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□ 市民ライターどんどん (40) ☆彡
□ 市民と暮らし研究所・所長 太田 昌也
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◆ バンド演奏と市民活動 多様な個性の共鳴を! ◆
先日、シャプラニール(バングラディシュやネパールなどで活動するNGO)の機関紙が届けられたので、早速目を通してみた。知人の一人で、この団体に長く関わっている福澤郁文さんの「共生とは交響だ」という文章が掲載されている。
読み進んでいくうちに、以前松山で開催されたボランティア学習の全国的な大会に参加したときのことを思い出した。白方雅博さん(松山市社協)から頼まれ、菊池修さん(えひめNPOセンター)と二人で、3時間もボランティア・市民活動についてセッションをやったのだ。
参加者は二人の話を聞き続けるという苦痛(?)を強いられるのだからと、会場のしつらえには工夫を凝らした。客席は4人掛けのテーブルにし、真っ白なテーブルクロスを敷いた。喫茶店の雰囲気で、コーヒーや紅茶を味わいながら聞けるというわけだ。我々二人は小さな丸いテーブルを挟んで向かい合い、脚の長い丸椅子に腰掛けて語り合う。バーの止り木に座って語り合う感じだ。
オープニングにも凝った。白方さんは地元では有名なジャズ好きで、おびただしい数のレコードやCDを持っている。もうひとつの彼の趣味である俳句では、蛇頭(ジャズ)という俳号を持っている程の入れ込みようなのだ。というわけで、お気に入りの1曲を流し、二人はそれぞれにこの演奏にコメントすることからスタートしようということになった。
どんなコメントをしようかと直前まで迷っていたが、若い頃にアマチュアバンドでサックスを吹いていた頃のことをふと思い出した。リズムセクションはドラム、ベース、ギター、管楽器はテナーサックス、アルトサックス、トランペット、トロンボーン、それにピアノを加えた本格的な編成のビッグバンドだった。しかし、楽器の経験が無いメンバーがほとんどで、練習は週に一度だけだからなかなか上達しない。指導者も兼ねていたバンドマスターからボロクソにけなされることも度々だ。
そんなバンドでも、たまにはメンバーの息がピッタリと合い、素晴らしい演奏になることがある。そのときの嬉しさは格別だ。思わず笑みがこぼれ、自然にお互いの演奏を称えあう拍手が沸き起こる。
そのことを思い出して、「バンド演奏と市民活動は似ている」とコメントしたのだ。一人一人の個性は尊重されなければならないが、みんなが「俺が、俺が」と主張したのでは調和がとれない。個性が共鳴し、活かし合えてこそ良いものが生まれるのだ。これがコラボレーションの効果じゃあないのかと。
最近、仕事はセミリタイア、市民活動も充電中なので、主夫業を中心にした生活になっている。そこでつくづく感じるのは、料理もまたこれに似ているということだ。一つ一つの素材の旨みを活かしながら、バランスのとれた味のハーモニーを生み出すことが料理づくりの秘訣である。
市民活動の組織には個性派が多いが、それぞれの個性を活かし、共鳴することで良い活動を生み出してほしいものだ。
*この文章は、太田さんが連載されている「白虎酔論」10号を転載させていただいたものです。現在、「白虎酔論」は下記のURLに掲載されています。
http://dankaiaction.jp/pages/byakkosuiron/byakkoindex.html
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