大阪 松井淳太郎
【2】論・RON・ロン
    二回路制のデモクラシーへ ……………………………… thayama
【3】地球を見つめて〜なんちゃって(64) 
    ウシと牛と丑 ………………………………………… かざり えみこ
【4】オバチャマは市民ライター (30)
    政治を若者に〜一票の価値 ………………………… オバチャマ
【5】自分史「大阪ベイエリア」(3) 大正区編 
    ロバのパン屋  ………………………………………… トミ〜さん
【6】チョットかがく (2)
    経済グローバル化と化審法改正  ………………………… OHE
【7】「還暦」という生き方 
    ― 坐禅 ―(2)  …………………………………… 山内 庸行
【8】私のスピリチュアル体験 第21回  ………………………… 有明弥
【9】点字の父ルイ・ブライユ生誕200年
    視覚障害者の文字  …… 大阪市福祉教育語りの会 鈴木昭二
【10】からだを散歩すると(1) ………………………………  竹藪 耶桁
     
【11】詩・降ってくる ………………………………………… 陣内 三朗
【12】イベントのお知らせ
   (1)「雇用」を正せ! 仲間を救え!
       1・23緊急市民集会
   (2)よどがわ わくわく博
   (3)お話の語り手講座開講30回記念講演会
      〜 伝承の語り文化と市民社会の福祉
【13】編集後記


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■                           ★彡☆彡
□【1】市民ライターどんどん (46)      ☆彡
■  NPO法人ごみゼロネット大阪 松井淳太郎
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■              ★彡
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  ◆◇ ごみの減量から暮らしを見直す
               =子どもたちの未来のために=◇◆


社会活動のあらゆる場面で、「エコロジー」と「エコノミー」の究極の選択が迫られている。地球温暖化防止と身近なごみ問題の関係を考え、自らのライフスタイルを見直し、実践していくことが重要である。“一緒に考え・行動しまひょ!温暖化のこと、ごみのこと、暮らしのこと。子どもたちにも、すばらしい地球を残していこう!”との思いで活動を展開している。

2008年度(2008・4〜2009・3一部予定)ごみゼロネット大阪の活動を概観すると
1、講義系(29回=3052人)
2、リサイクル体験教室系(41回=1670人)
  →1)廃油から石けんづくり(14回=420人)、
    2)廃油からアロマキャンドルづくり(22回=1112人)、
    3)牛乳パックから紙すき(5回=138人)
3、イベント系・ごみ分別回収(4回=1380人)
4、見学会(2回=17人)
5、パネル展、リサイクル品展示など(4回=850人)
*1〜5計=80回・6970人

他に、補助金・助成金系(10応募=5○、3×、2→2009年度分応募中)、地元連携活動(5回のキャンドルナイトシリーズ、地元商店街との連携、マイ・マイ・クラブ運動立ち上げ中、キャラクター「マイちゃん」作成)、地元広報紙、ミニコミ紙、ラジオなどに取り上げられるようになってきた。

廃棄物(ごみ)問題といってもその中で、どういったところに焦点をあてるか。
1)レジ袋、2)紙類(新聞紙、ダンボール、牛乳パック、オフイス古紙、雑紙)、3)生ごみ4)廃食油、5)缶・びん・ペット、6)容器包装プラスチック、7)旬の野菜、8)割り箸9)イベントごみ、10)焼却ごみ 等、個別か組み合わせか、その方法は?

他都市の実態はどうなっているのか。
例えば、大阪市と平成10年にごみ非常事態宣言を出した名古屋市、平成14年にG30行動宣言を出した横浜市との比較。具体的には、1)総排出量と「家庭系ごみ」・「事業系ごみ」、2)「焼却埋立て等」と「粗大ごみ、資源ごみ集団回収」3)リサイクル率、4)ごみ分別品目と回収方法等の分析が必要である。

3R(@リデュース、Aリユース、Bリサイクル)についても、この順番が大事。
まずは、ごみを出さない、ついで再利用(そのままの状態でもう1度使う=牛乳びん、ビールびん、酒びん)する、そして再生利用する。

分別することも大切であるが、もう一歩突っ込んで、「暮らし」を見直し、自らのライフスタイルを見直していけたら良いですし、これらのことが、種々の「連携型活動」によって展開できれば、より一層にすばらしいことだと思われる。


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■【2】 論・RON・ロン ☆彡
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         ■ 二回路制のデモクラシーへ ■
                                            thayama

現在の日本政治の散々のていたらくを観察していると、なぜこんなことがまかり通るのか、との疑問ばかりが頭のなかを駆け巡る。とにかく決定のスピードが遅過ぎる。1人1万2千円の定額給付金の問題にしても、昨日あたりの国会中継でもまだ政府と野党がその是非について議論していた。

篠原一さんの『市民の政治学〜討議デモクラシーとはなにか』(岩波新書700円+税)によると、ドイツの哲学者、ハーバーマスが民主主義の二回路制ということを提案しているらしい。「法が妥当するためには討議が必要であり、やや単純化していえば、政治システム内の討議・決定と、生活世界に根ざした市民社会における討議という二回路システムの存在が強調される」。(『市民の政治学〜討議デモクラシーとはなにか』108p)

第一の回路はいうまでもなく、既存の議会制民主主義システムである。そして第二の回路が市民による討議デモクラシーであり、具体的にはプラーヌンクスツェレ(計画細胞)やコンセンサス会議など、市民参加による討議と提案のシステムである。今や制度疲労のため機能不全を起している間接民主主義に対して、直接民主主義的な民意の回路を用意することが必要なのだ。

ぼくは二回路制は、政治だけでなく、さまざまな分野で必要になっていると思う。マスメディアのジャーナリズムという第一の情報回路に対して、ブログや市民活動系のミニコミなどの第二の回路。また、専門家による学問や科学の第一の知的回路に対して、レイ・エキスパート(素人だけど専門家なみの知識と情報を持っている人)による第二の批判的回路等々。

いろんな分野で市民が関わる第二の回路を形成することによって、古い権威主義的な第一の回路がより民主的なものに変質していく。そして、第二の回路もまた、信用や権威、安定性などを確保していく。そういう相乗効果がないと、第一回路だけではこの激変する社会(世界)に対して創造(想像)的な企画や提案はできないのではないかと思う。社会的イノベーションは、二回路制の社会を築くことによって可能となるのではないか。


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■【3】 地球を見つめて〜なんちゃって(64)    ☆彡
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          ◆ ウシと牛と丑 ◆
                              
                                         かざりえみこ

1月も半ばを過ぎると、さぞかしエネルギーを注いだ(であろう!)年賀状も、机に無造作に積んだのが邪魔になってきます。いま始まったばかりの2009年が、いよいよ終わる頃になると、これがまた必要になりますから、大切に置いておかなければいけません。

自らの手による版画や、かわいい孫、子ども、ペットまで、またはぎっしりと自筆で埋めた近況報告まで、1枚ずつ見直していくと結構おもしろいものですね。ウシ年のウシというのを「ウシ」「牛」「丑」と表記しますが、違いを確認してみました。

「ウシ」とするのは、技術や学術用語で生物の名前を表すとき。たとえばヒト、ネコなど。ウシの反芻胃は小学校の理科で習ってなぜか覚えています。

むかし我が家の近所に農耕用にウシを飼っている家があって、珍しさによく見に行きました。おかげで「牛のよだれ」とか「牛の小便と親の意見は……」などの意味が、子ども心にもよく理解できたものでした。「牛」は一般名詞の「うし」で訓読み、音読みでは「ぎゅう」となります。会話の中では場面にもよりますが「ぎゅう」と言えば、ある時には「牛革」で、またあるときは「牛肉」にもなります。牛乳のことは「ぎゅう」といわないのは、他の動物の乳を飲む習慣がほとんどない日本だからでしょうか? 牛の胃は、焼き肉屋さんでミノ、ハチノス、センマイ、ギアラなどと呼ばれていてそれぞれに、反芻胃の第1から第4までの順番です。もともと腐敗しやすくて「放るもん」だった内臓を、長時間ゆでたり水洗いしたりして食用にした中国・韓国・朝鮮系の食べ方を取り入れたものとか。若いときは私も焼き肉をおいしいと思いましたが、このごろはなぜか苦手になりました。

「丑」はおもしろい字で、文字そのものは牛とは関係がないとか。手の指を曲げてものを握る様子を表した象形文字で、つかむ、からむ、と言う意味があるとか。
Wikipediaによれば、
 ・丑年は、西暦年を12で割って5が余る年が丑の年となる。
 ・丑の月は旧暦12月
 ・丑の刻は午前2時を中心とする約2時間。
 ・丑の方は北北東よりやや南寄り(北東微北)の方角である。
とあります。算数に弱い私にはたとえば適当な西暦年を書いて、それを12で割って余りが5になれば「丑」年だといわれても、なんで? となるのですが、陰陽五行思想に基づいたとなると、とたんに興味が湧いて、ネット上であちらこちらとしばらく読みふけっておりました。


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★【4】オバチャマは市民ライター (30)         ☆★彡
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     ■ 政治を若者に〜一票の価値 ■ 
          
                                          オバチャマ
                              
政治を若者にバトンタッチした国の話。異年代の交流がとても自然で、温もりに満ちている。表情はみな明るい。昔、その国の政治は酷かった。政策はすべて後手後手にまわってその場しのぎ。総理大臣でさえ、派遣社員と同じでいつでもやめられたんだそうだ。「老人の老人による老人のための政治」が長く続いて、経済も文化も福祉もすべてが老人中心。あまりに尊重した結果、高齢者ばかりの社会になった。

民主主義国家だから選挙はあった。老人の数は若者よりもはるかに多いし、年金と介護保険のおかげでゆとりもあって投票率は高い。政治家は老人のための政策を打ち出すし、若者に希望なんてありゃしない。不況で仕事もお金もないから、結婚も子供も諦めている。ズレた少子化対策はあったみたい。

政治を変えるしかない。10年先 20年先、30年先……の世界を見据えていなければならない政治家が、選挙で勝つために今しか見ない政治をする。高齢化社会では世代交代ができない! 一票の価値はみな同じ。それが平等だろうか。20才の若者が80才まで生きると仮定すれば、いま選んだ政治家による政治の影響が年月で薄まったとしても、60年間その影響を受けて生きることになる。一方、79才のひとが政権交代で受ける影響はたったの1年。人間によって一票の重みは違う。少なくとも年齢による差は埋められる。

一票の不平等の是正。年齢による差別化。後何年生きるか、政治の影響を今後何年受けるかを考慮。人生平均80才と考える。
  20代、30代……1票は3ポイント(60年〜50年間影響を受けるものと考える)
  40代、50代     2ポイント(40年〜30年間)
  60代、70代     1ポイント(20年〜10年間)
  80代以上       選挙権なし(あとは楽隠居)
65歳からは被選挙権もない。

老人たちはその意見を受け入れることにした。若いひとが希望をもって暮せなければ幸せな国家とは言えないと思ったのだ。政府は様々なところで公聴会を開き、市民の意見を聴き、議会は承認、成立したそうだ。「権力を若者に譲って、惜しくなかったですか」そう老人に尋ねると、「企業でも退職して現役を退く年齢に、責任も重い政治家は引退が当然。世代交代が大事ですよ。未来を考える政策は、未来のあるひとしか決められない。70才では、20年先、30年先のことに責任は持てんでしょう。時代の流れは速い。あの頃の政治は未来どころか、後手後手に回った政策ばかりでした。若い人に安心して任せていますよ。あの人たちの未来だからね」長老たちは穏やかな顔であははと笑った。(初夢だったか……)


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■【5】自分史「大阪ベイエリア」(3) 大正区編
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            〜 ロバのパン屋 〜

                                       トミ〜さん

「咲洲」「舞洲」「夢洲」は、大阪湾に浮かぶ人口島の名称である。大正区20年史の文献に「木津川・尻無川が吐き出す泥砂が沈殿し堆積して、長い歳月の間に河口に洲がつくられる。いつの頃よりかこれを開墾して、ここに生活を営んだ。更にその先に洲を生ずれば、またこれに人工を加え耕地を作って人が移り住む。そうしたことが幾百年もの間、撓みなく繰り返されて、海が洲に洲が新田になり、そして村落ができていった。これが即ち大正区の成り立ちである。」と記述されている。「舞洲」「夢洲」と「咲洲の一部」は、2008年大阪オリンピック招致の失敗や「WTC」「ATC」など、バブル期の“負の遺産”を未だ背負っている。同じ「洲」でも、何かが違う。

大正区は南北を「本田大運橋線」(大正通)、東西を「泉尾今里線」(大浪通)と「尼崎平野線」(国道43号線)の三路線がある。大正区の道路状況は、大正初期まで三軒家と難波島以外の大部分が農村のため整備されていなかった。しかし、大正初期以降急速に近代的工業の発達をみるに至り人口が激増し交通状況が一変した。道路整備のさきがけは、やはり大正橋(大正4年)の架橋である。大正10年以降の第一次都市計画事業や、これにともなう各種街路事業により全面的に新設・拡張・改良が行われ、幹線街路網はほとんどこの時期に完成した。第二次大戦により戦後復興の街づくりとして、昭和21年5月に「都市計画街路」を決定、「尼崎平野線(阪神高速西大阪線)」が1970年(昭和45年)、「本田大運橋線」が1979年(昭和54年)に完了し区内の交通事情は飛躍的に進展した。

大正区は四方を河川や海に囲まれている。メイン道路は「大正通」である。港区は「みなと通」、此花区は「北港通」、西区は「本町通」と「土佐堀通」、住之江区は「住之江通」と「南港通」、いずれの区も中央を縦断する「通」がある。「通」は区民の重要な生活道路になり、経済発展に欠くことができない。大阪市は「浪華八百八橋」といわれたぐらい、河川の多い街であった。その河川が埋められ、道路が整備された。そのため、大阪市の地理は覚えやすい。大阪の道路は南北を「筋」(すじ)、東西を「通」(とおり)と呼んでいる。代表的な「筋」を紹介すると「御堂筋」「四つ橋筋」「堺筋」「松屋町筋」「谷町筋」「上町筋」「今里筋」「あみだ池筋」などがある。「通」は、ほかに「中央大通」「長堀通」「千日前通」「長居公園通」など、有名な「筋」「通」が多くある。タクシーの運転手などは「筋」「通」で道を覚えるという。

2〜3年で「小林斎場」から少し北にある木橋の袂に移り住んだ。考えると住む所をよく変わった。当時は家財道具もほとんどなく、リヤカーか自転車ぐらいで引っ越しができた。ほとんど、着のみ着のままの状態と同じである。貯木場に近いせいか製材所が周辺に多かった。家の半分は川(運河)にかかり丸太で支えている。西側の窓を開ければ川面、東側は道路より低い場所である。玄関を左に出れば川辺に出る。子どもの頃は「筏あそび」をよくした。泳げないが「筏」から落ちても死ぬことはなく今でも生きている。トイレは水洗ではなく、くみ取り台車がやってくる。電気冷蔵庫も炊飯器もない、氷の冷蔵庫と「かんてき」と釜。「ロバのパン屋」が来ても買えないが、ロバを見て付いていくだけで楽しかった。食べるものもなく貧乏な生活をしていた。この時代がなければ今の自分はない。大好きな人情の街「大阪ベイエリア」。


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■【6】チョットかがく (2)         ☆彡
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        ■ 経済グローバル化と化審法改正 ■
                                             OHE

今の世の中、化学物質とかかわりがない生活は考えられない。化学物質には動植物あるいは石油などの構成成分のように自然に存在するもの、プラスチックや洗剤のように人為的に作られるもの、ダイオキシンのように非意図的に出来るものがある。化学物質は生活を豊かにし、健康で快適な生活をもたらすが、一方で、健康や環境に悪い影響を及ぼすおそれがある。そのため、化学物質は幾つかの法律で規制されている。その中で「大気汚染防止法」や「食品衛生法」は有害化学物質の排出を抑え、あるいは使わないよう規制するもので、一般的によく知られている。一方、それほど知られていないが基本となる法律もある。その一つ、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」が国際的な共通の課題に対して対応できる形に、今年改正される。

化審法はカネミ油症事件のポリ塩化ビフェニル(PCB)による健康被害を契機に、1973年に制定された。「新規化学物質」の製造・輸入の際、化学物質が環境を経由して人の健康や生物に被害をもたらすかどうか、事前に審査を受け、新規な有害化学物質を作らない、いわゆる蛇口規制となっている。これにより人や動植物に有害な化学物質による環境汚染の防止など一定の成果は上がっている。しかし、化審法施行時点ですでに使われていた「既存化学物質」については国が安全性点検を実施することになっているが、その後30年以上経過した現在に至っても約2万種類のうちたったの数百種類の化学物質しか毒性試験が行われておらず、「既存化学物質」はそのまま使い続けられている。

2000年以降、諸外国で化学物質の新しい規制法が検討され始めた。特に欧州連合(EU)では2007年に厳しいREACH規則が施行された。これでは化学物質を製造、輸入および化学物質を含有した製品(サプライチェーン)を製造、輸入する事業者は扱う物質や製品の特性に関するデータを社会に提供し、化学的安全評価を行い、リスク管理措置を実施する義務を負う。EUでは、これまで約3,000種類の「新規化学物質」を管理してきたが、今まで規制対象外だった約3万種類の既存化学物質、すなわち通常使われているほぼ「全ての化学物質」を対象に登録する。登録されていない物質、つまり安全性が分からない物質あるいはそれを含む製品は、今後、EU域内では使うことができなくなる。

経済のグローバル化で化学物質やそれを含む製品は国際取引を通じ、国境を越えて移動している。このままでは日本は今の化審法の下で製造された化学物質あるいはそれらが含まれる製品を諸外国に輸出できなくなる。国際的な化学物質規制の動きは輸出立国日本の経済に大きく関わる国際的な変化であり、世界の動きに沿った形での化学物質管理に取り組む必要があり、それが今回の改正になった。

一般に化学物質をはじめ工業製品や農作物における規制は輸出を前提とした場合、基本的には国際的にもっとも厳しい規則に対応しなければ、輸入国の規制が貿易障壁となって、輸出が出来なくなる。よく知られた話として、ソニーは、2001年にオランダから、家庭用ゲーム機の部品にEUの規制(RoHS指令)を超えるカドミウムを検出したとして、製品の陸揚げを差し止められた。当時、日本では工業製品のカドミウムに対してそれほど厳しい規制はなかった。これを契機に産業界は日本の法規制に関係なく、EUの規制にあわせて全ての電化製品の部品を開発・製造せざるをえなくなった。ちなみに、ソニーはこのことで190億円もの損失を出したといわれている。

今回の改正はEUやカナダ、アメリカの化学物質管理制度の改革に引きずられて、国際的に整合性のある制度に変えていこうとする点は評価できる。しかし、日本も自ら提案できる国にならなければならない。化学物質の安全な使用や人間を含めた環境に関する規制がだんだんと核心に迫っていることが今回の改正で実感できる。


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■【7】「還暦」という生き方             ★彡
□        ― 坐禅 ― (2)       ☆
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                                         山内 庸行

私は中学時代の後半くらいから「人生とはなんぞや?」という問題に取り付かれてしまった。今も基本的にはそれは変わらない。この悩みが、実は自分の生きる力になっていたと最近になってこそ感じることがあるものの、当時は日々自殺を考えるほど本人にとってはまことに深刻なものであった。大学入学後、まずキリスト教研究会にその回答を求めた。しかし、最終的には坐禅のクラブ(般若団)に入り、ほぼ2年間禅寺から大学に通うこととなった。「神は信じれば見えてきます」というスペイン人牧師の言葉について行けず、「大疑のもとに大悟あり、釈迦も達磨も疑い尽くせ」という“ものごとを全て疑い尽くす”禅宗に、より説得力を感じた結果である。

坐禅とは、「釈迦・達磨の悟りの追体験」であると私は思っているが、禅宗には、たとえば「沖を進む帆掛け舟を、この岸辺で止めてみよ!」とかいう問題(公案)を解くことで体験に迫ろうとする一派(臨済宗)とただただ坐ることだけで体験そのものになりきろうとする一派(曹洞宗)が存在している。私は学生時代には臨済禅に、そして還暦後に曹洞禅に出会うことができた。いずれにしても坐禅で得られる釈迦・達磨の追体験の中身とは一体どんなものなのだろうか?もちろん私にはそれを語る資格もまた能力もない。しかし敢えて表現すれば、「阪神淡路大震災被災者の体験」は、比較的それに近いのではないかと私は想像している。7・8年前にある被災体験者がトツトツと語った言葉が今も鮮明に私の耳に残っている:

「被災前は会社に向かってわき目も振らずに歩いていた。信号待ちのときも信号を 一途に眺め、ただただ変わるのを待つだけだった。しかし震災後は、信号待ちのときにも隣に立つ人に声をかけ、路傍でしゃがんでいる人など周りの人のことが何故かしら気になっている自分に気づいた・・・」 一言で言えば“我に返った”ということであろうか。

家族のため自分の生きがいのためなどという大義の下に要はいつも自分の思いだけに心を奪われていた自分が、ふっと我に返る。そして他人のこと回りのこと自分のあしもとのことが見えてくる。自分の頭が描く世界ではなく、ナマの生きた世界が見えてくる。この自分は、実は宇宙一杯の大きな命が今・ここに現れたものであり、大きな命に生かされている喜びが微かに沸いてくる・・・これらのことが釈迦・達磨の体験の中身であり、「人生とはなんぞや」の問いに対して釈迦・達磨が発見した答えだったのではないだろうか?!

                            (つづく)


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☆【8】私のスピリチュアル体験 第21回         ☆彡  ★彡
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                                            有明弥

今さらですが、「性的マイノリティの基礎知識」という本を読みました。自分ではある程度理解していたつもりでしたが、現実は私の理解を超えていました。どのように現代にいたってきたか、そして私の内で起こっていること以上の現実が世界で今起こっているのかを知り、改めて自分が何をしようとしているのか、また何ができるのか考えさせられました。

同性愛者、トランスなどを法的に取り締まり、死刑になる国も現実に存在します。そんな中で、私は今こうして男と女(ジェンダーにおいて)を行き来しながらも生活できています。苦しみながらも、楽しんで生きていることは幸せなことです。しかし、現状に甘えていては、それ以上の幸せは望めません。そこで私は、より自分らしく生きていけるように努力したいと思い、お正月に伊勢神宮に初詣に行きました。

1月2日に、着物を着て、上本町に行き近鉄に乗りました。指定席に座ると、隣にご婦人が座わられました。私はいつものように少し緊張して、できるだけおとなしくしていました。ところが、そのご婦人が、「素敵なお着物ですね。ホームにいるときに目に付いていましたが、隣になるなんて」と話かけてこられました。「ありがとうございます」と返答しましたが、内心これから一時間
以上どうしようと心配になりました。
 ご婦人「どちらまで」
 私「お伊勢さんまで、初詣に」

私のことどう見ているのだろうか、なにか言ってくるのだろうかと私は内心おろおろしているのに、そのご婦人は、着物のこと、自分のこととなど次々に話を続けてきました。私は始めはなんとか返事をしていましたが、だんだんその人に乗せられ、構えず自然に話をするようになりました。そうするうちに、
 ご婦人「あなたみたいに、自分を真直ぐに生きているっていいわね」
 私「いや、まだ真直ぐではないですよ」
こんな人初めてと感じながら、なにか居心地のいい時間を過ごしていました。その後も、お互いに話が途切れることなく、時間が過ぎていきました。

伊勢神宮に着き、私は晴れやかな気持ちで、お参りができました。そして、一日楽しく、初詣気分に浸ることができました。私の考えや行動が少しでも受け入れてもらった嬉しさ。そんな出会いでした。これから私が生きていくのは、大変かもしれません。でも私は、こんな出会いがまたあると信じて、私らしく真直ぐに生きて行きたいと思います。名前も知らないそのご婦人に感謝しています。


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■【9】「点字の父ルイ・ブライユ生誕200年」          ★彡
□       視覚障害者の文字           ☆彡
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                          大阪市福祉教育語りの会 鈴木昭二

私は、昭和49年「24歳」の時ベーチェット氏病により、視覚障害「1級」になりました。視覚障害者には、二つの大きなハードルがあります。そのひとつが移動の障害、二つ目に情報の障害です。半年後に、視覚障害者の適応訓練をしている日本ライトハウス職業生活訓練センターに入所し、歩行訓練・身辺処理「日常生活訓練」・点字などの訓練を1年間受けました。

歩行訓練や日常生活の訓練は、ちょっとした工夫でなんとかこなすことができたように思います。ところが、点字「読み」に関しては、なかなか上達しないもので、中途であきらめる人がたくさんあります。特に、パソコンの画面読み上げソフトが普及すれにつれ、以来、点字離れが目立つようになりました。ところが、点字にはたいへん有益なことがたくさんあります。
1. 指先から触れるものであり、直接脳に覚えこませることができる。
2. 自分の書いた文章を確認できる。
3. 持ち運びに便利
4. 安価である。
5. 耳で聞く音でなく文字を正確に覚えることができる。
などなど、まだまだたくさんの利点はあると思います。

ところが、一番の難点は、触読の困難さであります。点字の読みを上達させるには、毎日の読書をかかさず、常に点字に親しまなければなりません。私の点字との付き合いを紹介しますと、毎週60ページほどの毎日新聞発行の「点字毎日」を愛読し、視覚障害者情報を収集しております。また、会議のメモ書き。名刺に点字を記入し、名刺の肩書を確認。年賀状に点字で近況を報告。など私にとって欠くことのできない点字の父「ルイ・ブライユ」に日々感謝しております。

『点字はどのようにして考えられたのか』
視覚障害者の使用する文字の開発は、かなり以前から考えられていました。銅板や木片に普通字を彫るなどして触知する方法などが考案されました。この発想を転換し、現在世界的に使用されている《6点式点字》を考案したのは、フランスのルイ・ブライユ「1809年〜1852年」彼がパリ盲学校在学中砲兵士官シャルル・バルビエがあみだした暗号文字をヒントに縦3点2列の6点のブライユ式点字です。これを日本語の50音に当てはめたのは、石川倉次でした。1890年11月1日に日本の点字として制定されています。


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■【10】からだを散歩すると (1) ☆彡
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〈身体言語〉〈ボディランゲージ〉〈仕草〉〈身体由来の成語〉など、大きな看板も見受けますが、これから数回にわたり、ちょっと趣向をかえて《なんでもあり》の角度で「からだ」を見ていきます。まずはその第1回目をどうぞ!

              ■ 首 くび ■

                                      竹藪 耶桁

いくさ場で切り落とした首が、手柄の証しとなるかどうか
首実検するという場面が時代小説などには出て来ます。味方なら首化粧して弔ったり、敵ならさらし首にしたり、蒔絵を施した首桶を開ける場面など、想像するだけでも身震いします。

時代が下っては、首をかけて働いて、借金で首が回らないことになり、あげくは首切りが待っているのでは、なんとも寒い話で幕開けの新年でした。


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■【11】詩                ◆彡◇彡
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    ■ 降ってくる ■

                  陣内 三朗

降ってくる 降ってくる
私の心に降ってくる
私の思いが降ってくる
愛の言葉で降ってくる

降ってくる 降ってくる
言葉の力が降ってくる
私の心に降ってくる

言葉と言葉を繋ぎ合わせ
人を元気に出来るなら
私は元気を伝えたい
私の言葉で伝えたい


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□                  ☆彡     
■【12】イベントのお知らせ         ☆  
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(1)「雇用」を正せ! 仲間を救え!
    1・23緊急市民集会
(2)よどがわ わくわく博
(3)お話の語り手講座開講30回記念講演会
〜 伝承の語り文化と市民社会の福祉


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(1)「雇用」を正せ! 仲間を救え!
    1・23緊急市民集会  

歪んだ雇用によって切られた人たちは、今どうしてる。
カネも仕事も眠る場所もない人たちは、今どうしてる。
自分の暮らしも厳しいけれど、彼らの事が気にかかる。
正規の人も非正規の人も、みんな同じ働く仲間。
どうすれば、彼らの命をまもれるのか。
どうすれば、不公平な雇用・就労を正せるのか。
みんなで考え、みんなで動こう。
1.23は友達、仲間を誘って緊急市民集会へ!

日 時:09年1月23日(金)午後6時開場
会 場:エルおおさか(天満橋の府立労働センター)
参 加 費: 1000円
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〈第1部〉6:15〜7:25 話題のドキュメンタリー
『フツーの仕事がしたい』(土屋トカチ監督) 先行上映会

〈第2部〉7:30〜8:45 パネルディスカッション
「深刻な雇用実態と立法府がなすべきこと」

7:30〜7:55 雇い止め、派遣切りされた人たち
+ 土屋トカチ監督による実態報告
7:55〜8:20 各党の出席者から発言
  8:20〜8:45 登壇者全員でフリートーク 
      
[主催/連絡先]
1.23緊急市民集会実行委員会
06-6302-2073(第七藝術劇場 気付)


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(2)よどがわ わくわく博


なにが飛び出すかわからないアートと国際交流の2日間! です。
会場 大阪市淀川区民センター(阪急十三駅下車 西口から徒歩約7分、国道176沿い)

日時 2月7日 18:00 〜 20:30
モンゴルのゲルの中で国際交流です
● カフェ放送「てれれ」の上映会とミニライブ
● ゲル・カフェ で食べたり飲んだりしゃべったり

2月8日 11:00 〜 16:30 
●わく・わく広場イベント 日本舞踊、歌声広場、中国舞踊、沖縄の歌と踊り
 モンゴルの馬頭琴とホーミー、のこぎり音楽 尺八演奏、落語、むかしばなし、
 手作り工作、多彩なワークショップ、
 おでん・おにぎり、 手作りパン・クッキー、他
主催 淀川区役所、(財)淀川コミュニティ協会、淀川アート見本市実行委員



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(3)お話の語り手講座開講30回記念講演会
〜 伝承の語り文化と市民社会の福祉 〜

今、朗読や読み聞かせのボランティアが静かなブーム。このイベントでは社会活動の中における「語り」の意義を、伝統芸能の専門家と福祉活動の専門家のそれぞれからお話しいただきます。すでに語りの活動をしている方も、これから始めたい方もぜひご参加ください。

日時 2009年1月31日(土)午後1時から3時30分(予定)

内容 第一部 「次世代を育む〜語りのチカラ」
 NPO法人 あしやNPOセンター事務局長 海士 美雪さん

第二部 「古典落語を伝承する」 (落語実演と講演)
落語家 林家 染二 さん

会場 大阪NPOプラザ 3階ホール(大阪市福島区吉野4-29-20)
対象 語りのボランティア活動をしている人や語りに関心のある人など
参加費 1,500円(資料代含む)

定員 100名(先着順)
申込方法 参加申込みは、「お話の語り手講座開講30回記念講演会」申込みフォームよりお申し込みください。
主催 (福)大阪ボランティア協会 担当:奈良雅美
〒553-0006 大阪市福島区吉野4-29-20大阪NPOプラザ100号
電話:06-6465-8391、ファックス:06-6465-8393
Eメール:cec@osakavol.org

※この事業は、大阪府福祉基金地域福祉振興助成金を活用して行っています。


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★【13】 編集後記                     ★☆★
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昨年末駅のプラットフォームで信じられない光景を見た。飲み過ぎたのだろうと思われる青年がベンチに腰掛けながら、時折周りに無縁量に反吐を吐いていた。「トイレにでも行けよ」と思っていたら、またまた驚いた。フォームに快速電車が入り、少し離れたところにいた彼の友達が「この電車に乗らないと帰りが遅くなるから乗ろう」と彼に促した。普通電車に乗る私は、一体どうなるのかと思いながら見ていたら、早速車内でも派手に吐いた。彼の友達は、なんと彼から離れた安全なところに位置取りゲラゲラ笑っていた。自分さえよければいいという感覚はどこから来るのだろうか(スー)
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■書く力、書く参加!『市民ライター通信』■
    編集:市民ライター通信編集委員会
    編集者:今村澄子 発行者:吐山継彦
 

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