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□ 市民ライターどんどん(49)     ★彡☆彡
□    おおさか行動する障害者応援センター 福島義弘   ☆彡
■              ★彡
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        ◆ 応援センターの問いかけるもの ◆

おおさか行動する障害者応援センター(以下、応援センター)は1979年に発足。今年で30年を迎える。「誰でも乗れる地下鉄をつくる会」を前身とする応援センターは、障害者が自由に街へ出かけられることをめざし、その手段としてボランティアによる外出支援を中心として活動に取り組んできた。

応援センターの名称にある「おおさか」は「大阪」ではない。障害者が暮らしにくい大阪から、だれもが暮らしやすい新しいまち「おおさか」をつくっていこうという思いがこめられている。障害者が街中に出かけることで、近所の人や地域の人と顔見知りになれるのだ。
 
商店街のとあるお店で食事をしたいと私たちの仲間の障害者が思った。その店は入り口に段差があった。それでも、どうしてもその店のメニューが気になって、段を乗り越えて入店した。思ったとおり料理はおいしかったので、その後も幾度かそこへ食事に訪れた。いつのまにか店の入り口にはスロープが取り付けられていたという。

顔なじみになることで、人は心を動かし、それまで気付かなかったことが意識されるようになったりする。幸いにも障害者の多くはその姿から、一度会ったら否応なしに印象に残ってしまう。目に付く存在なのである。それを人目に晒されると感じるか、インパクトを与える利点を持っていると納得するかは紙一重のところではあるのだが…。

応援センターの設立当時と比べると、障害者を取り巻く環境は大きな変化を遂げている。ヘルパーは制度として派遣されるようになった。このことは社会保障の観点からは評価できる。しかし、一方で失いかけているものがある、それは私たちが生活を営むうえでの基本ともいえる「ありふれた人間関係」の構築である。

現状は金銭の介在するヘルパーとのつき合いが、障害者の生活の大部分を占めているといっても過言ではない。やがて生活リズムそのものがヘルパー派遣の時間を中心としたものになってしまう危険性を含んでいる。こんな味気ない人間関係が日常となった状況を想像してみよう。なんと孤独で、情緒のない生活だろうか。これが障害者の望んだ生活スタイルだとしたらあまりにも切なすぎる。

応援センターで支援活動をしている人は、お金を目当てに活動しているわけではない。障害者の手助けをすることで、何らかの楽しみや何事にも換えられない喜びを感じている人たちだ。障害者と時には意見がぶつかることもあるが、それはまさに立場が対等なことを表しているといえるだろう。

応援センターは、稀薄になってきている人間関係の危機に対して、問いかけをすることができる、いや、しなければならないと思っている。私たちがめざす社会は障害者が優遇されるパラダイスではない。障害者がいることが自然であり、そこは障害者への配慮がみえる社会だ。

そのためには、金銭に縛られるのではなく、人間の心と心が響きあうボランティア活動の楽しさを体感できる経験が必要だと感じている。その第一歩は、障害者と街へ出かけてみることだ。映画でも買い物でもいいし、飲みに行くのでもよい。ありふれた日常の中でこそ、本当のバリアは取り払われるのだから。
 

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